概要
本来は仏教の用語の一つであり、自身が正覚(悟り)へ近づく方法、または他者を近づかせる方法、それらを社会や日常で実践すること。
しかし、本来は物事を説明したり導いたりするための手法のことを指す。
仏教において方便は重要なものとされ、真言密教の経典『菩提心論(ぼだいしんろん)』には、「方便こそ究竟なり」と記されいる。
「究竟(くきょう)」とは、「真の悟りの道」を意味する言葉で、つまり経典に記された言葉は「実践の中にこそ、真の悟りの道がある」という意味である。
すなわち、一人で籠もって修行するのではなく、実生活の中にも仏門の教えや行を活かして立派に振る舞い、周囲の人を幸せにしていくような行いこそが、真の悟りの道であると説かれているのである。
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他力本願:同じく仏教由来の言葉だが、方便と同様に本来の意味では既に殆ど使われていない。