概要
社員もといメンバーはゲヘナ学園の4名の生徒──アウトローに憧れるアルと、嬉々としてトラブルを楽しむ幼馴染みのムツキ、アルに恩義のある年少のハルカ、参謀役の最年長・カヨコ。
社名はアルの姓「陸八魔」にちなんだものと思われる。社章も「ⅥⅧ」を頂いた禍々しい角を持つ獣の頭骨。
組織紹介および活動内容
元々は「自由と混沌」を校風に掲げ、問題児揃いで悪名高く、いくつもの違法サークルを抱えるゲヘナ学園内で立ち上げられた部活の一つであった。
だが「真のアウトロー」を目指すアルの見境のない活動がヤバ過ぎたせいか一際厄介視され、キヴォトス最強の一角と名高い空崎ヒナを擁する風紀委員会と対立。
以降は学園内で活動が難しくなったため、学外にオフィスを構えて活動するようになった。そのため、一応はゲヘナ学園所属となっているが授業・活動などには参加していない模様。そのためゲヘナを主軸にした周年イベントである陽ひらく彼女たちの小夜曲にも不在でメンバーは一切登場しなかった。
何かと派手な被害を出す事から、あたかも非常に凶悪な集団であるかのように噂されているが、実態を知る関係者からは「セコい悪さをする奴ら」程度にしか思われておらず、メンバーのカヨコさえそれを承知しているような節もある。
ムツキに焚きつけられたアルが勢いで大口を叩き、ハルカが即実行に移して意図せぬ大惨事となり、カヨコが溜息をつく、という一連の流れは便利屋の様式美。
美食研究会や温泉開発部といったゲヘナ内部で暴れている集団とは異なる“企業”という性質から、依頼の内容によっては他校の自治区で問題を起こす可能性が高いため、実態はともかく目を付けられてしまったのではとも推測されている(とはいえ、例に挙げた部活も他校の自治区で大騒ぎを引き起こしている)。
また、現時点で便利屋と風紀委員会がぶつかった状況の殆どがアコの私的理由によるものが大きくヒナも苦言を呈しているため、正直アコ以外はそこまで敵視していない。
メインストーリーVol.1「対策委員会編」ではとある依頼を受けてアビドス学区内で暗躍しており、プレイヤーたちには早くからその存在と金欠無法集団ぶりが認知されている。
意図せずやらかした爆破事件では自治区同士の抗争の火種になりかけながらも、アウトローとしての矜持と逃げ足の速さでトリックスターとしての地位を確立した。
劇中では“ポンコツ社長と愉快な仲間たち”のような印象が強いものの、「ヒナがいなければ風紀委員はどうにでもできる」と語り、実際圧倒的な人数の差やヒナ以外の主要メンバーが揃っているという状態の風紀委員会相手にどうにかしてしまった有数の実力者集団。
4人の役割的にはタンクのハルカが斬り込み、カヨコが威圧で敵を怯ませ、後方からムツキの爆弾やアルの狙撃で追い打ちをかける図式が基本。
コミカライズ版でも、美食研究会全員を相手にアルとカヨコの2人のみで応戦し互角に持ち込んでおり、ゲヘナの無法者の中でも一歩抜きんでている事が窺える。
一方でヒナが近づいてきていることを察知した際は一目散に逃げるものの、これに関しては無謀なことはせず引くべき時に引ける判断力を持ち合わせているとも取れるし、なによりヒナに多少なりとも抵抗できる人物は全生徒の中でも数えるほどしかいない。
組織の運営
「金を貰えばなんでもする」がモットー。「法律と規律に縛られないハードボイルドなアウトロー」をビジョンとして掲げ、状況次第では「信頼には信頼で報いる」も適用される。なんでもするとは言ったが、上記の信条のために状況によって(例えば依頼主がどうしようもない巨悪だったり、もしくは便利屋メンバーを蔑ろにしたとき等)は利益を放り投げてまで仕事を突っぱねたり依頼主を裏切ったりもする。「ハルカ、やりなさい!」「ハイ!アル様!!」の爆発オチはとてもカッコいいが、やはりその際の報酬はなくなるため白目を剥く二段オチはこれもやはり様式美。
後先考えずにアルが有り金を仕事に注ぎ込む上に、仕事のやり方には口出しさせないよう依頼人から手付金を取らないという主義を曲げないため、依頼に失敗して成功報酬を受け取れないと途端に経営難に陥る。
加えて信用を得ようと見栄を張って立派なオフィスを借りるせいで、賃貸料が経営を圧迫しており、社の財政は常に綱渡り状態。結果食費も切迫しており、一つのカップ麺を四人で分け合うこともしばしば。
その際は安価で美味しい柴関ラーメンと先生のお弁当の差し入れになんども助けられている。
欠席届の偽造販売に手を染めた一件では1枚も売れず、不法侵入及び公文書偽造という大層な罪状の割に実入りが全く無かったことも。
当初はアルが暮らす寮の部屋を拠点としていたが、学園を追い出されてから一時期は公園に張ったテントをオフィスにしていたらしい。以降も事務所を失ってテント暮らしに戻ったり、悪評を買いすぎて別の事務所に移転(夜逃げ)したりを繰り返す羽目になったりしている(アニメでは公園の遊具で生活していた)。漫画「便利屋68業務日誌」では廃墟を事務所代わりにしたり悪徳不動産から物件を買おうとしたりしている。
銀行から融資を受けようにも、経営状態が破綻しているへっぽこ企業という統計データは払拭できずに共有されており、審査ではペーパーカンパニーを疑われるレベル。アルの個人口座にいたっては風紀委員会によって指名手配ついでに凍結済み。
こんな有様だが、心からアウトローとしての生き方を追い求めるアルの根っこにある、どうしようもない善良さや純粋さ、あるいは気高さを他の社員は好ましく思っているようで、しばしば白目を剥きながら状況に振り回されるアルが一度腹を決めれば、少数精鋭と呼ぶに相応しい爆発力を見せるチーム。
アルが「愛用品」として装備している高級財布には、彼女らの関係性の一端が表れている。
そんなアルの根っこの部分を見抜いてか、他人に迷惑をかける生徒には厳しい先生も、彼女らの活動についてはある程度容認し、「経営顧問」として見守っている。
コミカライズ版ではお弁当の差し入れやシャーレの書類仕事等雑務の斡旋をしてもらうシーンも見られた。
オフィスに飾られている「一日一惡」の書は、アルが習字の宿題で書いたもの(ムツキ曰く「天賦の才」)で、本人は大変気に入っている。カフェの家具の中にはアル(正月ver.)が筆をとって達筆を披露してくれる文机もある。
ゲームでの性能
通常版は4名全員がSTRIKER枠の爆発アタッカー。
アル以外はレアリティ星2以下なので、多少ガチャを引けばほぼ確実に入手できる為、戦力が揃っていない序盤では必然的に彼女らのお世話となる。
イベント『新春狂想曲 第68番』の初回開催時にアル・ムツキ、復刻開催時にカヨコ・ハルカの正月衣装バージョンが実装された。
属性や役割も様変わりしており、アルは貫通、カヨコとムツキが神秘、ハルカは爆発のままだが役割がスペシャルに変更され、統一編成こそ難しくなったものの幅広く活躍出来るようになった。
神秘バッファーとして優秀な正月カヨコは度々「人権」と呼ばれ、唯一低コストで神秘の範囲攻撃が可能な正月ムツキも準人権として扱われがち。
2024年2月にアルとカヨコにドレス版が実装されたことで、衣装違いを3種類持つ生徒を複数持つ最初のグループとなった(共に通常/正月/ドレス)。
他の勢力との関係
「対策委員会編」での縁もあってか絡みが多く、特にアルバイトに明け暮れているセリカと関わることが多い。運命のいたずらで銃火を交えながらも、因縁が解消されてからはキヴォトスの少数派同士として友好よりの対等な関係を築いている。
メインストーリーFinal.「あまねく奇跡の始発点編」でもやはり対策委員会と組んで、砂漠地帯に出現した第1サンクトゥムの攻略を担当。もう使われていない鉄道を使っての陽動作戦を担当。
また漫画版では、シロコの依頼で共に賞金首の捕獲を行っている。
アルが参加しているイタズラ☆ストレートには、ヒフミ経由で情報を知ったノノミが5人目として加入。
2024年のエイプリルフール企画ではシャーレに来たシロコとホシノが、後から来たアルとムツキと色々あって麻雀を始め、揃って雀魂へコラボする事になった。
マークされてはいるものの、便利屋が請負業かつ基本的に逃げの一手を打っているため、積極的な追う追われるの関係にはなっておらず、サーチアンドデストロイよろしく問答無用で捕縛されるわけではない模様。
「対策委員会」編では参謀・アコの「アビドスで行動しているというシャーレの先生の身柄を確保する」という目的のために、兵力を差し向ける理由として「同地域をうろついている便利屋を校則違反で逮捕する」という建前に使われるあんまりな役回りだったが、ひとしきり暴れて一矢報いた直後、カヨコの分析からヒナの到着を予感するや一目散に逃亡している。当のヒナは先生にある情報を伝えに来ただけだったのだが、便利屋と出会っていれば捕まえた可能性は十分ある。
イベント『新春狂想曲 第68番』ではカイテンジャーが巻き起こした一連の事件が原因でイオリに勘違いで摘発されそうになるも、先生の証言とアコが探し当てた情報によって見逃されている。
後述のコミカライズでは(アコの逆恨みで)公園生活を摘発され、応戦虚しくテントら野営設備を潰されてしまった(先生の支援で逮捕は免除されたが)。カヨコによると「ヒナがいなければどうにかなる」と語っており、ヒナ以外はあまり危険視してない模様。事実としてヒナが駆けつけるまでは便利屋側が戦況優勢を保っていた。
ブラックマーケットで裏社会の洗礼を受けたサオリが、たまたま居合わせたハルカの暴挙を目の当たりにして“流儀”を学んでいる。また、最終編でもヘルメット団に雇われたサオリが便利屋68と交戦したことが示唆されており、後のイベント「0068 オペラより愛を込めて!」で再会した際に、ハルカ以外のメンバーともお互いある程度の面識がある様子だった。
初対面のインパクトが大きかったせいか、サオリは便利屋68を「裏世界のトップクラス」と認識しており、一方でアル側もストイックに依頼をこなそうとするサオリに憧れを抱いていた。
同じゲヘナ学園に所属する問題児。交流は殆どないが、ハルナから一目置かれている様子が描かれている一方、アルからは話が通じない危険人物と認識されており、苦手意識を持たれている。
他の組織と違って所属する学園の自治区外でも、依頼さえあれば活動する集団であるため、今後も様々な組織と絡む可能性はある。『ブルーアーカイブ』におけるギャグ担当筆頭でもあるため、何をしでかすのか期待したいところ。
便利屋68業務日誌
野際かえでによるスピンオフコミック。コミックブシロードWEBにて2022年10月14日より連載中。「便利屋の4人が巻き起こすドタバタ劇」の紹介文どおり、見栄とハッタリと事務所選びに全力投球のアルと、逞しくついてくる社員たちの日常を描く。
少しくたびれたメガネ男子の「先生」(通称・便利屋先生)が登場するのも特徴のひとつ。作者のTwitterアカウントではエピソードの更新に伴って社員たちやゲストキャラのイラストも掲載されている(検索の一例)。ちなみに作者は『ブルーアーカイブ』公式サイトで配布されている壁紙のうち、イベント「新春狂想曲 第68番」をテーマとしたイラストを寄稿している。
余談
- グローバル版での表記は「 Problem Solver 68 」=トラブル解決屋。同初期設定では「Private Eye 68」=私立探偵だった。トラブルを解決してくれそうな初期の探偵設定に対し、解決屋を名乗りながらトラブルメーカーと化している現状は何とも味わい深い。
- 作中で「便利屋69」という下ネタ系誤字が発生したことがある。事もあろうに発言者はアル社長本人。たしかにアルの元ネタであろうベリアルを淫らな堕天使と呼ぶ作品は多いが、あんまりな誤字である。
テレビCM
サービス開始から約3ヶ月、2021年5月に公開された15秒サイズのCMに登場。「『ブルアカ』についての調査」をドヤ顔で請け負うアル社長にたっぷり尺を使いつつ、謎の覆面集団、暗がりで爆弾を設置するハルカ、派手に吹き飛ぶラーメン屋の看板、白目で固まるアルが報告した内容は「透き通るような世界観で送る学園RPG」……と、メインストーリーに触れていない者にはだいぶ意味不明な情報が圧縮されている。
【ブルアカ】便利屋68アニメPV
サウンドトラック
2023年7月配信のサウンドトラックVol.4では、関連タグにあるやらかしシーンでおなじみの「あの曲」がトラック1に入っている。そのためか、ジャケットイラストは便利屋68が飾った。実は異例の人選で、主役ではない面子の起用は便利屋が初だったりする。
キャラソング
キャラソングシリーズ『青春あんさんぶる』第3弾にも抜擢された。キャラソング「一日一惡★レッツゴー!」のほか、ボイスドラマ「便利屋の夜はこれからよ!」も収録されている(CDのみ)。
月曜の顔
これまでユウカやノア、アリスにアビドス一同が顔を出していた毎週月曜日。金曜日に気まぐれに登場していたカズサのショート動画も終わって意気消沈する先生の前に現れたのは…
ご存知陸八魔アルと便利屋一同。2024年7月1日から、月曜の顔は便利屋68が担当することに。
何気にハルカとカヨコの3Dモデルはこれが初登場である。
関連タグ
イタズラ☆ストレート… この便利屋が元凶である。
Unwelcome_School… 便利屋、というかアルがやらかすシーンでお馴染みのBGM。