タルタロス
たるたろす
ギリシャ神話の神。奈落そのもの。英表記はTartaros/Tartarus。希表記はΤάρταρος(ΤΑΡΤΑΡΟΣ)
概要
ギリシャ神話の神、またはその神が管理する場所の名。ギリシャ神話でいう地獄であり、仏教用語を借用して奈落と訳すこともある。冥府のもっと底にあり、青銅の門と壁で守られているほか、普通の人間は突風にあおられ立ち入ることすらできない。
タルタロスの住人達
タルタロスには、かつてゼウス神族に反旗を翻したティターンやテュポーンが閉じ込められている。なお、彼らが暴れる余波で地震とか台風とかが引き起こされるという。また冥府における審判の結果とくに罪深いとされた者、あるいは大神ゼウスの勅命で神々への反逆者とされた者らもタルタロスに送られる。ギリシャ神話ではタルタロスに送られる者は一般に多くないとされていた。天国のエリュシオンに招かれなかった者のうち大部分は、ハーデス自身の治めるエレボスで特に罰せられることもなく暮らしていたという。しかし後世のローマ時代に書かれた『アエネイース』となると、死せる者のうち僅かだけがエリュシオンに行き、残りの大部分がこのタルタロスに送られていた。