概要
わかりやすく言うと
「煩悩に悩み、苦しんでいる人ほど悟りへの道は近い」
という教えである。
原始の仏教において、煩悩は滅することが主題におかれ、それによって初めて悟りの境地が得られるとされていた。
だが時代を経ると、世の全ての人々は欲求を持って生活せざるを得ないため、煩悩は完全には滅することができず、むしろそれができるとすること自体が、思い上がりだと考えられるようになっていった。
それでいて、煩悩があるからこそ悟りを求めようとする心(菩提心)も生まれると考えられるようになり、つまりこの用語は自身の煩悩に本気で悩み、本気で苦しんだ人だけが、行(修行)や方便に「本気」で取り組み、自ら変化していくことができるということを示しているとされる。