概要
アメリカ合衆国とフィンランドの関係（アメリカがっしゅうこくとフィンランドのかんけい、英語：Finland–United States relations、フィンランド語：Suomen ja Yhdysvaltain suhteet）は、アメリカ合衆国とフィンランドの両国関係の事である。アメリカはフィンランドが1917年12月に独立した時、それを承認した最初の国の1つである。両国の間には軍事調達を含む重要な貿易活動があり、良好な外交関係にある。
両国の比較
| 国名 | 政体 | 現在の首脳 | 国土 | 人口 |
|---|---|---|---|---|
| アメリカ合衆国 | 大統領制 連邦共和国 | ジョー・バイデン | 962万9091平方キロメートル | 3億3189万3745人（2021年12月） |
| フィンランド | 議院内閣制 共和国 | サンナ・マリン | 33万8472平方キロメートル | 554万9807人（2022年1月） |
歴史
1919年5月に外交関係を樹立し、1920年3月にアレクサンダー・リチャードソン・マグルーダーが最初の駐フィンランド大使となった。第2次世界大戦（1939年9月 – 1945年9月）の時期にフィンランドが枢軸国と協力した時も外交関係は維持され、アメリカはフィンランドに対する宣戦布告を求めるソ連の圧力に抵抗した。1944年6月にアメリカはフィンランドとの外交関係を断絶し、1945年9月に第2次世界大戦が終結した後に回復した。
1947年3月に開始された冷戦とその後の戦争の両方において、フィンランドはソ連に隣接する国の1つとしてアメリカにとって特に関心と重要性があった。1991年12月にソ連が崩壊するまで長年に渡るアメリカの政策は、フィンランドの中立を支持し、フィンランドと西側諸国との歴史・文化・経済関係を維持・強化する事である。
2003年3月に中央党のアンネリ・ヤーテンマキは、「パーヴォ・リッポネン首相がアメリカのジョージ・W・ブッシュ大統領との会談で、イラク戦争で中立国のフィンランドをアメリカと同盟させた。」と非難した後に選挙に勝利した。多くのフィンランド国民が違法な侵略戦争と見なしたものの、リッポネン首相はこの主張を否定し、「我々は国際連合と国際連合事務総長を支持する。」と宣言した。ヤーテンマキは「ブッシュとリッポネンの会談に関する文書の漏洩について嘘をついた。」という非難の中で同年6月に首相を辞任し、この一連の出来事はスキャンダルと見なされ、イラクリークまたはイラクゲートと名付けられた。
2022年2月にロシアはウクライナに対する軍事侵攻を実行し、これを受けて同年5月にフィンランドはスウェーデンと共にNATO（北大西洋条約機構）への加盟を申請した。同年7月にNATOの各加盟国は、フィンランドとスウェーデンの正式な加盟を承認する議定書に署名した。
経済
アメリカとフィンランドの間の貿易・経済関係は活発であり、両国の貿易総額は年間約50億ドルである。
軍事
2021年12月にフィンランドはアメリカ製のF-35戦闘機64機の納入に関して、ロッキード・マーチン（アメリカの航空機・宇宙船の開発・製造会社）と史上最大の防衛契約を締結した。政府は軍の兵站司令部に対してアメリカと契約を締結する事を承認し、フィンランドは契約に向けて100億ドル以上を割り当てる予定である。
