以下、物語の核心・根幹に触れうるネタバレのため要注意!
概要
プロフィール
アスタの魔導書に宿っている反魔法の悪魔。
悪魔は冥府で生まれ、生まれた時から悪魔の間でその序列や立場が崩れる事はない。
大変退屈な冥府の世界では序列が上の悪魔が下の悪魔を『暇つぶし』のために虐げ、下の悪魔は更に下の悪魔を虐げると言う事が当然のように蔓延している。
そんな冥府で悪魔にとって人間を弄ぶ事は至上の悦楽としており、虐げたいがために人間世界に行く事を望んでいる。
冥府でリーベは魔力を持たない悪魔として生まれたがために序列は間違いなく最下位で、生まれてから血を流さない日々がないくらいの日々を過ごしたと言う、正に『生き地獄』のように冥府を生きてきた。
ある時、虫の居所を悪くしていた上位の悪魔によって冥府の門へ投げ飛ばされ、門にぶつかってバラバラになり死を覚悟したが、魔力を持たなかった事が幸いして門をすり抜け、存命したまま現世…つまりアスタ達のいる世界に行き着いた。
リーベは魔力も力も無く冥府で苛烈極まりない仕打ちを受け続けたせいか、身体はボロボロで他の悪魔と違い人間に対して何の感情も持っていなかった。
だがその異形の風貌から人間達からは当然悪魔として忌み嫌われ、酷い迫害も受け続けた。
魔力の強い人間に追われて逃げ続け、ついに動けなくなるくらいに倒れてしまう。
同時に自分でさえも絶望していた人生に幕を下ろせる事に安堵し死のうとするも、しばらくして目を覚ますとある女性が住んでいる家のベッドの上だった。
その女性の名はリチタ。
最初は冥府や現世での迫害や苛烈な仕打ちを長く受け続けたために不信感でいっぱいだったが、リチタと共に生活していく中で笑顔と感情、そして人間を信じようとする気持ちを取り戻していく。そして、
『悪魔だからって絶対に悪いヤツだって決まってるワケじゃないでしょ だって…アンタは悪いヤツじゃない!』
『アンタは私を一人ぼっちの苦しみから救ったもの!』
上記のセリフを真っ直ぐに伝えてくれたリチタを『オレの世界を変えた』と信じる程に大切な存在となる。
…だがその瞬間、最上級悪魔『ルチフェロ』がリーベの身体を乗っ取り、リーベを依代にして現世に顕現しようとしたが、リチタによって救われる。
ルチフェロによって微かな命となったリチタは最後の力を振り絞り、他の悪魔からの干渉を断つため、以前に偶然拾った五つ葉の魔導書(リヒトの魔導書)にリーベを封じ込め、その安全を確保した。
そしてリチタは涙を流し、微笑みながらリーベに言った。
「生きてね リーベ 私の愛する息子――――」
そしてリーベもリチタを初めて「母さん」と呼んだ。
自身の生まれついての体質で周囲から忌み嫌われ孤独に生きてきたリチタ
最下位悪魔として生まれ、酷い仕打ちと迫害を受け続けて孤独だったリーベ
深い孤独な人生を生きている中で二人は運命的に出会い、共に暮らしていく中で、かけがえのない存在同士となった二人だった。
上述の経験から『悪魔は皆クズ』と妄信するようになり、例えアスタの身体を奪ってでも、ルチフェロを始めとする全ての悪魔を葬ると決意するに至った。
アスタに憑いている悪魔リーベは、初めてできたかけがえのない人間であり自分を家族のように愛したリチタを奪った悪魔達に途方もない怒りと憎悪に身を任せ生きるようになった。
リーベは誰が見ても悪魔だが、彼もまた哀しき想いを背負った悪魔である。
そして魔導書の中で全ての悪魔を呪い続けたリーベはその果てに、魔法を打ち消す反魔法に覚醒。
一方で力を手に入れた事で魔導書から抜け出せなくなってしまい、また反魔法は持っていても魔力がないため、現世に出るための依代が必要になってしまう。
その後魔導書がアスタを選んだ事で彼に手を貸しながら、現世に出られる機会を窺っていた。
余談だが、「Liebe」とはドイツ語で「愛」を意味する。