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概要

ものすごく簡単に言うと、2つのギアとクラッチを使って変速するトランスミッションである。変速はクラッチを繋ぎかえるだけ(しかも現代では電子制御によって自動化)で済むので、短時間で変速できるのが魅力である。

もう少し詳しく説明すると・・・

変速に使う歯車は2つの系統に分かれており、一方が奇数段(1、3、5速)、もう一方が偶数段(2、4、6段)を担当する。次のギアはすでにすぐに変速できるようかみ合った状態で待機している(例えば2速で走っている時は1速または3速が入っている)ので、クラッチを繋ぎかえることで変速ができる。

利点と欠点

利点

・MT並みの伝導効率を持つ

・クラッチを繋ぎかえるだけでいいので、駆動力が途切れる時間が短く、動力の無駄が少ない

・変速が短いので、燃費がよく加速が速い

・MT以上のギヤの多段化ができる

・アクセルペダルでエンジンブレーキの管理ができる

・ターボ車の場合、変速が短時間で終わるので、ターボラグを減らすことができる

・以上のことから、エンジンのダウンサイジングの潮流にマッチしている

・変速は電子制御で自動的に行われる(クラッチペダルがない)ので、AT限定免許でも運転できる

欠点

・一般的なMTと比べると機構が大きい(部品が多い)ので、大きく重くなる

・トルコン式AT(一般的なAT)やCVTと比べると、変速時にショックがあるので、それが気になる場合がある

・CVTと比べると総合的な効率が劣る(CVTは無段階なので)

・急激なシフトダウンの時に空ぶかしが必要

・DCTの技術は基本的に特許技術なので、製造メーカーが限られている→コストがかかる

採用例

ドイツ

フォルクスワーゲン:「DSG(Direct-Shift Gearbox、Direkt-Shalt Getriebe)」の名称で6速と7速のDCTを展開しており、多くの車種に搭載されている。

アウディ:「Sトロニック(S-tronic )」の名称で6速と7速のDCTを展開。フォルクスワーゲングループなので、上記のDSGとほぼ同じ。

BMW  「M DCT(M Dual Clutch Transmission )」の名称で7速のDCTを展開。

メルセデス・ベンツ:SLS AMGに搭載

フランス

ブガッティヴェイロン有名な世界最速の市販車。フォルクスワーゲングループなので、「DSG」の名前で展開。DCTが1000馬力超のエンジンにも対応できることを身をもって証明している。

ルノー

プジョー:後述の三菱製の「ツインクラッチSST」とほぼ同じ

日本

三菱自動車:「ツインクラッチSST」の名称で6速DCTを展開。本体はゲドラク製で、セッティングは三菱が担当。ランサーエボリューションXギャランフォルティスラリーアートに搭載。

日産GT-R クラッチ部分はボルグワーナー製でミッションは自社グループで製造している

本田技研工業:主にハイブリッドカーに搭載しており、ヴェゼルグレイスジェイドなどで採用。また、2010年VFR1200Fに採用したことから大型AT車が増加。2019年からは遂に排気量制限が撤廃された。

JR北海道 モーターアシスト式ハイブリッド試験車として改造されたキハ160にアクティブシフト変速機として搭載。走行状況によってクラッチを繋ぎかえるという方法のハイブリッドシステムとなっている。

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