CV.内山昂輝
概要
ゲーム版
本作の主人公。ベルリン・シンフォニカの奥で眠りについていた指揮者。
ムジカート達を指揮し、勝利へと導く存在とされている。
アニメ版
名指揮者と呼ばれた朝雛ケンジの一人息子で、超一流のピアニスト。幼少期にボストンの演奏会でD2の襲撃を受けて父を亡くし、音楽が失われていく世界に抗うように生きてきた。
自宅のガレージで一日中グランドピアノに向き合っており、生活力の無さを案じて足繫く通ってくるシュナイダー姉妹にも無愛想に接するダメ人間。人生を音楽に捧げながらも、今の世界に自身の音楽が届くのかという不安も口にしており、コゼットの半ば強引な誘いで、演奏者としてシンフォニカパーティーへと赴いた。
コゼットとの連弾で喝采を浴びたのも束の間、不可解なD2の出現による混乱の中でムジカート・運命と契約。予期せずコンダクターとなったことで、散発的に活動するD2との戦いに身を投じることになる。
戦闘形態の運命とは感覚の一部を共有しているほか、身体能力が飛躍的に向上している様子が描かれている。シンフォニカパーティーでの騒動で致命的なダメージを負った右腕を、運命との契約時に捕食されており、平時は傷一つない状態で復元されているが、運命が戦闘形態をとると右腕が消失、左手で指揮棒を振るう。またこの間は、普段灰色である瞳も運命同様の水色に変わる。
運命の戦闘に必要なエネルギーの一部を自身の生命力から供給しているため、コンダクターとしての消耗が激しく、戦闘後はしばしば卒倒している。
持ち前の図太さゆえか、無我夢中だった初陣以降もD2を前に怯むような素振りは見せず、ノルマのように家屋の壁を破壊して飛び出していく運命の滅茶苦茶な振る舞いについてもあまり頓着しない。
レニーの教えを受けてコンダクターとしても新米を脱しており、運命とは文句を言い合いながらも、次第に息を合わせた戦いぶりを見せるようになっていく。
座右の銘は「音楽は全てにおいて優先される」。不器用で要領の悪いところも散見されるが「音楽以外の才能は不要」とまで豪語し、無益なことにくよくよしない、よくも悪くもアーティスト気質で割り切った性格。
友好的な相手にはそっけなくも相応の態度を見せる反面、強く出られると傍若無人の度合いを増して不遜に振る舞うため、主にアンナをヒヤヒヤさせている。
旅を通じて、D2襲撃後も音楽がなお人の心に残っていることを知り、「自身の曲を作る」目標を抱くようになる。
反面、コンダクターとして運命と戦いを続けるうちに生命力を著しく失い、運命との契約の影響でできた右手の痣が徐々に腕全体から首筋、顔半分を蝕み、戦闘もままならなくなっていく。それでも音楽を取り戻したい・自分の音楽を奏でたい気持ちに変わりはなく命を削り戦っていくが……。
名前の由来は実在する左利きの指揮者・朝比奈隆と思われる。
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以下最終回のネタバレ注意
遂に痣が顔全体を蝕み、髪も白く染まる中、ザーガン、そして天国と地獄が合体したムジカート・地獄のオルフェとの戦いに決着をつけたタクト。
戦いの中、自作の曲の構想を固め「with Love」の題で残しており(アニメ公式サイトの「Intermezzo」も参照)、「自作の曲を運命に聞かせる」約束をワンフレーズを歌う形で果たす。
永遠の眠りにつきかけた彼だが、運命によって右腕と生命力を還されたことで命を繋げる。そしてロッテらシンフォニカに発見され、治療が終わるまでの間コールドスリープ処置を施された。更に万全な設備の中で治療を行うため、ニューヨークを離れ別の場所に移されることが決定する。
アニメはゲームの前日譚であることがある人物の描写から明らかになっており、ゲーム版タクトの「ベルリン・シンフォニカで眠りについていた」設定も、ベルリンに移りコールドスリープと治療が継続されたと考えれば納得がいく。
また、ダメージが深刻であった結果、彼が目覚めたのはアニメから20年経った2067年であった。上記「Intermezzo」では「彼がたとえすべてを忘れていたとしても。彼がたとえすべてを喪っていたとしても。」と、治療とコールドスリープを終えた彼が記憶を失っている可能性が示唆されているが、真相はゲーム版の配信を待つことになるだろう。