黄衣の王とは
黄衣の王(The King in Yellow)とは、架空の神話体系であるクトゥルフ神話に登場する戯曲、およびハスター、もしくはニャルラトテップの化身である。なお、読み方として、『こういのおう』以外に、『おういのおう』、『きごろものおう』とも読む。
戯曲『黄衣の王』について
19世紀後半に自殺した作家(不明だがキャスティーヌという名前かもしれない)によって書かれたと考えれる戯曲。
1895年に最初の『黄衣の王』が出版されるも政府と教会の糾弾により上演禁止となる。それ以降は他の版がひそかに発行されていた。
詳しい内容の言及は避けるが、『黄衣の王』は二部構成になっており、空想と情緒不安から狂気を導く、非常に危険な内容である。
ハスター、もしくはニャルラトテップの化身
戯曲の中心人物。
ボロボロの黄色いローブをまとった巨大な人間の姿をしており、翼か光輪を持つこともある。蒼白の仮面でその恐ろしい素顔を隠しているとされる。
登場する作品
黄の印(The Yellow Sign)……ロバート・W・チェンバース著。クトゥルー (3) (暗黒神話大系シリーズ) などに収録。
本を守護するもの(The Guardian of the Book)……ヘンリイ・ハッセ著。クトゥルー(13)(暗黒神話大系シリーズ)などに収録。作中、書物として言及。
実在の書籍としての「黄衣の王」
上述するロバート・W・チェンバースが1895年に出版した短編集の題であり、黄の印(The Yellow Sign)ほか4編作中に戯曲タイトル、および超自然的存在として登場する。
1930年のラブクラフトによる短編「闇に囁くもの」に登場したことにより、クトゥルフ神話の一部として取り入れられた。
なおこれら作中で用いられたハスターをはじめとする固有名詞は、チェンバースがアンブローズ・ビアスから借用したものである。
日本では2022年12月時点でBOOKS桜鈴堂による訳が紙・電子書籍で流通している。また、創元推理文庫版が発売されていたが、こちらは収録作品が原典と異なっており(『黄衣の王』に直接関連する4編はすべて収録されている)、また発売から年数を経ているため入手が難しい。
関連タグ
SIGNALIS:作中に重要アイテムとして登場する