概要
日本ではシロギス、アオギス、などがいるが近年ではキスといえばたいていシロギスを指す。海外には体長80cmにも達するダイオウギスや背ビレが糸状に伸びるイトヒキギスなどの個性的な近縁種が生息する。
なお、一部地域でメギスとも呼ばれるニギスや、トラギス、トカゲギスなど名前にキスを冠する魚は沢山存在するが多くは見た目が似ているだけの別物。
ギスという魚もいる。
アオギス
かつて東京湾で脚立を立てて釣りがなされ、江戸前の天ぷらで親しまれていたのはアオギスである。これは江戸時代からの名物であった。キスといえばアオギスであり、シロギスは外道(釣ろうとする目標以外の魚)だった。
しかし護岸工事や埋め立てによって生息地である干潟が消滅し産卵や稚魚の成長が出来なくなった。昭和30年代を最後に東京湾では絶滅してしまったといわれる。
徳島県吉野川のアオギスは昭和五十七年に天然記念物に指定されかけ、内定していたが記者会見直前で文化庁はだめ出しをした。当時、吉野川河口で埋め立てや港湾工事の計画があり、運輸省・建設省(当時)の圧力があったのではないかともいわれるが、今では闇の中である。