CV:大塚周夫/中村浩太郎(シャドウジェネレーションズ)
概要
「ソニックアドベンチャー2」にて初登場。身長170cm、体重88Kg。
Dr.エッグマンとその従姉妹マリア・ロボトニックの祖父で50年前に世紀の天才科学者とうたわれたプロフェッサー。姿は体型を除けばエッグマンそっくりで声もエッグマンに似ている。温厚で優しく自分の発明品で全ての人々を幸せにしたいと言う想いを持っていた。カオスエメラルドの研究を行っており、スペースコロニーアークを始めカオスエメラルドの研究をもとにした永久燃料カオスドライブ等数多くの発明をした。シャドウ・ザ・ヘッジホッグを生み出したのも彼である。
多くの人々から憧れの的となっており、今でこそ悪事ばかり働く孫のエッグマンにとっても子供の頃はヒーローであった。
世界征服を目論むエッグマンはプリズンアイランドで祖父ジェラルドの遺産であるシャドウを復活させ、そして彼、ルージュと共に各地でカオスエメラルドを強奪した上でコロニーアークを占拠、アークに搭載されたエクリプスキャノンで政府を脅迫した。ソニック・ザ・ヘッジホッグらがその暴挙を阻止しようとアークに潜入、エッグマンらと激突する。
隠された復讐(ネタバレ注意)
ここからはソニックアドベンチャー2の核心に触れる項目を含みます
戦いの最中、突如としてエッグマンの意思とは裏腹にコロニーが暴走を始め、処刑前のジェラルドの映像が全世界に向けて映し出される。
「これは全人類に対する死刑宣告だ。私の計算に狂いが無ければ27分53秒後、アークは、地上に衝突し、お前たちは世界もろとも消えて無くなるだろう・・・」
「七つのカオスエメラルドが揃う時、私はこの復讐計画がスタートするようにしておいた。プログラムは既に不可逆だ」
「私から全てを奪った愚かしい人間どもよ 私と同じ絶望を味わうがいい」
何とプロフェッサージェラルド・ロボトニックは死ぬ前にアークが7つのカオスエメラルドによって暴走して、巨大な爆弾にしたうえで地球に激突させ地球共々人類を滅ぼすように仕向けていたのだ。
彼が何故このような凶行に走ったのかと言うとそれは50年前に行われた「プロジェクト・シャドウ」に端を発している。
ジェラルドは病原菌に非常に弱い病気となっている孫娘マリアの為もあって、政府の命令で不老不死の研究と究極の生命体を生み出すプロジェクト・シャドウを開始した。シャドウはマリアの病気を治すこの計画の一環で生み出された生命体でマリアと仲が良かった。だがある時、研究で生み出された実験生物が暴走し、研究員や軍の兵士に襲い掛かかるもシャドウや研究員の手で暴走した生物は鎮圧された。しかし暴走事件で負傷者も多く出てしまい、政府は研究の危険性を痛感し究極生命体が制御不能になる事を恐れ始め、プロジェクトを中止・抹消する事を決定。そして軍の特殊部隊を派遣してアーク内部の研究所を制圧・閉鎖し、研究員達を幽閉すると言う形で研究を無理やり中止に追い込んだ。しかもそのアークの封滅作戦でシャドウを地球へ逃がそうとしたマリアが止めようとした隊員に誤って射殺されてしまう(『アニメ版であるソニックX』によるとこの隊員は50年間、この事を後悔していた)。また抵抗した研究員も抹殺されたらしい。そしてこの事件は表向きは事故として処理され、これによりアークも閉鎖(究極生命体プロトタイプの封印の為)され、抹殺された研究員とマリアは事故の犠牲になったと情報操作された。
この事件でマリアを失ったジェラルドは我を忘れるほどに激怒、人類を憎悪するようになったが結局彼もまた逮捕され、プリズンアイランドに投獄された後に銃殺にされた。が死ぬ前に上記の復讐計画を仕掛け、更にシャドウの記憶を操作し、自分の代わりに復讐を成し遂げるようにした。またアーク落下プログラムの最終防衛ラインとして、究極生命体のプロトタイプにシャドウのデータを反映させたバイオリザードをアークの中枢に配置した(エッグマンは後述の取引やこの計画を仕掛けたジェラルドをマッドサイエンティスト呼ばわりした)。
だが彼の復讐プログラムは急遽協力する事になったソニックやエッグマン達、そしてエミー(『ソニックX』ではクリス)の説得でマリアの本当の願いが人類への復讐じゃない事を思い出したシャドウの手で阻止される事となった。
ただエッグマンが入手したジェラルドの日記を読む限りでは本人も復讐心で暴走していく自分を恐ろしく思っていた模様で、復讐を止めることができたのはもしかしたら彼の為だったのかもしれず、エッグマンもかつて敬愛していたこともあり、祖父は本当に自分達人類を滅ぼしたかったのかと疑問に思っていた。
彼の処刑前の映像はみんなのトラウマとして名高いシーン。
ちなみに、ゲーム中では狂気に飲まれていった事を表すように後半の日記の文章が漢字と平仮名やカタカナが入り混じるなどで次第に壊れていく様子が見て取れ、処刑前の最期の言葉も同様で辿たどしい口調であった。
しかし、アニメ「ソニックX」では打って変わって終始まるで一切の感情を失ったかの如く淡々とそれでいてはっきりとした口調に変わっている。処刑前でも力なく項垂れていたゲーム板とは異なり、背筋が伸びてこちらを真っ直ぐ見据えて全人類への死刑宣告を告げていた。独房内でアーク落下のプログラムの計算式を書き込むシーンも描かれているが、何かに取り憑かれたかの如く延々と綿密に書き記していくその姿は、滲み出る静かな狂気としてある意味でゲーム板よりもトラウマに成りかねないものとなっている。
もう一つの事実(ネタバレ注意)
「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」に関するネタバレなので注意
「我が息子、シャドウよ…」
「この星の未来を、頼む…!」
後に発売されたゲーム「シャドウ・ザ・ヘッジホッグ」にてある事実が発覚した。実はジェラルドはプロジェクトシャドウを行っている最中にブラック彗星よりやってきたブラックドゥームと接触しており、彼から不老不死の生命力を持った遺伝子を研究材料として提供する代わりに50年後にブラックドゥームが率いるブラックアームズの地球侵略に手を貸してくれと頼まれた。これでマリアを助ける研究が完成できると考えたジェラルドはやむを得ず彼と契約を取り交わしてしまった。
研究の為に地球の未来を売ったようなジェラルドだったが、実際には地球をすんなりとブラックアームズに明け渡すつもりなど無く、彼らへの対策を怠らずに備えていたのだ。50年後にまず占拠されるであろうアークを守るため、カオスドライブを内蔵した拠点防衛メカとして人工カオスを配置し、更にエクリプスキャノンをアークに搭載したのはブラック彗星を迎え撃つためのものだった。そしてシャドウはブラックアームズの並外れた戦闘力に太刀打ちできる究極生命体として生み出したのだ。そして50年後、シャドウがもう死んでいるであろう自分に代わって指揮をとるよう記憶操作をしていた(ただし上述にあった政府の中止決定のせいで計画は滅茶苦茶になった)。
その真実を知ったエッグマンも「そういうことだったのか」と祖父は悪人ではないことを知り、最終決戦で長時間戦うと、シャドウに(本来)ソニックアドベンチャー2で死ぬはずだった彼をメカ(おそらくメタルソニック)を使って救出したという真実を話した。
ジェラルドとマリアが残したメッセージによって全ての真実を知ったシャドウは、ジェラルドの思いと過去と決別を果たすため、スーパーシャドウとなりドゥームを撃破。その後、カオスコントロールによって宇宙空間へと放逐されたブラック彗星は、エクリプスキャノンの光によって穿たれ砕け散った。
誰よりも平和を願い、しかし復讐心によって失われた彼の願いは、自分の意志を受け継いだ我が子によって、紆余曲折ありながらようやく果たされたのであった。
関連タグ
シャドウ・ザ・ヘッジホッグ Dr.エッグマン マリア・ロボトニック
ドクターバイル:中の人が同じの科学者。こちらも復讐(それもかなり身勝手な)の為に地球に衛星を落とそうとした。