概要
CV:ゆかな
本編から約2000年前の「創世暦時代」に実在した女性。
オールドラントの世界宗教である「ローレライ教団」の始祖。第七音素の素養を持ち、第七音素から預言(スコア)を読み取る預言師(スコアラー)であった。
チーグルの力を借りて第七音素の意識集合体であるローレライと契約したとされ、惑星の始まりから終わりまでを読んだ「預言(スコア)」を残した。預言が書かれた譜石は全部で七つあるものの、発見されている第六譜石までは世界の大繁栄が読まれており、その預言を遵守し世界を繁栄に導く為の組織が「ローレライ教団」である。
ちなみにローレライ教団は元々ユリアの弟子のひとりダアトが裏切って設したものであり、その伝承は現在でも一般的に伝わっている。ローレライ教団の拠点の街の名前が「ダアト」なのは、和解を申し入れたダアトをユリアは許すもののダアトは自殺してしまい、ユリアがその死を悲しんでの事である。
ローレライ教団の上層部すら知らないが、マルクト帝国のホド島にあるフェンデ家はユリアの子孫であり、ユリアはヴァンとティアの先祖である。
経歴
ホド島で誕生し、当時はサザンクロス博士によって発見されたばかりの第七音素の素養を持ち、博士から第七音素を学びながら育った。譜術・譜業に長けた天才児であったが、第七音素を持つ故の未来視の力を周囲から気味悪がられ、孤独な幼少時代を過ごした。彼女にとって研究所の実験動物だったチーグルだけが友達であり、後に曲解して「ユリアがチーグルと契約した」と伝わるようになる。
やがて第七音素の観測地点を揉めて「譜術戦争」が勃発し、地殻変動が引き起こされて世界が障気に飲まれてしまうと、ユリアは世界を救うために旅に出る。その過程で彼女の下に10人の弟子が集い、ユリアが14歳の時に第七音素の意識集合体であるローレライと契約し、「ローレライの鍵」で惑星燃料機関であるプラネットストームを再構築させた。そして預言を読む事でこのままでは世界は滅びてしまうと人々に訴え、戦争を終結に導いた。
障気から人々を救うために、大地を浮かび上げる「フロート計画(外郭大地計画)」を立案し実現に向けて動いていたが、ユリアを快く思わないイスパニア国とフランク国に買収された弟子のフランシス・ダアトに裏切られて投獄されてしまい、計画は両国に奪われてしまった。ユリアを裏切ったダアトは彼女から奪った預言が刻まれた譜石を使って「ローレライ教団」を作り運営するが、預言の的中率の高さに次第に恐れをなし、3年後にユリアを解放。ユリアはダアトの和解を受け入れたものの、ダアトは自責の念から自殺してしまった。
ユリアは障気に満たされた本来の大地(魔界)に取り残されてしまったイスパニア国とフランク国の敵対国の人々を救うべく、外郭大地と魔界を繋ぐ「ユリアロード」と「ユリアシティ」の前身となる街を作り上げた。その後一番弟子のフレイル・アルバートをローレライ教団の導師に任命したのを最後に、公の場から姿を消した。
その後世界中を旅した後、ユリアは故郷のホド島に戻りアルバートと結婚する。夫が創設したフェンデ家が代々第七譜石を受け継ぐ事になり、ユリアは余生をホドで過ごした。また弟子のひとりであり、アルバートの異母弟ヴァルター・シグムントもガルディオス家を創設し、真の主であるユリアとその子孫を守る為のカモフラージュとして主従を逆転し、フェンデ家はガルディオス家に仕える騎士の家系となった。
預言
ユリアが世界に残した、惑星の始まりから終わりまでを読んだ預言(スコア)。内容は戦争等の大きな出来事からひとつの家庭の献立まで、細々として幅広い。
第七音素は元々地核で発生した「星の記憶」の記憶粒子が元になっており、惑星で起きるあらゆる出来事は星の記憶によりあらかじめ定められた出来事であるとされている。つまり預言は未来予知というよりも、「星の記憶の言語化」であり、それ故に高い的中率を誇る。
第六譜石までは世界が大繁栄すると読まれているため、現在のオールドラントでは預言に従って生きる事が美徳とされており、大多数の人間が預言を遵守して生きている。貴族では食事の献立も預言で決めており、むしろ一般人もそうしたい者は大勢いるが料金が高い為、大体の人間は誕生日に1年の預言を読んでもらうのが風習となっている。
しかしユリアの子孫であるフェンデ家が隠していた最後の第七譜石には世界の滅亡が読まれており、元々ユリアは遠い未来の滅亡の運命を変えて欲しいという思いで預言を譜石という形で残しており、そもそもローレライ教団の創設もユリアは関与しておらず(ダアトがユリアを裏切って創設した)、彼女自身は預言を遵守する事を快く思ってはいなかったとされている。しかしローレライ教団が設立されてしまい、第七譜石の内容が公になれば世界に混乱をもたらすと判断して第七譜石だけを隠していたのだが、それが預言を絶対的に遵守する世界を生み出してしまった。