概要
1994年12月22日にライトスタッフから発売されたPCエンジンSUPER CD-ROM2用ロールプレイングゲーム。 正式名称は『アルナムの牙 獣族十二神徒伝説』
『エメラルドドラゴン』で有名だったイラストレーター・木村明広が企画・総監督を務めたことで話題になった。
ジャンルはRPGだが、異様にバグが多いことで有名なゲーム。バグが多い理由については、木村明広が自身のイラスト集「PureWhite」内のコメントで、『某工場の焼ミスで致命的なバグが発生してしまった』と述べている。
ちなみに以下のようなバグが発生する。
・タランダが使う気法「熱炎」を発動すると、その途端に画面が異常になりフリーズしてしまう。途中でうっかり使ってしまった人は、リセットしてセーブ時点からやり直しとなる。
・タランダである装備をつけたらその途端にウィンドウ内の表示がおかしくなる。
・トバリ・タランダとパーティーを組んでいるときにレベルアップしすぎると先へ進めなくなってしまう。この場合最初からやり直しという悲惨なことになる。
・スズメがしゃべるシーンで顔CGがゴツいオヤジ顔になる。プレイに支障はないが美少女がごついオッサンになるのはかなりショックである。
これからのバグのために、シナリオ、グラフィック、音楽は高評価だが、肝心のシステムが最悪というかなり低い評価を与えられることになってしまった不幸な作品である。
1997年12月15日に続編である『アルナムの翼 焼塵の空の彼方へ』が発売されたが、PCエンジン用ゲームソフトの続編を別機種であるプレイステーション用ゲームソフトとして発売したことに関しては、ファンから非難を受けた。
ストーリー
人類(人間)と獣族(獣に変身できる能力を持つ亜人)が共存する「アルナム」と呼ばれる世界で、突如出現した「肉叢(ししむら)」か世界を救うために召集された獣族の戦士たちの戦いを描いた作品。
主人公で獣族であるケンブたちは人間たちから迫害されていて、人間たちから罵倒されたり差別を受けたりする場面が多々見られ、いわゆる人種差別をテーマにした作品で、重たい展開が多いのが特徴。序盤に肉叢から助けた人間の少女メイファンが実は助かっておらず(卵を体内に産み付けられていた)、後に肉叢に取り込まれたあげく爆死してしまうという鬱展開も見られた。
登場人物
獣族十二神徒
主人公達十二人の総称。本来は十二種族全体を指す総称だったが最終戦目前に各々の名を刻んで残した事を機に以降、「獣族十二神徒」を名乗る事になる。
CV:森川智之
犬に獣化する戌(ジュツ)族の代表で主人公。17歳。オウケンや仲間の仇を討つために、代表に志願した。正義感が強く熱血漢な性格。
CV:冬馬由美
ヒロイン。兎に獣化する卯(ボウ)族の代表。17歳。勝気だが心優しい少女。代表になるはずだった婚約者ホロトが怪我をしてしまったために、代わりに代表になった。タムタムというペットがいる。余命いくばくもないホロトのそばにいるために、いったんパーティーを離れるが、ホロトの死後再び戻った。ホロトが死んだ後、ケンブと恋仲になるが、あまりにも早急だったため(婚約者が亡くなってから間もない時期に相思相愛になった)、男性ユーザーからの人気は高いが、女性ユーザーからは『やっていることが酷い』『尻軽女』と言われてヘイトを集めた哀れなヒロイン。
CV:千葉繁
虎に獣化する寅(イン)族の代表。23歳。義理堅く一本気な性格。自分の死後トエイを頼むと話すホロトに『他人をあてにしないで自分が生きてトエイを守れ!』と叱咤激励するなど、熱い信念を持つ男。だが女性には弱く、妹のマトラにもいいように尻に敷かれていて、誌上の4コマ漫画でもマトラにからかわれるシャッコの漫画があった。
CV:篠原恵美
馬に獣化する午(ゴ)族の代表。21歳。スレンダーな長身の女性で長いポニーテールが特徴。明るくサバサバした性格で姐さん女房タイプ。後にトバリと恋仲になる。
前述のようにバグの多いゲームであるが、スズメがしゃべるシーンで顔グラフィックがゴツいオヤジ顔になるというバグは大勢のファンにショックを与えた。
CV:松本保典
鳥に獣化する酉(ユウ)族の代表。19歳。細身の青年。ケンブとは気が合う。スズメと惹かれあい、後に結ばれる。
CV:真柴摩利
蛇に獣化する巳(シ)族の代表。25歳。勝気な性格で姉御肌の女性。本人は知らないが、実は四天孔ホクロクの娘アマネス。ホクロクとは続編『アルナムの翼 焼塵の空の彼方へ』でお互い親子として名乗りあっている。
魔法が強いキャラだが、レベルが上がると覚える「熱炎」を使うと100%フリーズするバグがあるので注意。さらにレベルを上げすぎてもバグが起こるという、バグと関わりが多い不憫なキャラ。
バッソ
CV:二又一成
鼠に獣化する子(ス)の代表。18歳。性格は少々ずる賢くお調子者。シャッコをアニキと呼んで慕う。
ヨウガン
CV:桜井敏治
羊に獣化する未(ミ)族の代表。20歳。気が弱い性格のため、戦うことを好まない。
ヒエン
CV:田中真弓
猿に獣化する申(モウ)族の代表。16歳。頭脳派のためプライドが高い性格。
ギユウ
CV:平田康之
牛に獣化する丑(チュウ)族の代表。27歳。力自慢の大男。性格は寡黙でポーカーフェイス。
ランチョ
CV:西村知道
猪に獣化する亥(ガイ)族の代表。35歳。猪突猛進で豪快な男。代表の中では唯一の妻子持ち。
リョウスイ
CV:速水奨
龍に獣化する辰(シン)族の代表。たおやかな雰囲気の美青年。
清都関係者
清帝マリエーン皇女
CV:島本須美
アルナムを統治する清帝にして最高権力者。神秘的な雰囲気を漂わせた美女。年齢は一千歳や一万歳とも言われているが、外見は20代の女性。慈悲深い性格で、現在の人間と獣族の関係を憂いている。ケンブたちを招集してアルナムを救うように依頼した。
その正体は父、大気法師マハムによって作られた真の娘の複製体であり現在のマリエーンは四代目に当たる。
肉叢に誘拐され、最終戦後に変わり果てた母ヨロヅによって兄シヴァに代わる破壊神として改造されるが暴走を起こしヨロヅを殺害後、吸収。マハムが作り出した地底世界をも破壊しようと攻撃を繰り出した際に止めに来たマハムの呼び掛けで正気を取り戻すも全ての元凶は命を弄んできたマハムだと糾弾、開き直って嘲笑うマハムをもその圧倒的な力で倒して吸収。新たな太陽神となりケンブ達十二神徒達と共に世界の再生を見守る。
右帝ガイズ
CV:宮田浩徳
マリエーンの側近その1。獣族を見下している。
かつて人間が獣族に支配されていた過去を知る数少ない人間の一人でマリエーンが獣族達を優遇している事をかつての獣族による支配社会に逆戻りさせる気ではないかと危惧していた。マリエーンが肉叢に誘拐された事をいい事にバンタンと結託して実権を掌握して獣族討伐に乗り出す。全勢力を率いて獣族で一番危険なシン族の村に船で攻め込む途中、ケンブ達によって救出されたマリエーンによって世界再生までの間、全てのアルナムの民と共に水泡の中で長い眠りにつかされた事でその野望も文字通り水泡に帰す事となった。
配下に四天孔を擁する。
左帝バンタン
CV:吉川虎範
マリエーンの側近その2。ガイズと同じく獣族を見下している。彼の直属のゴウセンを介してケンブ達獣族の代表は表向き彼の配下扱いとなっている関係上、ケンブ達に対して直接、貶言や暴言を吐きつける場面が多くガイズよりも悪印象を抱かせる。
ガイズ同様、かつて獣族によって人間が支配されていた過去を知る人間であり内心では再び獣族に支配される事を恐れていた。
マリエーン誘拐後にガイズと結託して実権を掌握して獣族討伐に乗り出すも救出されたマリエーンによって世界再生までの間、水泡の中で長い眠りにつく事となった。
配下に三武神を擁する。
清都衛兵 甲
CV:山野井仁
清都衛兵 乙
CV:宮田浩徳
五大気法師
地上世界崩壊以前より人類を統治してきた五名の大気法師。
生命を生み出す程の規格外の気法術の使い手だが
人格的、倫理的にも問題がある者達揃いである。
マハム
CV:柴田秀勝
五大気法師のリーダー。マリエーン、シヴァの父親。
同じ五大気法師のヨロヅは妻だがその関係は互いに殺し合おうとするほど最悪。主人公達が住む地底世界と獣族十二神徒を創造し娘の複製体である初代マリエーンと共に再び過ちを犯さないように人間を厳しく統治管理させて自らは気法で太陽と化して世界を照らしてきた。
・・・と、ここまでの説明では献身的な創造神かのようだがその本性は自分以外の優れた存在を決して認めようとはしない、自分の領域に踏み込む者は例え肉親や自らが生み出した獣族達であろうと容赦なく粛清する傲慢の塊のような愚物でありその本質は彼が愚かと心底見下す人間達と何ら変わらない。最期は生命を弄んできた報いとしてマリエーンに敗れ、意識と力共々吸収された。
ヨロヅ
CV:有馬瑞香
マハムの妻。息子シヴァと共に荒廃した地上に残り地上の復権を目指しマハムの作った地底世界に肉叢を送り込み侵攻を重ねてきたがその真の目的は娘マリエーンを連れ戻しシヴァに代わる新たな破壊神とする事だった。
シヴァを犠牲にし、マリエーンを破壊神として改造完了した矢先に暴走を起こした彼女によって殺され意識、力共々吸収された。
荒廃した世界に適応する為か自らの身体を大量の触手の樹海に変化させており意志疎通を図る際は触手を集結させ仮初めの身体を構成している。
ヤマタ
作中にて名前のみ登場。
かつて三代目のマリエーンと共に獣族十二神徒に換わる新たな統治者として岩舟人を創造した人物。
その人格については詳しい記載はないが後述の一種九号に対しての仕打ちを考えると決して褒められた人物ではない事は容易に判断できる。岩舟人をマハムから失敗作と断じられた事、岩舟人を造り出した事自体を自らへの反抗と判断され三代目マリエーン共々マハムによって粛清された。
イザギ&イザミ
作中にて名前のみ登場。マハムの発言で名前が出てきたのみで両者共に人格も性別も経緯も全く不明。
肉叢(ししむら)
突如、世界中に出没して人間、獣族問わず襲いかかる正体不明の異形の怪物。昆虫型や動物型の他、肉塊にしか見えないものや寒天のような生きているのかすら疑わしいレベルのものまでその種類は多種多様。卵による繁殖も行うが昆虫型の肉叢が産んだ卵から動物型の肉叢が産まれたりと必ず親と同じ種が産まれるとは限らないなど生態も含めてどうやって発生したのかも物語開始時点では完全に謎であった。終盤でその正体は荒廃した地上世界においてヨロヅが息子シヴァの肉体を媒体に気法によって生み出した人造生命体だった事が判明。
ヨロヅ、シヴァ母子が共に死亡した以後の世界では肉叢も存在しないと思われていたが続編の翼において何故か大型の寒天肉叢が1体、マヤ公国によって機械制御されてボスとして登場している。
鎧峨捨
作中何度も闘う事となるボス肉叢。
ロンシンの村を襲撃し、スズメとセンリに毒を仕込み逃走、その後、シ族の村の東の洞窟に出現して再戦した際に再び逃走したものの切断した左腕から採取した血を元に血清を作り出す事に成功。その直後に清都に出没しマリエーンを誘拐するなど地中を移動する事で長距離を短期間で移動してきた。何故か体に白い綿毛が付着している。
実はヨウガンが逃げ出した際に幼体の状態で溺れそうだったところを助けられてから彼に懐いてずっと一緒に行動していた。先の白い綿毛もヨウガンのもの。
次第にヨロヅの影響を受けて狂暴になり自我が消えていく中でもヨウガンが逃げ出そうとすると寂しげに泣くなど僅かに自我を残しておりヨウガンもその為に離れられず同行し続けていたがマハムの塔にてケンブ達と再戦した際にはもう完全に自我は消失しておりヨウガンの言う事も利かない状態と化していた。最期はヒエンを殺されそうになって覚醒したヨウガンの気法によって跡形もなく消滅した。
四面暗黒神シヴァ
本作のラスボス。マハムとヨロヅの息子にてマリエーンの兄。
母ヨロヅと共に地上に残ったが母の手によって自らの細胞を元に肉叢を製造する媒体にされてしまいもはや彼の自我が残っているかすら定かではない。
父マハムからも「醜い姿となったシヴァなどもはや息子ではない」と見放されている。
四つの顔と四つの核を持ち全てを同時に破壊しなければ倒せない難敵であり、途中離脱したヒエン、ヨウガンを除く全員四パーティで挑む総力戦となる。
四天孔(岩舟人)
右帝ガイズ直属の四人の気法師の総称。
表向きは人間の「気」の頂点とされているが
その正体は三代目マリエーンと五大気法師の一人ヤマタによって作り出された「岩舟人」と呼ばれる人造亜人種。
現在は寺院や祠に別々に幽閉され移動にも制限がかけられており表立って差別を受けていないだけで獣族達と大差ない扱いを受けている。
ホクロク
CV:松本保典
四天孔の一人。火の気法を得意とする。
不良のような見た目に反して非常にストイックかつ生真面目な性格をしており大気法師マハムに憧れ彼に近付くために日夜修行に励んでいた。自分と違い楽天家かつ不真面目なトウバンとは互いに馬が合わない。実はタランダの実の父親であり彼女をシ族の村に捨てた張本人ではあるがそれは決して娘に愛情がなかったからではなく後述の理由で愛した女性を死なせてしまったショックから忘れ形見の娘を妻と同族の村に置いて去ってしまった事が真相である。(タランダの本名「アマネス」はホクロクが名付けた名である事がナンゴウによって語られている。)
続編の翼にも登場し、牙では実現しなかったタランダとの再会を果たしている。理由は不明だが彼と彼の血縁だけが翼において気法の力を失っていない。
トウバン
CV:二又一成
四天孔の一人。地の気法を得意とする。
祭り好きで祭りの日にのみ外に出て普段は巨大な岩で塞がれた祠の中で生活している。
一見落ち着きのある妙齢の男性の姿をしているが見た目に反して楽天家かつ不真面目な性格をしており生真面目なホクロクとは互いに馬が合わない。
幼少時のギユウと面識があり彼を「ギユウちゃん」と呼んで懐かしがっていた。
ケンブ達にかつて獣族のほうが人間を支配していた事、獣族がかつて「獣族十二神徒」と呼ばれていた事を伝える。かつて人間の女性との間に生まれた子供をギユウの村に捨てた過去がありそれがギユウの義妹弟達と思われる。後述の理由から子供達の母親は全て異なる事を考慮するにナンゴウが軽蔑、侮辱しているのは主にトウバンの方だと推測される。
続編の翼にも登場。気法の力は失ったが当時の記憶は失っていない数少ない一人。過去、自らの子達を捨てた罪滅ぼしからか後にヒエンの妻となる戦争孤児を養子として育て上げた。
ナンゴウ
CV:平田康之
四天孔の一人。風の法力を得意とする。
細身の物腰の柔らかい美青年。断崖絶壁の上に建てた寺院に住む。彼の口から「我々、岩舟人は同族間では子を作れない、子を作る事自体は可能だが子が生まれると互いに死んでしまう」という生命体としては致命的な欠陥がある事が語られ、かつて獣族や人間とならは死ぬ事なく子を残せるのではないかと考え実行したホクロク、トウバンが愛する女性を死なせた喪失感から生まれた子を捨ててしまった事に対しては軽蔑と同情が入り混じった複雑な感情を抱いている。(前述の理由からホクロクに対しては同情、トウバンに対しては軽蔑の比率が高いと思われる)タランダからホクロクの面影を一目で感じ取り彼女が彼の娘「アマネス」と確信。彼女に真相を話した上で父親ホクロクを許してやって欲しいと懇願、快諾した彼女に岩舟人の悲願である「生きて子供の顔を見る」事を託す。
密かにセイロンの事を想っており彼がホクロク、トウバンのように他種族の女性と結ばれる道を選ばなかったのはその為であった。
実は四天孔の中では唯一の失敗作であり人間でも彼を殺す事は容易いとされガイズから「逆らえばナンゴウを殺す」と脅迫されて残り三人は寺院や祠への幽閉を受け入れていた事が後にセイロンから語られた。
続編の翼にも登場、記憶と気法は失ったがセイロンと結ばれ互いに生きて子を作り「サクラ」と名付けた娘と家族幸せに暮らしている。
セイロン
CV:根谷美智子
四天孔の一人で紅一点。水と空気の気法を得意とする。
海底に沈む寺院に暮らしている。
清楚な女性なのだが、ビジュアルシーンでは足を組む様子と太ももがやたらとクローズアップされている。
獣族と人間の立場が逆転したのは獣族の人間に対する過度な差別をマハムから咎められた事をケンブ達に語り、今現在、獣族が人間から受けている扱いがまさにそれにも関わらずマハムが何もしない事に関して怒りを覚えたケンブ達に自分も全く同じ疑問を抱いている事を語りマハムの真意を知る為にもケンブ達にシン族に会う事を薦める。シン族の村に行く為の最後のアイテム「古の法書」をガイズが持っている事を伝える。
ナンゴウに対しては作中、同情以外の感情を抱いている描写はないが続編の翼において記憶と気法を失ったにも関わらず彼と結ばれ娘「サクラ」を生んでいる。
一種九号
CV:吉田古奈美
最初期に作られた岩舟人の失敗作。(四天孔達は三種に該当)
幼い少女の姿をしているが少なくとも5000年以上生きていた。
人格形成に失敗しており狂暴な別人格を有しておりそれを理由に産みの親のヤマタにより森の奥に捨てられていた。
あまりに身勝手な仕打ちにケンブは怒りを覚えトエイは涙を流した。
最期はトエイに抱かれながら眠るように天寿を全うした。
三武神
左帝バンタン直属の三人の武将の総称。
それぞれ自らの名前を冠した街の統治を任されており
表向きは同格扱いの四天孔とは比較にならない大きな権限を持つ。人間の「武」の頂点とされるが実力は獣族や岩舟人には遠く及ばない。
ゴウセン
CV:宮田浩徳
獣族の代表達の直属の上司。獣族に対する差別意識そのものを良しとせず終始ケンブ達の味方だった作中屈指の人格者。中盤で彼を目の敵にしていたガイズ、バンタン、ギホウによってケンブ達獣族の度重なる不始末の責任を問われ清都での任を解かれ自らの街での謹慎を命じられるがそれでもケンブ達に対して協力を惜しまなかった。彼が治めるゴウセンの街は中盤にかけての主人公達の活動の拠点となる。
スズメの父親とは友人関係だった模様。
ギホウ
CV:石森達幸
三武神最年長。ゴウセン、ジュウケイとは違い獣族に対して強い差別意識を抱いており自らが治める街に獣族が派遣される事に抗議する為に清都に来た際にケンブ、トエイと一度鉢合わせしている。その際にも嫌悪を露にしたがトエイから年寄り扱いされ激怒してその場を去った。ケンブとトエイがギホウの街で起こした不祥事をネタにゴウセンを失脚させその際にケンブに対して皮肉を言い放ちその場を去る。本人は老体の身だがキョウ、ケイ、ガクの三人の武人を弟子、配下に持つ。
獣族やゴウセンの件ではガイズ、バンタンと結託していたが両者とは異なりマリエーンへの忠誠心は本物だったようで彼女が肉叢に誘拐された際には部下のケイ、ガクを引き連れて救出に向かうなど獣族への差別意識を除けば武人としては真っ当な人物だった模様。以降は消息不明だが恐らく部下共々返り討ちに合ったと思われる。
ジュウケイ
コーラン、アイカの父親。
マリエーン誘拐後のガイズ、バンタンの方針に対して不信感を抱いておりゴウセン同様にケンブ達獣族に協力的な立場を取る。
三武神の関係者
キョウ
CV:平田康之
人間。メイファンの父親でギホウの弟子にして配下の一人。ギホウの留守中、街の管理を任されていた。獣族を信じていなかったが、メイファンを助けてもらったことで素直に礼を言うなど、獣族に対しての考えを改めて歩み寄りが見られたが、後にメイファンが死んでしまったときには、ケンブたちを罵倒して再び心を閉ざした。
メイファン
CV:吉田古奈美
キョウの娘。肉叢にさらわれたが、ケンブたちに助けられた。自分を助けてくれたケンブやトエイを慕ういい子だったが、肉叢にさらわれた際に体内に卵を産み付けられていて、後に体内の卵が孵化して肉叢に体を食い破られて、爆散して死亡するという悲惨な死に方をする。
コーラン
CV:根谷美智子
ジュウケイの娘で街の役人も勤めている。アイカの双子の姉。淑やかな性格の女性。獣族に対しても差別を抱かずに対等に接する数少ない人物。
誰に対しても優しい反面、特定の好意を抱く相手も存在しない為、他人からの好意に関しては割と鈍感で打算的に利用するという腹黒とも思える一面もある。
続編の翼にも登場しているが炭坑の坑夫に慰安婦を斡旋する元締めという今作からは考えられない役で登場している。
アイカ
CV:松下美由紀
ジュウケイの娘でコーランの双子の妹。姉と同じく街の役人をしている。姉とは正反対でかなりキツイ性格。
当初は獣族に対して差別を露にしていたが恋人トノイに会う目的でケンブ達に同行していくうちにその意識はすっかり消え失せていき最終的にはケンブ達とは友達に近い関係となった。
清都で捕らわれていたケンブ達の脱走を手助けした際にケンブに対して好意を抱いていたかのような言葉を濁すが真相は不明。
続編の翼にも作中後半の性格で登場し、トノイと結婚した事が判明している。
トノイ
スザクの村の青年でアイカの恋人。
タムタム焼きをもぐもぐ食べている状態でしばらく喋っておりそれを見たケンブ達からは若干天然扱いされていたが獣族への差別が常態化した世界でケンブ達に差別意識を持たずに普通に接する数少ない良識の持ち主。
続編の翼では名前のみの登場ながらアイカと結婚した事が判明している。
ゴウセンの父
CV:石森達幸
一族の役目としてシン族の村の監視の為にゴウセンの街から離れたロンシンの村に妻と共に暮らしていたが肉叢の襲撃を受けて村が壊滅し殺される。
ゴウセンの母
CV:岡本嘉子
夫と共にロンシンの村に暮らしていたが肉叢の襲撃を受けて村は壊滅し夫共々殺される。
センリ
ゴウセンの妻。夫の両親の世話にロンシンの村に出向いた際に肉叢の襲撃を受けてスズメと共に鎧峨捨の毒を受け倒れるがタランダの姑にして大叔母のジャランが作った血清によってスズメ共々一命を取り留める。
その他の獣族&家族
オウケン
CV:速水奨
戌族の戦士でケンブの師匠。一族最強の戦士で本来は彼が一族の代表として召集される予定だった。序盤でケンブを庇い戦死してしまう。
マトラ
CV:山田美穂
シャッコの妹。気が強く口達者な少女。兄を手玉にとって楽しんでいる。
ホロト
CV:千葉一伸
卯族の青年。トエイの幼なじみにして彼女の婚約者。村の代表として清都に向かう途中に肉叢に襲われたことで、病を患い、寝たきりになった。自分の死を予感していて、自分の死後、トエイを頼むとケンブたちに遺言した。その後、村に残ったトエイに看取られて亡くなった。
イン族の長老
CV:石森達幸
人間の村と身分を超えた親交を深めてきた自負から他の獣族を見下している。
シャッコの親父
CV:柴田秀勝
本名チャトラン(翼にて判明)。シャッコとマトラの父親。基本的には善人だが息子以上に思い込みが激しく口より手が先に動くタイプ
続編の翼にも登場、一時的に仲間にできる。
ヒエンママ
CV:有馬端香
絵に描いたような教育ママ。続編の翼にも登場。
ジャラン
タランダの育ての親にして彼女の前夫ラダの実母。
イノア
CV:岡本嘉子
ランチョの妻。村長の娘でランチョは婿養子。
実はランチョより強く婿養子の立場もあり彼女には頭が上がらないが彼女もまた夫と子供達を深く愛している。
続編の翼にも登場し、一時的に仲間にできる。
ランチョの子供甲
CV:山本美由紀
ランチョの子供乙
CV:山田美穂
ランチョの子供丙
CV:松下美由紀
ギユウの母
CV:有馬端香
病弱で寝たきりの状態、ケンブ等にトウバンの事を教える。
マサゴ
CV:吉田古奈美
ギユウの義妹。他の弟妹と共に村に捨てられていたのをギユウに拾われ育てられた。作中で明言されてはいないが恐らく弟妹共にトウバンと人間の女性の間に生まれた岩舟人の混血児と思われる。
アラゴ
CV:山本美由紀
ギユウの義弟。やんちゃな性格。
ヒメゴ
CV:山田美穂
ギユウの義妹。末っ子で一番甘えん坊。
ケンホウ
CV:千葉一伸
ジュツ族の戦士。OPで肉叢に殺される。
カイケン
CV:山野井仁
ジュツ族の戦士。OPで肉叢に殺される。
ケンホウと共にオウケンからは「村の中でも腕利きで実戦経験なんてありすぎる程の奴等」と評されていた。
ジュツ族男 甲
CV:千葉一伸
ケンホウ、カイケンが倒された事をオウケンに伝え肉叢討伐を彼に頼む。
ジュツ族男 乙
CV:山野井仁
ケンブがオウケンを見殺しにしたと責め立て一族の代表にする事を反対する。
ジュツ族長老
CV:石森達幸
ケンブの立候補を汲み取り一族の代表に推挙するが実際には一族の英雄オウケンの犠牲で生き残った彼を実質追放に近い形で村から追い出したようなものでケンブの旅立ちの際には他の村の者達同様に見送りにも来なかった。