SCP-173とは、SCP財団に収容されているオブジェクトである。
概要
海外のシェアワールド「SCP_Foundation」に登場するモンスター。別名「彫刻-オリジナル」。
かつて記事には加藤泉氏の『無題2004』をKeisuke Yamamoto氏によって撮影された写真が掲載されていた。
加藤泉『無題2004』(外部リンク)
この画像を見た英語圏のネットユーザー達があまりの不気味さに衝撃を受けて、
SCP-173の設定を考え、後のSCPや「SCP_Foundation」を産み出すきっかけとなった。
wikiに掲載されたイメージ画像と記述された行動の不気味さ・危険性から、SCPに初めて触れるユーザーに少なからぬインパクトを与えた存在。
財団の存在意義やDクラス職員の扱いを含めSCPの何たるかを体現しており、ある意味SCP Foundationの看板オブジェクトと呼べるだろう。
ただし、加藤泉氏サイドは『無題2004』がSCPのキャラクターとして認知される事を望んでいない。
それでもこの作品を撮った画像がSCPサイトに掲載され続けられていたのは、SCPスタッフが加藤氏に許可を求めた際に極めて限定的な条件のもと容認して頂いた為である(注意!!の節を参照)。
というわけで、記事から写真が削除された現在においても、加藤氏の個展などで『無題2004』を見かけても、「SCP-173だ!」などと声に出すことは好ましくない。
画像削除へ
条件付きの容認を加藤氏から頂いたSCP運営本部は後述のように、本SCPの使用にあたっての明確な条件、ガイドラインを提示し、念入りに注意喚起を行ってきた。
しかしながら、SCPがネットの片隅で語られるネタから国際的な創作者グループ、ファンコミュニティを有する一大コンテンツとなるにつれ、ビジュアルの原典たる『無題2004』に込めた加藤氏のテーマは覆い隠されていく事となった。
SCPの世界観にもあるワードで説明するなら「ミーム汚染」を受けたのである。
SCP-173というキャラクターや文章や設定は二次利用可能でありながら、写真と被写体はそうではない、という内部矛盾はガイドラインに違反し、勝手にSCPに使われた『無題2004』のビジュアルをグッズにして販売する違反者があまりにも多く現われるという形でも露呈した(ガイドラインをもうけて二次創作を許可する版権作品でも禁じられる事が殆どな立体物すらある)。またガイドラインを守り非商用で展開しているSCPゲームでもそのSCP-173が映るプレイ動画で広告収入を得るという事例も現われていった。
これらを重く見たSCP運営本部はSCP-173の紹介ページから加藤氏の彫刻作品の写真を削除することを決定した(SCP-173の画像が自主削除へ~SCPの象徴的存在にして歪みの元凶~)。
過半数の賛成がなされた場合、2022年2月13日(日)に削除される見込み(架空の組織・SCP財団が「SCP-173」の画像を削除へ 創作コミュニティ誕生のきっかけとなった無断転載)。
加藤氏サイドからの要請があったわけではなく、法的・道義的責任を鑑みた上でのSCP本部側の自主的判断である。
SCP-173の作者Moto42氏の意向としてはSCP-173に「公式の外見」は存在しないため、代替となる画像との差し替えではなく、SCP-173のページにおいては画像削除のみの措置となる。
氏の希望に基づきSCP解説記事を編纂しているWiki運営者は本SCPを再解釈した画像の公募大会を開催する。本イベントの成果物はSCP-173の姿を再想像する為のアートコラボギャラリーとなる(「残念ながらSCP-173の画像は近々削除されます」SCP財団公式が発表―SCP-173が登場するゲームへの影響は?)。
日本時間2022年2月14日の昼頃、wikiから『無題2004』の写真画像が削除された(公式Twitterアカウントの報告ツイート)。
性質
見た目は鉄筋コンクリート製の不気味な彫刻。誰かに見つめられているときは動かないが、目を離すか瞬きをした瞬間に高速で動き、人間を襲う。ちなみにSCP-173は人間だけでなくSCP-131やSCP-682に見つめられている場合も活動を停止する。
収容コンテナは血と排泄物で汚れるため定期的に清掃する必要がある(勿論見つめ続けながら)が、これらがどこから排泄されたものかは不明。そもそもSCP-173が食餌を必要とするのかも不明である。
とにかく「見ている限り動かない」が「人類に対して明確な敵意を持つ」ため「性質上制御が可能なだけで些細なきっかけで容易に脱走し、甚大な被害を出す」という特徴を持つ。
詳しい解説はSCP財団日本支部へ。
余談だが、なぜかこのオブジェクトを擬人化したイラストが複数存在する……。
対SCP-682
「不死身の爬虫類」とも称されるほど危険で戦闘力が高く、少なくとも人間の手での殺傷が不可能とされるSCP-682に対しては、同じSCPによる殺害を試みる実験が何度も行われている。
その中にあって、「殺し切れる可能性」が一番高いと評されたのがこのSCP-173であった。
実験では、目を放したSCP-682に襲い掛かって瞬時に重傷を負わせるという驚異的な破壊力を発揮したが、その後は実験終了まで警戒したSCP-682が微動だにせずSCP-173から目を離さなかったたため、実験自体は失敗に終わっている。
ついでに言うと、SCP-173が大量発生した世界の、テイルズ(2次創作みたいなもん)では、何百というSCP-173があのクソトカゲを細切れの肉塊にしたらしい。
注意!!
このSCP-173はSCP-foundationに最初に投稿された原初のSCPであり最も有名なSCPであるが、同時に最も特別な扱いをしなければならないSCPである。
SCPに関しての創作は、「クリエイティブ・コモンズ BY-SA 3.0」に則っている限りどう扱おうと基本自由だが、SCP-173の画像に限っては営利目的の利用が一切認められない。文章部分は「クリエイティブ・コモンズ BY-SA 3.0」が適用される。
これはSCPのシニアスタッフがSCP-173の元ネタ『無題2004』の作者である加藤泉氏に許可を求めた際に加藤氏から提示された条件である。
前述のように加藤氏はかなり消極的な認可だったようで、これに違反した場合、加藤氏から法的措置を取ることも検討しているため、SCP-173の画像を創作に組み込む場合、金銭授受は一切行わない方が無難である。
わかりやすく言えば「どんな形であれ、SCP-173を出した作品でお金を取ってはいけない」。それはイラスト、漫画は勿論、そうした形式をとらない同人誌、グッズやゲームも含まれる。SCPのゲームの多くがクオリティの高さに関わらずフリーゲームなのもそういった背景がある。パトロンサイトでの公開は以ての外である。
上記の条件確認後、(SCPに関連する形での)営利目的での利用許諾の問い合わせが「加藤泉スタジオ」になされるようになったため、SCP-JPから再度、加藤氏サイドに営利許諾の問い合わせ自体を行わないように、という表明が改めてなされ、他言語版コミュニティにも通達されることになった(【重要】SCP-173と加藤泉氏による「無題2004」に関する再確認)。
また、SCP-173と同様の利用制限を持つ存在としてSCP-111とSCP-1926がある。これらもSCP-173同様、商用を目的とした二次利用は禁止されている。
姿の代替案の二次創作
上記の問題をクリアするため、『無題2004』の姿では無い、「SCP-173の姿の代替案」を考え、創作するファンもいる。
「SCP-173 alternative」「SCP-173-B」で検索するとその例を見ることができる。
上述の削除声明が出る前からも各所で作成されていたが、運営側からの削除とコンペ掲載の声明以降、新案の投稿がより多くなされるようになった。
関連タグ
SCP-650 … SCP-173と似た性質を持つが、こっちは驚かせるだけ。しかし、驚かせるためにサイト内を自由に移動できるようなのでオブジェクトクラスは同じEuclidである。