ブガッティ(Bugatti)は、1909年にイタリア出身の自動車技術者エットーレ・ブガッティが興した自動車メーカー・ブランド。
創業以来2度解散しており、現在のブガッティは1998年にフォルクスワーゲン(VW)グループの傘下で2度目の復活を果たしたものである。
沿革
第一期(1909~1963)
エットーレ・ブガッティが、当時ドイツ領だったアルザス地方に設立。
戦前に数々のレースで輝かしい成績を収めて名を上げた。
馬蹄形グリルとスカイブルーに塗られた車体が特徴で、ブガッティを象徴するアイコンであった。
しかし、第二次世界大戦の勃発により軍需産業への転換を迫られ、戦後ほどなくしてエットーレが死去。
メーカーも消滅した。
第二期(1987~1995)
1987年、イタリア人実業家のロマーノ・アルティオーリがブガッティの商標を復活させ、イタリア モデナに「ブガッティ・アウトモビリ」を起業。
1989年、ブガッティ創業110周年に合わせ、EB110を発売した。
このEB110は3.5リッターV12+4基のターボで560馬力を発揮するエンジンとフルタイム4WDが特色のスーパーカーで、先述のブガッティのアイコンである馬蹄形グリルとスカイブルーのイメージカラーを受け継いでいた。
ただし開発はスムーズには進んでおらず、デザイナーのマルチェロ・ガンディーニ(カウンタックなどで有名)とはデザインの方向性を巡って決別。
他者による大幅な修正を経て完成に漕ぎつけた経緯がある。
レースにも参加したが、EB110は総合的なパフォーマンスでライバルに劣っており、第一期と異なり結果は残せず終わっている。
アルティオーリのワンマン経営が失敗し、1995年に倒産。
所属していた技術者の一部はパガーニの創立に参加した。
第三期(1998~)
1998年、フォルクスワーゲンが商標を取得し、「ブガッティ・オトモビル」を設立。
本拠地は創業の地であるアルザス地方に置かれた。同地は、1919年以降はフランス領で、本拠地は変わらないが創業時から国が変わるというややこしい状態である。
2005年にヴェイロンを発売。
このヴェイロンは8リッターW16フォーターボで1001馬力を発生するモンスターマシンで、当時は世界最速のスーパーカーであった。
生産数は世界限定450台で、2015年まで生産された。
2016年には後継となるシロンを発売。
エンジンは1500馬力にまで向上し、流麗なデザインは排熱をも計算して設計されている。
販売台数は500台限定としている。
第三期ではもっぱら豪奢なイメージと絶対的な性能の高さを最優先にしているため、公式にはレース参戦していない。