概要
ネコソギラジカルとは、戯言シリーズの六作目である。
上・中・下三巻形式で、それぞれタブタイトルと英題がついている。
上巻のサブタイトルは「十三階段」
英題は「Party」
中巻のサブタイトルは「赤き征裁vs.橙なる種」
英題は「Halloween」
下巻のサブタイトルは「青色サヴァンと戯言遣い」
英題は「After Festival」
下巻のサブタイトルは、『クビキリサイクル』のサブタイトルと同じ。
あらすじ
始まりがあれば終わりがある、それは確かに真理ではあるのだろうが、しかしとは言え、終わりがあるから始まりもあったはずだなどと考えるのはあまりに短絡的だ。どころか事実はまるで逆で、大抵の事象は始まる前から既に終了し切っていて、開かれずともお開きだ。真理をあえて真理として語らず、事実をあえて事実として語らず、黙することの美徳を誰よりも心得ている誠実な正直者、つまりこのぼくは、9月、ある階段を昇ることになる。《十三階段》。それは奇野頼知(きのらいち)であり、またノイズであり、あるいは絵本園樹(えもとそのき)であり、そして澪標高海(みおつくしたかみ)と澪標深空(みおつくしみそら)だった。だが、その階段を昇った先でぼくを待ち構えている終わりの終わりは、あまりに荒唐無稽で、あまりに懐かしく――
登場人物
- 赤神イリア(あかがみ・いりあ) ―――――――― お嬢様。
- 班田玲(はんだ・れい) ――――――――――― メイド長。
- 千賀あかり(ちが・あかり) ―――― 三つ子メイド・長女。
- 千賀ひかり(ちが・ひかり) ―――― 三つ子メイド・次女。
- 千賀てる子(ちが・てるこ) ―――― 三つ子メイド・三女。
- 伊吹かなみ(いぶき・かなみ) ―――――――――― 画家。
- 佐代野弥生(さしろの・やよい) ―――――――― 料理人。
- 姫菜真姫(ひめな・まき) ――――――――――― 占術師。
- 園山赤音(そのやま・あかね) ―――――――――― 学者。
- 逆木深夜(さかき・しんや) ―――――――――― 介添人。
- 貴宮むいみ(あてみや・むいみ) ――――――――― 学生。
- 宇佐美秋春(うさみ・あきはる) ――――――――― 学生。
- 江本智恵(えもと・ともえ) ――――――――――― 学生。
- 葵井巫女子(あおいい・みここ) ――――――――― 学生。
- 佐々沙咲(ささ・ささき) ―――――――――――― 刑事。
- 斑鳩数一(いかるが・かずひと) ――――――――― 刑事。
- 市井遊馬(しせい・ゆま) ―――――――――― ジグザグ。
- 萩原子荻(はぎわら・しおぎ) ―――――――――― 策士。
- 西条玉藻(さいじょう・たまも) ――――――――― 闇突。
- 檻神ノア(おりがみ・のあ) ―――――――――― 理事長。
- 斜道卿壱郎(しゃどう・きょういちろう) ――― 堕落三昧。
- 大垣志人(おおがき・しと) ――――――――――― 助手。
- 宇瀬美幸(うぜ・みさち) ―――――――――――― 秘書。
- 神足雛善(こうたり・ひなよし) ――――――― 研究局員。
- 根尾古新(ねお・ふるあら) ――――――――― 研究局員。
- 三好心視(みよし・こころみ) ―――――――― 研究局員。
- 春日井春日(かすがい・かすが) ――――――― 研究局員。
- 兎吊木垓輔(うつりぎ・がいすけ) ―――――― 害悪細菌。
- 日中涼(ひねもす・すず) ―――――――――― 二重世界。
- 梧轟正誤(ごとどろき・せいご) ――――――― 罪悪夜行。
- 棟冬六月(むねふゆ・むつき) ―――――――― 永久立体。
- 撫桐伯楽(なできり・はくらく) ――――――― 狂喜乱舞。
- 綾南豹(あやみなみ・ひょう) ―――――――――― 凶獣。
- 式岸軋騎(しきぎし・きしき) ――――――――――― 街。
- 滋賀井統乃(しがい・とうの) ――――――――――― 扉。
- 木賀峰約(きがみね・やく) ―――――――――― 助教授。
- 円朽葉(まどか・くちは) ――――――――――― 実験体。
- 匂宮出夢(におうのみや・いずむ) ――――――― 殺し屋。
- 匂宮理澄(におうのみや・りずむ) ――――――― 名探偵。
- 浅野みいこ(あさの・みいこ) ―――――――――― 剣客。
- 紫木一姫(ゆかりき・いちひめ) ――――――― 女子高生。
- 闇口崩子(やみぐち・ほうこ) ―――――――――― 少女。
- 石凪萌太(いしなぎ・もえた) ―――――――――― 死神。
- 隼荒唐丸(はやぶさ・こうとうまる) ――――――― DJ。
- 七々見奈波(ななななみ・ななみ) ―――――――― 魔女。
- 石丸小唄(いしまる・こうた) ――――――――― 大泥棒。
- 零崎人識(ぜろざき・ひとしき) ―――――――― 殺人鬼。
- 架城明楽(がじょう・あきら) ―――――――― セカンド。
- 一里塚木の実(いちりづか・このみ) ―――― 空間製作者。
- 絵本園樹(えもと・そのき) ――――――――― ドクター。
- 宴九段(うたげ・くだん) ―――――――――― 架空兵器。
- 古槍頭巾(ふるやり・ずきん) ――――――――― 刀鍛冶。
- 時宮時刻(ときのみや・じごく) ――――――― 操想術師。
- 右下るれろ(みぎした・るれろ) ―――――――― 人形士。
- 闇口濡衣(やみぐち・ぬれぎぬ) ―――――――― 暗殺者。
- 澪標深空(みおつくし・みそら) ―――――――― 殺し屋。
- 澪標高海(みおつくし・たかみ) ―――――――― 殺し屋。
- ノイズ(ノイズ) ―――――――――――――― 不協和音。
- 奇野らいち(きの・らいち) ――――――――― 病毒遣い。
- 想影真心(おもかげ・まごころ) ――――――― 橙なる種。
- 哀川潤(あいかわ・じゅん) ――――――――――― 最悪。
- 西東天(さいとう・たかし) ――――――――――― 赤色。
- 玖渚友(くなぎさ・とも) ―――――――――――― 青色。
- ぼく(語り部) ―――――――――――――――― 主人公。
余談(軽度のネタバレ)
下巻のラストには
「《 After Festival 》 is the END.
《 Juvenile Talk 》 is HAPPY END.
Congratulations!!」(本書では右揃え)
と書かれている。
「Juvenile Talk」は戯言シリーズのことで、
「戯言シリーズがハッピーエンドを迎えた。おめでとう!」
というメッセージである。
きっと、作者でさえ、ネコソギラジカル下巻が発刊されてから、十七年と三ヶ月後に、戯言シリーズの新作を発刊することになるとは、夢にも考えていなかっただろう。