概要
地上に降り積もった雪がしだいに厚い万年雪から空気を通さない氷塊となり、重力によって流動するようになったものである。
その分類の仕方にはいくつかあるが、一般的には面積により広域氷河(「大陸氷河」)と局所氷河に分けられる。
前者は氷床とも呼ばれ、その規模によって島氷、内陸氷、大陸氷に細分される。
後者は主としてその形態から、基盤の起伏にあまり支配されない氷帽、高原氷河、基盤起伏に関係の深い「山岳氷河」グループとして懸垂氷河、圏谷氷河、谷氷河などに細分される。
これらの氷体は浸食と堆積する事によって圏谷(カール)など独特な氷河地形を生む。
現在陸上にみられる氷河は南極大陸とグリーンランドのそれぞれにある氷床が最大級であり、総面積は約1,633万km²にも及んで陸地の約11%にも及ぶとされる。
日本においては長らくの間氷河は存在しないとされてきたが、2012年以降富山県と長野県内の飛騨山脈(北アルプス)内でそれまで万年雪とされてきた7箇所が氷河である事が確認された。
この発見により極東及び東アジアの氷河の最南限が同地域となり、日本列島の地理や気候における自然の多様性の豊かさを証明する事になったといえる。