概要
所属国 | アメリカ合衆国 |
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設置 | 1789年3月4日 |
初代 | ジョン・アダムズ |
任期 | 1期4年(最大2期8年まで) |
選出 | 大統領選挙(4年に1度実施)・大統領の指名と上下両院の過半数の承認 |
給与 | 年間23万5100ドル |
アメリカ合衆国副大統領(アメリカがっしゅうこくふくだいとうりょう、英語:Vice President of the United States of America、略称:VPOTUS)は、アメリカ合衆国の行政府における2番目の官職。1787年5月に開催された憲法制定会議で副大統領職が創設され、それ以来その役割は劇的に変化した。元々は後付けのようなものだったが、1804年6月に憲法修正第12条が批准されてからは、国の歴史の大部分において取るに足らない役職と見なされていた。
副大統領は大統領と共に4年に1度実施される選挙で選出され、任期は2期8年までである。立候補には35歳以上・アメリカ国内における在留期間が14年以上・出生によるアメリカの市民権保持者である事が条件である。選出方法は国民が選挙人団(特定の候補への投票を誓約する有権者団体)と呼ばれる団体に投票し、それによって勝利した団体同士が誓約した正副大統領候補に投票して当選者を決定するという方式で、間接選挙方式となっている。アメリカ合衆国は962万9091平方キロメートルという広大な国土を有している為、選挙にかかる期間はかなり長い。
流れ
選挙から就任までの流れは以下の通りである。この流れを経て副大統領に選出されると、アイゼンハワー行政府ビルで執務を行う。
- 共和党・民主党の各党内で予備選挙が実施され、過半数の代議員を獲得する。
- 過半数の代議員を獲得する事が確実になった候補は、党大会に先立って「ランニングメイト」と呼ばれる副大統領候補を指名する。
- 党大会で正式指名を得た各党の正副大統領候補が、11月の第1月曜日の翌日に実施される本選挙に挑戦する。
- 本選挙で270人以上の選挙人を獲得した正副大統領候補が当選する。
- 当選後は本選挙が実施された年の翌年1月20日に就任式が執行される。
職務
- 大統領の代行
大統領が死亡・辞任・免職などで欠けた場合は大統領に昇格し、事故・病気などで執務不能になった場合は権限を代行する。
- 上院議長
副大統領は上院議長を兼任しており、特に一般教書演説では下院議長の隣に座っている。その位置は議員が座っている席から見て、下院議長の左である。上院で賛成と反対が同数となった場合は議長決裁票を投じるが、上院議長としての副大統領は実際に議事を進行する事は無い。
- 大統領の名代
儀式の参列・外交上の接受・表敬訪問を執行する職務は、大統領からその都度委ねられる。
歴代副大統領
代数 | 氏名 | 所属政党 | 大統領 | 特記事項 |
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初代 | ジョン・アダムズ | 連邦党 | ジョージ・ワシントン | |
第2代 | トーマス・ジェファーソン | 民主共和党 | ジョン・アダムズ | |
第3代 | アーロン・バー | 民主共和党 | トーマス・ジェファーソン | |
第4代 | ジョージ・クリントン | 民主共和党 | トーマス・ジェファーソン、ジェームズ・マディソン | |
第5代 | エルブリッジ・ゲリー | 民主共和党 | ジェームズ・マディソン | |
第6代 | ダニエル・トンプキンズ | 民主共和党 | ジェームズ・モンロー | |
第7代 | ジョン・カルフーン | 民主共和党 | ジョン・クィンシー・アダムズ、アンドリュー・ジャクソン | |
第8代 | マーティン・ヴァン・ビューレン | 民主党 | アンドリュー・ジャクソン | |
第9代 | リチャード・メンター・ジョンソン | 民主党 | マーティン・ヴァン・ビューレン | |
第10代 | ジョン・タイラー | ホイッグ党 | ウィリアム・ハリソン | |
第11代 | ジョージ・ダラス | 民主党 | ジェームズ・ポーク | |
第12代 | ミラード・フィルモア | ホイッグ党 | ザカリー・テイラー | |
第13代 | ウィリアム・R・キング | ホイッグ党 | フランクリン・ピアース | |
第14代 | ジョン・ブレッキンリッジ | 民主党 | ジェームズ・ブキャナン | |
第15代 | ハンニバル・ハムリン | 共和党 | エイブラハム・リンカーン | |
第16代 | アンドリュー・ジョンソン | 民主党 | エイブラハム・リンカーン | |
第17代 | スカイラー・コルファクス | 共和党 | ユリシーズ・グラント | |
第18代 | ヘンリー・ウィルソン | 共和党 | ユリシーズ・グラント | |
第19代 | ウィリアム・A・ウィーラー | 共和党 | ラザフォード・ヘイズ | |
第20代 | チェスター・A・アーサー | 共和党 | ジェームズ・ガーフィールド | |
第21代 | トーマス・A・ヘンドリックス | 民主党 | グロバー・クリーブランド | |
第22代 | リーヴァイ・モートン | 共和党 | ベンジャミン・ハリソン | |
第23代 | アドレー・E・スティーブンソン | 民主党 | グロバー・クリーブランド | |
第24代 | ギャレット・A・ホーバート | 共和党 | ウィリアム・マッキンリー | |
第25代 | セオドア・ルーズベルト | 共和党 | ウィリアム・マッキンリー | |
第26代 | チャールズ・W・フェアバンクス | 共和党 | セオドア・ルーズベルト | |
第27代 | ジェームズ・S・シャーマン | 共和党 | ウィリアム・タフト | |
第28代 | トーマス・R・マーシャル | 民主党 | ウッドロウ・ウィルソン | |
第29代 | カルビン・クーリッジ | 共和党 | ウォレン・ハーディング | |
第30代 | チャールズ・ドーズ | 共和党 | カルビン・クーリッジ | |
第31代 | チャールズ・カーティス | 共和党 | ハーバート・フーヴァー | |
第32代 | ジョン・N・ガーナー | 民主党 | フランクリン・ルーズベルト | |
第33代 | ヘンリー・A・ウォーレス | 民主党 | フランクリン・ルーズベルト | |
第34代 | ハリー・S・トルーマン | 民主党 | フランクリン・ルーズベルト | |
第35代 | アルバン・W・バークリー | 民主党 | ハリー・S・トルーマン | |
第36代 | リチャード・ニクソン | 共和党 | ドワイト・D・アイゼンハワー | |
第37代 | リンドン・ジョンソン | 民主党 | ジョン・F・ケネディ | |
第38代 | ヒューバート・H・ハンフリー | 民主党 | リンドン・ジョンソン | |
第39代 | スピロ・アグニュー | 共和党 | リチャード・ニクソン | |
第40代 | ジェラルド・フォード | 共和党 | リチャード・ニクソン | |
第41代 | ネルソン・ロックフェラー | 共和党 | ジェラルド・フォード | |
第42代 | ウォルター・モンデール | 民主党 | ジミー・カーター | |
第43代 | ジョージ・H・W・ブッシュ | 共和党 | ロナルド・レーガン | |
第44代 | ダン・クエール | 共和党 | ジョージ・H・W・ブッシュ | |
第45代 | アル・ゴア | 民主党 | ビル・クリントン | |
第46代 | ディック・チェイニー | 共和党 | ジョージ・W・ブッシュ | |
第47代 | ジョー・バイデン | 民主党 | バラク・オバマ | |
第48代 | マイク・ペンス | 共和党 | ドナルド・トランプ | |
第49代 | カマラ・ハリス | 民主党 | ジョー・バイデン | 史上初となる女性の副大統領。 |
余談
1793年12月にジョン・アダムズ元副大統領が妻のアビゲイルに宛てた書簡で「人類が発明した最も取るに足らない役職(英語:the most insignificant office that ever the invention of man)」と嘆いたほど、副大統領は創設以来長らく閑職であった。政府の政策への関与は小さく、トルーマン副大統領は1945年4月に大統領に昇格した時、初めてアメリカの原爆開発プロジェクトの存在を知らされたほどであった。