CV:大塚周夫/中村浩太郎(シャドウジェネレーションズ)
概要
『ソニックアドベンチャー2』にて初登場。身長170cm、体重88Kg。
Dr.エッグマンとその従姉妹マリア・ロボトニックの祖父で50年前に世紀の天才科学者とうたわれたプロフェッサー。姿は体型を除けばエッグマンそっくりで声もエッグマンに似ている。温厚で優しく自分の発明品で全ての人々を幸せにしたいと言う想いを持っていた。カオスエメラルドの研究を行っており、スペースコロニー・アークを始めカオスエメラルドの研究をもとにした永久燃料カオスドライブ等数多くの発明をした。シャドウ・ザ・ヘッジホッグを生み出したのも彼である。
多くの人々から憧れの的となっており、今でこそ悪事ばかり働く孫のエッグマンにとっても子供の頃はヒーローであった。エッグマンの特徴の1つである高笑いも祖父を真似たものでもある。ただし公式の一部見解によるとマリアとエッグマンは生前出会ったことがないとされているため、ジェラルドのことはエッグマンも伝聞などでしか知らないようである。
世界征服を目論むエッグマンはプリズンアイランドで祖父ジェラルドの遺産であるシャドウを復活させ、そして彼、ルージュと共に各地でカオスエメラルドを強奪した上でコロニーアークを占拠、アークに搭載されたエクリプスキャノンで政府を脅迫した。ソニック・ザ・ヘッジホッグらがその暴挙を阻止しようとアークに潜入、エッグマンらと激突する。
キャラデザインについて
エッグマン似の祖父というイメージが先行しがちな彼だが、作品によってキャラデザインが大きく異なる。
初出の『ソニアド2』ではやや痩せた顔つきだが、『ソニックX』では全体的にかなりガッシリした体型にアレンジされている。
続く『シャドゲ』では瓶底眼鏡にコロッと丸まっこい体型というステレオタイプな博士像にリデザインされた。
さらに久々の登場を果たした最新作『シャドウジェネレーションズ』では顔つきは『ソニアド2』風に戻っているが、体型はかなりスリムで高身長な印象を与える。
度重なる苦労で体重の増減が激しかったのだろうか。
隠された真相(ネタバレ注意)
ここからは『ソニックアドベンチャー2』の核心に触れる項目を含みます
戦いの最中、突如としてエッグマンの意思とは裏腹にコロニーが暴走を始め、処刑前のジェラルドの映像が全世界に向けて映し出される。
「これは全人類に対する死刑宣告だ。私の計算に狂いが無ければ27分53秒後、アークは、地上に衝突し、お前たちは世界もろとも消えて無くなるだろう・・・」
「七つのカオスエメラルドが揃う時、私はこの復讐計画がスタートするようにしておいた。プログラムは既に不可逆だ」
「私から全てを奪った愚かしい人間どもよ 私と同じ絶望を味わうがいい」
何と、プロフェッサー・ジェラルド・ロボトニックは死ぬ前にアークが7つのカオスエメラルドによって暴走して、巨大な爆弾にしたうえで地球に激突させ地球共々人類を滅ぼすように仕向けていたのだ。
彼が何故このような凶行に走ったのかと言うと、それは50年前に行われた「プロジェクト・シャドウ」に端を発している。
ジェラルドは病原菌に非常に弱い病気となっている孫娘マリアの為もあって、究極生命体を研究する事業に取り掛かる。しかしGUNの圧力で兵器を作れと命令され、これを拒絶するために政府にコンタクトする。しかしGUNの圧力を止める代わりに、命令で不老不死の研究をせよという命令が下り、究極の生命体を生み出すプロジェクト・シャドウを開始した。
シャドウはマリアの病気を治すこの計画の一環で生み出された生命体で、マリアと仲が良かった。
だがある時、研究で生み出された実験生物が暴走し、研究員や軍の兵士に襲い掛かかるもシャドウや研究員の手で暴走した生物は鎮圧された。
しかし暴走事件で負傷者も多く出てしまい、政府は研究の危険性を痛感し究極生命体が制御不能になる事を恐れ始め、プロジェクトを中止・抹消する事を決定。そして軍の特殊部隊を派遣してアーク内部の研究所を制圧・閉鎖し、研究員達を幽閉すると言う形で研究を無理やり中止に追い込んだ。
しかもそのアークの封滅作戦でシャドウを地球へ逃がそうとしたマリアが止めようとした隊員に誤って射殺されてしまう(アニメ『ソニックX』ではこの隊員は50年間、この事を後悔していた)。また抵抗した研究員も抹殺されたらしい。そしてこの事件は表向きは事故として処理され、これによりアークも閉鎖(究極生命体プロトタイプの封印の為)され、抹殺された研究員とマリアは事故の犠牲になったと情報操作された。
この事件でマリアを失ったジェラルドは、それまで抱えていたストレス(進まない研究に対して、軍や政府からの要請、マリアの両親からの圧力など)もあって放心状態となり、精神的にも崩壊。そしてその反動もあって人類を全て憎悪し、狂気へと落ちていった。しかし結局彼もまた逮捕され、プリズンアイランドに投獄された後、銃殺刑に処せられた。
……が、処刑前に上記の復讐計画を仕掛け、更にシャドウの記憶を操作し、自分の代わりに復讐を成し遂げるようにした。またアーク落下プログラムの最終防衛ラインとして、究極生命体のプロトタイプにシャドウのデータを反映させたバイオリザードをアークの中枢に配置した(エッグマンは後述の取引やこの計画を仕掛けたジェラルドをマッドサイエンティスト呼ばわりしていた)。
だが、彼の復讐プログラムは急遽協力する事になったソニックやエッグマン達、そしてエミー(『ソニックX』ではクリス)の説得でマリアの本当の願いが人類への復讐じゃない事を思い出したシャドウの手で阻止される事となった。
ただ、エッグマンが入手したジェラルドの日記を読む限りでは本人も復讐心で暴走していく自分を恐ろしく思っていた模様で、復讐を止めることができたのはもしかしたら彼の為だったのかもしれず、エッグマンもかつて敬愛していたこともあり、祖父は本当に自分達人類を滅ぼしたかったのかと疑問に思っていた。
彼の処刑直前の映像はみんなのトラウマとして名高いシーン。
ちなみに、ゲーム中では狂気に飲まれていった事を表すように後半の日記の文章が漢字と平仮名やカタカナが入り混じるなどで次第に壊れていく様子が見て取れ、処刑直前の最期の言葉も同様で辿たどしい口調であった。
しかし、アニメ『ソニックX』では打って変わって終始まるで一切の感情を失ったかの如く淡々とそれでいてはっきりとした口調に変わっている。流石にテレビ放送では刺激が強すぎるためだろうか。処刑直前でも力なく項垂れていたゲーム板とは異なり、背筋が伸びてこちらを真っ直ぐ見据えて全人類への死刑宣告を告げていた。独房内でアーク落下のプログラムの計算式を書き込むシーンも描かれているが、何かに取り憑かれたかの如く延々と綿密に書き記していくその姿は、滲み出る静かな狂気としてある意味でゲーム板よりもトラウマに成りかねないものとなっている。
なお同作で演じた後に発売された『SHADOW THE HEDGEHOG』では『ソニアド2』に近いしわがれた声に戻っている。
もう1つの事実(ネタバレ注意)
『SHADOW THE HEDGEHOG』に関するネタバレなので注意
「我が息子、シャドウよ…」
「この星の未来を、頼む…!」
2005年に発売されたゲーム『SHADOW THE HEDGEHOG』にてある事実が発覚した。
実は、ジェラルドはプロジェクト・シャドウを行っている最中にブラック彗星よりやってきたブラックドゥームと接触しており、彼から不老不死の生命力を持った遺伝子を研究材料として提供する代わりに50年後にブラックドゥームが率いるブラックアームズの地球侵略に手を貸してくれと頼まれた。これでマリアを助ける研究が完成できると考えたジェラルドはやむを得ず彼と契約を取り交わしてしまった。
研究の為に地球の未来を売ったようなジェラルドだったが、実際には地球をすんなりとブラックアームズに明け渡すつもりなど無く、彼らへの対策を怠らずに備えていたのだ。50年後にまず占拠されるであろうアークを守るため、カオスドライブを内蔵した拠点防衛メカとして人工カオスを配置し、更にエクリプスキャノンをアークに搭載したのはブラック彗星を迎え撃つためのものだった。そしてシャドウはブラックアームズの並外れた戦闘力に太刀打ちできる究極生命体として生み出したのだ。そして50年後、シャドウがもう死んでいるであろう自分に代わって指揮をとるよう記憶操作をしていた(ただし上述にあった政府の中止決定のせいで計画は滅茶苦茶になった)。
その真実を知ったエッグマンも「そういうことだったのか」と祖父は悪人ではないことを知り、最終決戦で長時間戦うと、シャドウに(本来)『ソニックアドベンチャー2』で死ぬはずだった彼をメカ(おそらくメタルソニック)を使って救出したという真実を話した。
ジェラルドとマリアが残したメッセージによって全ての真実を知ったシャドウは、ジェラルドの思いと過去と決別を果たすため、スーパーシャドウとなりドゥームを撃破。その後、カオスコントロールによって宇宙空間へと放逐されたブラック彗星は、エクリプスキャノンの光によって穿たれ砕け散った。
誰よりも平和を願い、しかし復讐心によって失われた彼の願いは、自分の意志を受け継いだ我が子によって、紆余曲折ありながらようやく果たされたのであった。
ソニック×シャドウジェネレーションズ
「このような運命を歩ませて、すまない」
「じゃがワシは、お前を誇りに思っとる」
「信じておるぞ、シャドウ」
『シャドウジェネレーションズ』では、タイムイーターの影響でマリアと共にアーク襲撃以前の時間軸から転移する形で登場。
時空に関する知識も多少ながら身につけていたらしくホワイトスペース内で起きる異変に関して科学者の視点からシャドウに助言を与える形でサポートする。
シャドウが自分達の知るシャドウではない(未来の彼)ことや、これから起こる未来の出来事に関してはタイムパラドックスを恐れて知ることを極力避けていた。が、現在のシャドウや同じくタイムイーターの影響で復活したブラックドゥームの会話から未来でブラックアームズを無事撃退できたこと、そして自分が未来でどういう運命を辿るかを少なからず察していた。
同作ではジェラルドの手記という形でアークでの研究の日々について断片的に読み取ることができ、先の通り実はGUN、政府、マリアの家族からの三重のプレッシャーで押し潰されそうになっており、狂気に至った理由がよりわかりやすくなっている。
また、息子が2人いることもこの手記で判明しており、考古学に詳しい息子がマリアの、ロボット工学に詳しい息子がエッグマンの父とされている。なおこの2人は仲違いするようになったようで、ジェラルドは心を痛めていた。
ソニック×シャドウTOKYO_MISSION
こちらでも登場するが、なんと110歳という超高齢で存命。
劇中では描写はないがシャドウの針からエネルギーを得て長寿を得ているという設定。
ゲームと異なり、孫のエッグマンよりも太った容姿をしている。
死んだと思われていたことから家族という存在に多大なコンプレックス等を持っていたエッグマンには大いに喜ばれ、ソニックと組んでいた彼をあっさり寝返らせたほど。
祖父と出会えた嬉しさなのか、孫から「ジジーニアス」という愛称で呼ばれるシーンもある。
衣装は最初は原作と同じ白衣のスタイルだったが、途中から潜入のためエッグマン製の特殊なタイツ(スーツ)を着用し、最終的には自身が誂えたお揃いの衣装を孫のエッグマンと着ている。なおこのデザインは原作モダンエッグマンのそれを踏襲したもので、ジェラルドはその色違いで白い色になっている。
ゲームに比べてだいぶコミカルな性格になっており、エッグマンとの掛け合いはただのジムキャリー同士の漫才。自身が生み出したシャドウを使って世界征服を企んでいる。
……と思われていたが実際は…………。
実写版の真相(ネタバレ注意)
地球外生命体であったシャドウの研究を行っていた人物。
原作では善良な科学者であったが、本作においては普通にマッドサイエンティストをしている。
とはいえ、シャドウの研究をしている時点ではGUNに言われるがままに未知のエネルギーに関する研究を続けていたらしい。描写されているマリアやウォルターズとの関係的にも過去においては善良な存在であったのだろう。
しかし、ある時にシャドウの力を危険視したGUNは別の場所に連行しようと画策。それを察知したジェラルドはシャドウやマリアとともに施設を抜け出そうとしていた。
だが、この時にGUNの隊員が静止を振り切って放った弾がエネルギータンクに直撃して大爆発を起こし、その巻き添えとなったマリアが帰らぬ人となってしまう。
孫娘の死を悲しむ間もなく、自身は反逆罪で刑務所送りとなってしまうが彼の才能を惜しんだ組織は彼に助言を乞い、決戦兵器を作らせていた。それが本作における「エクリプス・キャノン」である(大体原作通りのデザインだが若干のアレンジはある)。
実は孫娘のマリアが死んだことに絶望したジェラルドは完全にダークサイドに落ちており、密かに持ち込んだシャドウの針からエネルギーを得ることで可能な限り50年前と同じ肉体を維持。
そして人類全てに復讐を果たすために地球の破壊を思い立ち、GUNに作らせたエクリプス・キャノンを利用しシャドウのカオスエネルギーをありったけ注ぎ込み発射しようとした(本来のエクリプスキャノンは世界のどこにでもピンポイントで攻撃できる兵器であったが、これにより着弾後にエクリプスキャノン自体を含む半径4万kmを消滅させる状態となった)。
原作さながらの所業に及ぶこととなるが、その過程においてほとんど面識のない自分の瓜二つの孫であるエッグマンを利用。彼の家族への憧れを利用してその心を掴むことに成功する。
しかし、ジェラルド本人が持つ「世界の破滅」とエッグマンが持つ「世界の支配」という目的の違いから2人は決別し(元からまあまあ噛み合っていなかったが……)、生身でナノマシーンを使いつつ戦うが、最終的に目的の障害となった孫のエッグマンをあっさりエクリプス・キャノンから宇宙空間へ叩き落としてしまう。
しかし、丁度潜入していたテイルスに救われたエッグマンによって逆襲され、(ソニックがスーパー化したことにより変化した)スーパーソニックの針を臀部へと刺されて吹き飛び、その先のエクリプス・キャノンに充填されていたカオスエネルギーの渦に巻き込まれ、塵一つ残らず消滅するというあっけない最期を遂げた。
原作と同様に孫娘の死によって狂ったという点では同じだが、こちらは生存して50年も熟成させている分、余計に悪辣さが増しており、なおかつ正気を失っていたと見える原作と異なり極めて冷静に狂っている。世界の破滅を望むほどの狂気に落ちた理由としては弱いと言われがちだが、本編で終始おどけていたジェラルドが唯一本気で泣いていたのがマリアの死であり、ジェラルドにとって孫娘が原作と同様かそれ以上に愛おしい存在であったことがうかがえる。
実の孫のエッグマンについてはその頭脳と技術については「自分の才能を受け継いでいる」と感心し、ある程度は祖父としての顔を見せて可愛がっていたが、それらはあくまで「孫というのは自分が面倒を見なくていいから可愛い」という極めて利己的なものでしかない。彼の家族としての愛情を求める心については無碍に扱い、あまつさえ「お前はマリアではない」と冷たくあしらうほど。
また、マリアを失った悲しみを共有しているはずのシャドウですら、彼が復讐という目的を捨てたのを見るやあっさり始末しようとしているほど、復讐に歪んでしまっている。しかもコミカルな振る舞いも微かに残ってはいるが発言が結構ブラックになっているのも歪んでしまった証拠かも知れない。
反面、孫娘であるマリアに対しては、研究所での事故の際に爆発から必死で庇おうとしたり、その遺骸を見て号泣したり、前述のマリアに対する想いや発言から、エッグマンとは反対に”真っ当な”愛情を注いでいたと思われる(シャドウに対しても自身が作成した原作ゲーム版ほどにはないにせよ、その作中の行動的に復讐に狂う前は真っ当に対応していた様子である)。そう考えれば、彼もまた哀しき悪役に該当するのかもしれない。
エクリプス・キャノンの発射はスーパーソニックとスーパーシャドウに防がれ、エッグマンとテイルス・ナックルズによってキャノンを逸らすことで地球への命中を避けた(その際月に当たってしまったが)。
こうして止められたかと思いきや、充填されたカオスエネルギーによって炉心がオーバーフローを起こして大爆発を起こしその余波で地球が滅びかねない事態が発生。そしてソニックもキャノンを防いだ際の消耗によりスーパー化が解除され、地球へ落下してしまうという絶対的なピンチに陥る。
これを受けたシャドウとエッグマンは落下を阻止するためにそれぞれ命懸けの行動に出る……。
関連タグ
シャドウ・ザ・ヘッジホッグ Dr.エッグマン マリア・ロボトニック
ドクターバイル:中の人が同じの科学者。こちらも復讐(それもかなり身勝手な)の為に地球に衛星を落とそうとした。