ジェスコの前にレゲーラ、更にその前にアゲーラとデビューしており、レゲーラをアゲーラの後継とするか否かについては諸説ある(Koenigseggが公言していない)が、レゲーラをアゲーラの後継として解説している為、ジェスコはレゲーラの後継として解説する。
何をやってもぶっ壊れる概要
2019年、ジュネーヴモーターショーにて初公開。先代レゲーラの後継で、先々代アゲーラと先代を足して2で割った様なビジュアルをしている。レゲーラには吊り下げ式リアウイングを搭載したモデルは無かった(そもそもバリエーションモデルが存在しない)が、ジェスコでは久方振りに吊り下げ式リアウイングを搭載した(他に吊り下げ式リアウイングを搭載しているのはアゲーラのハイエンドモデルであるOne:1と一部のアゲーラのワンオフモデルのみ)。
なお、車名のJeskoは、メディア等で見られる読みは「ジェスコ」だが、本来の発音は「イェスコ」になる。
ケーニグセグはアゲーラの先代CCXのバリエーションの1つ「CCXR エディション(CCXR Edition)」を生産した頃からE85という、普通のガソリン15%+エタノール燃料85%の混合燃料に対応したエンジンを自社製造する様になったのだが、ジェスコのエンジンもE85に対応している。ガソリン使用時は最高出力、最大値はそれぞれ1300ps、1000Nmであるのに対しE85使用時はそれぞれ1600ps、1500Nmにまでパワーアップする。
(E85の方がパワーアップする理由として、シリンダーに混合気を吸入する際、普通のガソリンよりかはE85の方がその温度が低い為それが出力向上につながるというもの。詳しく説明すると、エンジンは吸気→圧縮→爆発→排気という動作を繰り返すが、その過程でシリンダーが高温になる。高温になる程シリンダーは熱膨張を起こす為燃焼室の体積は小さくなり、ひいては出力低下につながってしまう。1つのシリンダーに吸入させる混合気の量(体積)が多ければ出力が高くなるのは当然の話である(これを人為的に無理矢理やっているのが過給機)。温度の低い混合気、つまりここでいうE85を用いた混合気を吸入してやれば低温な混合気がシリンダーの熱を奪う為燃焼室が広がり、ひいては出力向上につながるというカラクリ。)
エンジン本体は、5L V8 ツインターボエンジンで、アルミニウムで作られている為車重軽量化に貢献している。
乾燥車重は1420kg。E85使用時のパワーウエイトレシオは当然の様に1.0を割る(1420kg/1600ps=0.89kg/ps)。レゲーラの項でも触れたが、普通の車はパワーウエイトレシオは2.0を下回る事の方が稀である。
(う~ん、公式が病気。)
ジェスコ最大の特徴ともいえるのが、そのミッションである。
自社製のLight Speed Transmission(略称「LST」)と呼ばれる、ノンシンクロトランスミッションを搭載する。隣接するギア同士のギアチェンジにかかる時間は20ミリ秒=0.02秒。
で、このミッション、何が恐ろしいかというと、従来のデュアルクラッチミッション(Dual Clutch Transmission、DCT)では不可能だった、隣接するギアを飛ばしたギアチェンジ(いわゆる「飛ばしシフト」)を可能としている。相変わらずのぶっ壊れっぷりである。
自社最速への挑戦-アブソリュートのデビュー
ジェスコ アブソリュート(Jesko Absolut)は2020年3月3日に発表された、ケーニグセグ最速を目指して開発された最高速仕様。速度を出す為、ダウンフォースを生み出すエアロパーツは極力取り払われ、その吊り下げ式リアウイングも根本から取り払われた。代わりにV字状に配された一対のフィンを装備する。高速走行時の安定性向上の為、リアホイールには脱着可能なカバーが取り付けられ、テールには85mm延長されたエアロテールを採用している。エンジン、ミッションはノーマルのままで、最高出力は480km/hを叩き出す。
関連動画
ケーニグセグ公式のプレゼンテーション動画:
関連タグ
Agera(アゲーラ)→Jeskoの先々代
Regera(レゲーラ)→Jeskoの先代
Gemera(ジェメーラ)→馬力で比較するとジェスコに勝るバケモノファミリーカー