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アメリカ合衆国副大統領の編集履歴

2022-11-09 23:52:09 バージョン

アメリカ合衆国副大統領

あめりかがっしゅうこくふくだいとうりょう

アメリカ合衆国の行政府における2番目の官職

概要

所属国アメリカ合衆国
設置1789年3月4日
初代ジョン・アダムズ
任期1期4年(最大2期8年まで)
選出大統領選挙(4年に1度実施)・大統領の指名と上下両院の過半数の承認
給与年間23万5100ドル

アメリカ合衆国副大統領(アメリカがっしゅうこくふくだいとうりょう、英語:Vice President of the United States of America、略称:POTUS)は、アメリカ合衆国の行政府における2番目の官職。1787年5月に開催された憲法制定会議で副大統領職が創設され、それ以来その役割は劇的に変化した。元々は後付けのようなものだったが、1804年6月に憲法修正第12条が批准されてからは、国の歴史の大部分において取るに足らない役職と見なされていた。


副大統領は大統領と共に4年に1度実施される選挙で選出され、任期は2期8年までである。立候補には35歳以上アメリカ国内における在留期間が14年以上出生によるアメリカの市民権保持者である事が条件である。選出方法は国民が選挙人団特定の候補への投票を誓約する有権者団体)と呼ばれる団体に投票し、それによって勝利した団体同士が誓約した正副大統領候補に投票して当選者を決定するという方式で、間接選挙方式となっている。アメリカ合衆国は962万9091平方キロメートルという広大な国土を有している為、選挙にかかる期間はかなり長い。


流れ

選挙から就任までの流れは以下の通りである。

  1. 共和党民主党の各党内で予備選挙が実施され、過半数の代議員を獲得する。
  2. 過半数の代議員を獲得する事が確実になった候補は、党大会に先立ち「ランニングメイト」と呼ばれる副大統領候補を指名する。
  3. 党大会で正式指名を得た各党の正副大統領候補が、11月の第1月曜日の翌日に実施される本選挙に挑戦する。
  4. 本選挙で270人以上の選挙人を獲得した正副大統領候補が当選する。
  5. 当選後は本選挙が実施された年の翌年1月20日に就任式が執行される。

以上の流れを経て副大統領に選出されると、アイゼンハワー行政府ビルで執務を行う。2021年1月に発足したジョー・バイデン政権で、女性として初めてカマラ・ハリスが就任している。


職務

  • 大統領の代行

大統領が死亡・辞任・免職などで欠けた場合は大統領に昇格し、事故・病気などで執務不能になった場合は権限を代行する。

  • 上院議長

副大統領は上院議長を兼任しており、特に一般教書演説では下院議長の隣に座っている。また上院で賛成と反対が同数となった場合は、議長決裁票を投ずる。上院議長ではあるが実際に議事を進行することは無い。

  • 大統領の名代

儀式の参列・外交上の接受・表敬訪問を執行する職務は、大統領からその都度委ねられる。


歴代副大統領

代数氏名所属政党大統領特記事項
初代ジョン・アダムズ連邦党ジョージ・ワシントン
第2代トーマス・ジェファーソン民主共和党ジョン・アダムズ
第3代アーロン・バー民主共和党トーマス・ジェファーソン
第4代ジョージ・クリントン民主共和党トーマス・ジェファーソン、ジェームズ・マディソン
第5代エルブリッジ・ゲリー民主共和党ジェームズ・マディソン
第6代ダニエル・トンプキンズ民主共和党ジェームズ・モンロー
第7代ジョン・カルフーン民主共和党ジョン・クィンシー・アダムズ、アンドリュー・ジャクソン
第8代マーティン・ヴァン・ビューレン民主党アンドリュー・ジャクソン
第9代リチャード・メンター・ジョンソン民主党マーティン・ヴァン・ビューレン
第10代ジョン・タイラーホイッグ党ウィリアム・ハリソン
第11代ジョージ・ダラス民主党ジェームズ・ポーク
第12代ミラード・フィルモアホイッグ党ザカリー・テイラー
第13代ウィリアム・R・キングホイッグ党フランクリン・ピアース
第14代ジョン・ブレッキンリッジ民主党ジェームズ・ブキャナン
第15代ハンニバル・ハムリン共和党エイブラハム・リンカーン
第16代アンドリュー・ジョンソン民主党エイブラハム・リンカーン
第17代スカイラー・コルファクス共和党ユリシーズ・グラント
第18代ヘンリー・ウィルソン共和党ユリシーズ・グラント
第19代ウィリアム・A・ウィーラー共和党ラザフォード・ヘイズ
第20代チェスター・A・アーサー共和党ジェームズ・ガーフィールド
第21代トーマス・A・ヘンドリックス民主党グロバー・クリーブランド
第22代リーヴァイ・モートン共和党ベンジャミン・ハリソン
第23代アドレー・E・スティーブンソン民主党グロバー・クリーブランド
第24代ギャレット・A・ホーバート共和党ウィリアム・マッキンリー
第25代セオドア・ルーズベルト共和党ウィリアム・マッキンリー
第26代チャールズ・W・フェアバンクス共和党セオドア・ルーズベルト
第27代ジェームズ・S・シャーマン共和党ウィリアム・タフト
第28代トーマス・R・マーシャル民主党ウッドロウ・ウィルソン
第29代カルビン・クーリッジ共和党ウォレン・ハーディング
第30代チャールズ・ドーズ共和党カルビン・クーリッジ
第31代チャールズ・カーティス共和党ハーバート・フーヴァー
第32代ジョン・N・ガーナー民主党フランクリン・ルーズベルト
第33代ヘンリー・A・ウォーレス民主党フランクリン・ルーズベルト
第34代ハリー・S・トルーマン民主党フランクリン・ルーズベルト
第35代アルバン・W・バークリー民主党ハリー・S・トルーマン
第36代リチャード・ニクソン共和党ドワイト・D・アイゼンハワー
第37代リンドン・ジョンソン民主党ジョン・F・ケネディ
第38代ヒューバート・H・ハンフリー民主党リンドン・ジョンソン
第39代スピロ・アグニュー共和党リチャード・ニクソン
第40代ジェラルド・フォード共和党リチャード・ニクソン
第41代ネルソン・ロックフェラー共和党ジェラルド・フォード
第42代ウォルター・モンデール民主党ジミー・カーター
第43代ジョージ・H・W・ブッシュ共和党ロナルド・レーガン
第44代ダン・クエール共和党ジョージ・H・W・ブッシュ
第45代アル・ゴア民主党ビル・クリントン
第46代ディック・チェイニー共和党ジョージ・W・ブッシュ
第47代ジョー・バイデン民主党バラク・オバマ
第48代マイク・ペンス共和党ドナルド・トランプ
第49代カマラ・ハリス民主党ジョー・バイデン史上初となる女性の副大統領。

余談

1793年12月にジョン・アダムズ元副大統領が妻のアビゲイルに宛てた書簡で「人類が発明した最も取るに足らない役職(英語:the most insignificant office that ever the invention of man)」と嘆いたほど、副大統領は創設以来長らく閑職であった。政府の政策への関与は小さく、トルーマン副大統領は1945年4月に大統領に昇格した時、初めてアメリカの原爆開発プロジェクトの存在を知らされたほどであった。


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