概要
まきしま鈴木氏原作のライトノベル。HJノベルスから書籍化されている。イラストはヤッペン氏。既刊7巻(2021年7月19日時点)
青乃下氏の作画でHJコミックスにてコミカライズもされている。既刊7巻(2022年9月29日時点)。
ファンタジー世界からエルフの美少女が現代日本に来るという、いわゆる「逆異世界転移」作品なのだが、特徴として現代日本とファンタジー世界を行き来することができるという点がある。
つまり、日常パートではヒロインのエルフが現代日本を満喫し、冒険パートでは主人公とヒロインがファンタジー世界で冒険を繰り広げるという、異世界転移ものと逆異世界転移ものの双方を併せ持っている。
また、死に戻りに近い要素もあるため、死亡して日本に戻った後で気分転換も兼ねてグルメを満喫したり観光しながら対策を考え、夢の中でリベンジするという展開が多い。
あらすじ
普通のサラリーマンである北瀬一廣は、一つだけ他人とは違う不思議なものを持っていた。
それは眠りにつくと夢のなかで、幻想的な世界を冒険することができるというもの。
何故かお弁当などの食べ物だけ異世界に持ち込めるのだが、それでもちょっと不思議なただの夢という程度に思っていた。そんなある日、エルフの少女マリアーベルと過ごしていたところ、運悪く彼女と共に竜のブレスで焼かれてしまった。
しかし、東京都内のマンションで目覚めると彼の横にはマリーの姿が!?
ようやく一廣は自分が夢を媒体に異世界転移していたこと、そして、夢の世界で眠るか死んで現代日本に戻るとき自分にしがみついている人も転移できることに気付く。ブレスに焼かれたとき、とっさにマリーを庇おうとしたことで彼女も日本に来てしまったのだ。
こうして、一廣とマリーは日本と異世界を行き来する二重生活を始めるのだった。
主な登場人物
アメシスト隊
- 北瀬一廣(メイン画像右)
主人公。現代日本の25歳のサラリーマン。
異世界では15歳くらい(日本とは時間の流れが違うため)で職業は夢幻剣士。
現代日本に来たマリーと同棲(?)することになる。
- マリアーベル(メイン画像左)
通称マリー。エルフの精霊魔術師。少女に見えるがこれでも百歳以上。ひょんなことから一廣と共に現代日本と元の世界を行き来するようになる。
- ウリドラ(メイン画像真ん中の黒髪女性)
二人が冒険してた遺跡で出会った伝説級ドラゴンの1柱「魔導竜」(♀)。この人間の姿の分身体だけでレベル170あると言われている。本体の古代竜はレベル1000越えとも言われる規格外の存在。
卵を暖めている最中だった為侵入者の二人を殺してしまう。しかし、再び日本から異世界に戻ってきた二人がもっていた日本のお弁当を気に入り後に仲間になる。
二人と行動する際は人間の女性や黒猫の姿の分身体を送っている。
本編攻略中の古代迷宮の第2階層の主の女性アンデッド。レベル100越え。「不死の王(女王)」、「死神」と恐れられたが、本来は動植物を愛する優しい女性で、2層クリア後は迷宮の呪縛が無くなり主人公たちに協力するようになる。
新たな女神候補と言われている。
小説7巻から登場。
古代迷宮3層でスパイ活動をしていた敵対国の魔族の国、ケドヴァー国の女性。
ウリドラやシャーリーの規格外のボス級モンスターの影響で3層の魔物が使い物にならず(特に竜系やアンデッド系は逃げ出すしまつ)、しびれを切らした上官に無理やり古代兵器の魔装を着せられ怪物になってしまう。
しかし、シャーリーに助けられ彼女の配下になり中立の立場をとるようになる。
ダイヤモンド隊
- プセリ
女性ばかりダイヤモンド隊の現女性隊長。
古くからある貴族の令嬢だが、彼女を手に入れる為にザリーシュに彼女以外の一族や家臣を皆殺しにされ更に「お前は俺のもの(エンゲージメン)」で洗脳されていた。
その為正気に戻った後は、彼に対する扱いが悪い。
ダークエルフの女性。愛称は「イブ」。職業はレア職の「忍者」。エルフのマリーとは対照的に「勉強嫌いだが、接近格闘戦は得意」なタイプ。
未来の勇者候補と言われながら、裏では敵国のケドヴァー国に情報を漏洩してたザリーシュと言う男に「お前は俺のもの(エンゲージメン)」と言われる指輪で洗脳されていて女性の1人だか、任務の失敗つづきから指輪をはずされ北瀬ともに殺された為日本のことと、北瀬みたいな男もいると知り、ザリーシュを凝らしめるために北瀬たちに協力する。
ザリーシュの問題が解決した後は、古代迷宮で北瀬たちに協力するようになる。
- ザリーシュ
ダイヤモンド隊の前隊長。
滅亡したある国の王族の生き残りで、レベル140もあり未来の勇者候補と言われていたが、裏では敵国のケドヴァー国と繋がっていた。
また「お前は俺のもの(エンゲージメン)」と言う指輪で複数の女性を洗脳していた。ダイヤモンド隊が女性ばかりなのはこの為である。
次の女性にマリーを撰んだ為に北瀬の逆鱗にふれ、彼との一騎討ちに破れ、「お前は俺のもの(エンゲージメン)」を全て回収される。
洗脳していた女性の1人イブに逆に指輪をはめられ洗脳される。そもそもこの指輪はまだ、イブとザリーシュが二人で旅をしてた頃に「彼に振り向いて欲しい」と言う彼女の願いから生まれた物だった。それを彼は彼女を騙し奪い悪用していたのである。
その後は、反逆者としてアリライ国に捕えられ、尋問されている。
アダルサイト隊
- ドゥーラ
アダルサイト隊の女性隊長兼、古代迷宮攻略部隊の現場指揮官も務める。
ブラッドストーン隊隊長のゼラとは婚約中である。
ブラッドストーン隊
- ゼラ
ブラッドストーン隊の男性隊長。一族の力で血液を操る力がある。
アダルサイト隊隊長のドゥーラと婚約中である。
ルビー隊
- ガストン
ルビー隊隊長でレベル120の老兵。
つねに己の死に場所を探しており、ダイヤモンド隊の占い師の予言で「古代迷宮こそ貴方の死地」と言われ、古代迷宮攻略に参加している。
アリライ国古代迷宮攻略隊上層部
- ハカム
高難度の古代迷宮攻略を指揮する総司令官。
- アジャ
ハカムを補佐する高名な老魔法使い。マリーの魔法の才能を評価し、魔法を教える彼女の師匠の1人でもある。
古代迷宮の魔物
- 悪魔「ラアアブ」
第1層の階層主。レベル82。
魔導竜ウリドラ(人型時でレベル170)の存在にびびり自身は隠れながら配下の魔物を使って攻略隊を苦しめていた。
- 不死の王「シャーリー」
第2層の階層主。詳しくはアメシスト隊のシャーリーを参照。
魔術師ギルド
- 魔術師ギルド長
アリライ国とは別の国にある魔術師ギルドのギルド長。マリーはこのギルド所属の魔術師の為彼女の上司。
かなり高齢だが、若い時は魔導竜のウリドラと肩を並べるほどの魔術師だったらしい。
冒険者ギルド
- 冒険者ギルドの男性受付員
アリライ国とは別の国にある冒険者ギルドの受付の男性。
北瀬が入会試験を受ける際「子ども」と馬鹿にしていてが、次々と試験役員の冒険者たちを倒して行く姿を見て唖然とすることになる。
- 冒険者ギルドの受付嬢
北瀬のことを最初は子どもと思い彼を「可愛い」等と言っていた。
その他の夢世界の住人
- 猫族のミュイ
魔石の扱いに長けた種族の末裔で、盗賊にその力を悪用されていた所を北瀬とマリーに助けられる。
日本で猫好きになったマリーから語尾に「にゃん」をつけるように強要される。
日本の人物
- 一条徹
北瀬と同じアパートの住人。公務員。北海道から上京してきている。
マリーのことを北瀬から「海外の親戚」と言われているが、公務員という仕事柄疑っている。
- 一条薫子
徹の妻。旦那と同じ北海道出身で幼馴染みのようである。図書館勤め。旅行に詳しく、北瀬が長期休みでマリーたちを旅行に連れて行く場所の相談に乗っている。
テレビゲーム等が好きなオタク趣味がある。
- 北瀬の祖父
青森に住んでいる。北瀬が幼少児両親は彼の子育てをちゃんとしていかなった(虐待の可能性あり)為、故人の祖母とともに孫を引き取り面倒を見ていた。
マリーたちと青森に帰省した時に夢世界のことと、マリーが夢世界から来たエルフということも知っていたようである。
ネタバレあり。Web小説版のみ登場
- 焔天竜ラヴォス
魔導竜ウリドラと同じく強大な力を持つ古代龍の1柱にして、彼女の夫。
しかし、無理やり彼女を力で押さえつけて身籠らせてようで、妻のウリドラからは恨まれている。
古代龍は基本中立だが、彼が魔族の国ケドヴァー国に加担したことでウリドラと敵対することになる。
作中にでてきた国
夢世界の国々
- アリライ国
夢の世界にある砂漠の国。作品のメイン舞台となる古代迷宮があり、その古代迷宮の封印が解かれた為に調査部隊を派遣している。
- ケドヴァー国
アリライ国の隣国の魔族の国で、魔族の歴史と関係がある古代迷宮復活を機会に、古の魔族が支配していた「夜の時代」を取り戻そうとアリライ国に戦争をしかける。