概要
新生代のうち古第三紀始新世後期から漸新世前期までユーラシア大陸に棲息した偶蹄目・エンテロドン科を代表する哺乳類。学名は完全に真獣類の歯列であることを反映し、ラテン語で「完全な歯」を意味する。
外見はイノシシやブタに似ていたが、近年の研究ではそれ等よりもクジラやカバに近縁だったと考えられている。
体長1.5~1.8m。肩高1.35m、頭骨長は65cmほどで、早く走るのに適した四肢や頬骨が張り出すほど強靭な顎と鋭い牙を持っていた。そうした特徴から「地獄から来たブタ」の異名で呼ばれ、果実から死肉、自分より弱い小動物に至るまで何でも食べる雑食性だったと推測されている。また、見つかった頭骨の化石には同種に噛まれた歯形も残っており、時には共食いもしていた可能性も示唆されている。