概要
ジュラ紀前期ジンバブエフォレストサンドストーン及び南アフリカエリオット層から産出している新獣脚類。セギサウルス、カンポサウルス、ルキアノヴェナトルと共にもっとも派生的なコエロフィシス亜科とされる。
アメリカのカイエンタ層からも“Syntarsus” kayentakataeが産出しているがメガプノサウルス属・コエロフィシス属のどちらに含めるかの議論があるほか、独立属とするべきであるとする意見もある。
2021年のサルコサウルスに関する論文ではkayentakataeがメガプノサウルス、コエロフィシスの両方と密接に関係していないことが報告され、クラドグラムではコエロフィシス科の最基盤に配置されている。
イギリスからの産出報告もあったが、現在ではペンドライグとされている。
かつては「Syntarsus(癒合した足首の意)」と呼ばれていたが、ホソカタムシ類の属名として既に使用されていることが判明し無効名扱いとなった。なお、ホソカタムシ類のSyntarsusもCarchanotus(ヒラタサシゲホソカタムシ属)のジュニアシノニムとなっている。
現属名の「Megapnosaurus」はmegas(巨大)、apnoos(息をしていない)、sauros(トカゲ)の合成語で「巨大な死したトカゲ」の意。
グレゴリー・S・ポールによる2016年の推定では全長2.2m、体重13kg。
推定される食性は肉食。
顎は華奢で、かつては獲物を狩り保持するのに不十分であるとしてスカベンジャーであるとする仮説もあった。1988年、ポール氏は群れで古竜脚類やトカゲを捕食していたと推測している。
2011年の強膜輪の研究では、爬虫類や鳥類との比較から、メガプノサウルスは夜行性の動物であった可能性を示唆している。
ジンバブエでは一箇所から30個体以上の化石が発掘されているため、一般的に群れで移動あるいは狩りを行なったと解釈される。
骨の成長輪から寿命の推定が行われており、寿命約7年という数値が得られている。成長は個体差が激しく、完全に成熟した小型個体より大きく育っている未成熟個体も確認されている。