概要
国際犯罪組織『バイオネット』に所属するエージェントで、『メタルサイボーグ』のプロトタイプ。
カリブ海にて実験中の『高速移動母艦ヤサカニ』に、『ハイブリッドヒューマン』の強化兵団を率いて強襲。ヤサカニの管制システムを乗っ取り、『新型ガオーマシン』と『卯都木命』を奪取する。
GGGおよび凱を、プロテクトを解除した新型ガオーマシンを用いて富士山麓に誘導。ガオーマシンを取り戻すため、ガオファイガーにファイナルフュージョンしようと試みたガオファー内部に侵入。ガイを叩きのめし、ガオファーすらも奪取してしまった。
しかし、ファイナルフュージョン時のGパワーを受けてその身体を破損。
命に自らの身体の事を告げた後、修復を受け、香港にて最終決戦に挑む。
人物
かつては、凱と命が通っていた『カモメ第一高校』の学生で卒業生。
凱と命とは同級生で顔見知り。特に凱とは、あらゆる面でライバル関係にあったが、どれをとっても勝利したことは無く、二位に甘んじていた。
ここから凱との勝負にこだわるようになり、それは妄執になっていく。
後に尊厳をかけた決闘を申し込むも、既に凱は「スピリット号」の宇宙飛行士として選抜、フライトも決定していた。
「フライトから帰還するまで待つ」と約束したものの、そのフライトの任務中に、『ギャレオリア彗星』の観測中に出現した『EI-01』との接触事故で、凱が死亡した事を知る。
この事で、戦わずに得た勝利に悩んでいた。
実際、髙いプライドを有している。勝負も正々堂々としたうえでの勝利を求めており。卑怯な真似は出来るだけ避けていた。ギムレットに囚われた命に対しても、手を出すなと言っている。
サイボーグ化したのは、『凱を乗り越える事が、己の運命を乗り越える事』という思いと、勇者となった凱と対等に渡り合える力を手にするためである。
経緯は不明だが、バイオネットの『セクション9』に在籍しており、そこからギムレットに接触。自身をメタルサイボーグの被検体として立候補する。
他の被験者たちが、次々と犠牲になって死亡していった中。シュウはただ一人、執念でサイボーグの肉体を維持し続けて生き残り、凱と互角に渡り合える能力を獲得。劇中に至る。
サイボーグ体の特徴
そのボディは、ワイヤー状のパーツで構成されている。それらを自在に変形させ、展開・収束・硬化させるなどして攻撃手段として用いるのみならず、分離も可能。
刃物状にして切り付けるのみならず、触手のようにして拘束したり、長く伸ばして目標を刺突する、移動・登攀用のロープとして用いるなど、様々な使用が可能になっている。
他のマシンと強制リンクして、乗っ取る機能を有する。
ヤサカニ襲撃時には、管制システムを強制的に遮断、自身の指揮下に置いた。
また、ガイがフュージョンしていたガオファーを乗っ取り、自身の制御下に置く事にも成功している。後には、プロテクトを解除した新型ガオーマシン三機も、自身の制御下に。
ガオファーに関しては、ガイと同様にフュージョンする事も可能。以後、ガオファーの力を用い、香港でボルフォッグと対戦し勝利している。
ただし、ファイナルフュージョン時のエネルギーには耐えられない(下記参照)。
このボディの能力を用いて、エヴォリューダー・ガイと死闘を繰り広げ、一度は完全にガイを圧倒した。
そのボディの原形は、ゾンダーメタル。
かつて出現したゾンダーメタルプラントから、バイオネットは秘密裏にゾンダーメタルのサンプルを入手。その生機融合の力を研究し、実験を重ねた。
その実験は全て失敗したものの、得られたデータから、いわば『疑似ゾンダー』としての機能を有するメタルサイボーグ開発の可能性を見出し、バイオネットはそれを実行した。
シュウはその被験者の一人である
凱やルネなど、Gストーン搭載のメタルサイボーグと異なる構造のためか、それ以上に被験者へ精神的・肉体的な負担を強いているらしい。シュウ以外にも被験者は存在していたが、その全ては死亡している。そしてシュウ自身も、寿命を縮めていた。
ゾンダーメタルの生機融合のテクノロジーをモデルにしてはいるが、ゾンダーメタルと同じ特徴(素粒子Z0の散布、GストーンおよびGパワーとの対消滅など)は有してはいない様子。ただし、ガオファイガーへのファイナルフュージョン時には、Gパワーを受け止めきれず、エネルギー負荷のために身体を破損させている。
また、素粒子Z0そのものではないが、似たパターンの素粒子を散布しているらしい(高之橋がヤサカニのセンサーで検知された反応を目にして、『どこかで見たような……』と呟いている)。
最期
ボディの修復後、『香港』での決戦に一縷の望みに賭け、最後の戦いに臨む。
ガオファーにフュージョンした状態で決戦に挑み、再び新型ガオーマシンとファイナルフュージョン。ガオファイガーを完全に自分の制御下に置こうと目論む。
アルエットの助けにより、ガオファー内のフュージョンルームに乗り込んできた凱と再戦。
しかし修復後の身体でも、やはりエネルギー負荷には耐えきれず、徐々に崩壊していくのみだった。
ガイ本人から「あの日の決闘の約束」を覚えていた事を知らされ、更には、
「俺たちは、人間を超越した力を得た」
「その力を使って、これからも共に戦い、競い合っていけるはずだ。『勇者』として!」
という言葉をかけられる。
だが、時すでに遅く、シュウ自身は悟っていた。このメタルサイボーグのボディの寿命は短く、この戦いが終われば自身の身体は機能停止する、という事に。
「この戦いに全てを駆け、自分自身の運命を乗り越える」
そう言いかけて、ガイの目前でシュウはそのボディを完全に崩壊させ、果てていった。
その最後を見届けたガイは、改めてガオファーとフュージョン。
ガオファイガーへのファイナルフュージョンをも成功させ、ギムレットの野望を打ち砕くのだった。