概要
アメリカのA-10のような機体の必要性を感じたソビエトが開発した攻撃機。
もとより音速を超えないような設計であり、主翼も直線に近い。
なお、A-10よりも小型だが、最大速度はこちらが上である。(最大950km/h)
広い主翼には多くのハードポイントがあり、A-10に同じく多くの兵器を吊架できる。
機銃は30㎜機銃だが、A-10に比べると弾数は少ない。(総弾数250発)
コクピットはチタンの装甲で守られており、これもA-10と同様である。
エンジンは内蔵燃料タンクを覆うように配置されているが、こちらは装甲されていない。
アフガン侵攻では片方のエンジンに被弾し、
その破片が胴体(と燃料タンク)を貫通してもう片方のエンジンを破壊する事が多発したという。
対策としてエンジン間にチタン装甲が追加され、以来撃墜される事は無くなったと言われている。
Su-25はトビリシ(現グルジア)で生産されていたが、
独立後もそのまま生産が続けられる事になっている。
皮肉にもグルジア独立紛争ではロシア・グルジア両軍がSu-25を投入し、
お互いに空爆し合った。もちろん、誤射も多発している。
Su-25は現在でもロシアの主力攻撃機の一つであり、今後も運用が続くようだ。
特色としては『小型で小回りもきく事』であるが、
これは『A-10よりも搭載量や航続距離で劣る』という事でもある。
結局「どちらを重視するか」という点についてはそれぞれの軍の重点項目によるものであり、
どちらかが優秀であるとは言い難い。
ソビエトはチタン装甲の元祖
チタンは地殻付近で鉄の次に埋蔵量が多い金属であるが、
鉱脈になりにくく、加工も難しいので(比較的)最近まで利用されなかった。
また、冷戦期のチタン鉱脈の殆どは共産圏であったので、ソビエトは積極的に利用した。
加工のし難い金属であった為、軽さを生かして装甲に活用されている。
(装甲版なら「板切れ」でも利用できるため)
ここで蓄積されたノウハウはソ連崩壊の際に流出し、
現在では世界中でチタンを利用できるようになっている。
ちなみに、冷戦中にアメリカはダミー企業を介してソビエトから輸入し、軍事用に利用している。
(例:SR-71の部品など)