概要
2022年11月14日に岩崎夏海と稲田豊史の共著で、講談社から出版された自称・歴史書。全3巻。
大半のゲームに関する歴史書がハード・ソフトの1社に絞っているなか、それらを俯瞰して新たな岩崎・稲田史観で通史を書き書いて後世に伝えることを目的としている。
のだが…
主なツッコミどころ
関係者に直接否定された史観
岩崎・稲田史観 | 証言 | 関係者 |
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ポケモンはメンコから発想した | ゲームボーイ(通信ケーブル)の登場で何らかの交換が実現できることに気がつく。 | とみさわ昭仁のツイート |
セガゲームは実力主義なので覇権を取れない | プリクラとかUFOキャッチャーが完全にスルー | 長谷川亮一のツイート |
アイテム課金は着メロと同じように流行った | アメーバピグなどPCサービスと混同しているのではないか | くりたしげたかのツイート |
日本には個人ゲームなどなかった | 1980年代からゲーム作ってコミケに出してたつもりなんだけど | 該当者多数まとめ |
インタビュー等の相応の根拠で否定できる岩崎史観
岩崎・稲田史観 | 証言 | 関係者 |
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鉄拳は未熟だった3D技術で売り上げを落とした | 最先端の3D技術とローカライズによりIPを維持した | 原田勝弘のインタビュー |
日本は斬新なアイデアがなくなったからゲームがダメになった | ゲームの魅力は一人のアイデアより、今やマーケティングの方が重要 | 〃 |
歴史学の手法として問題な点
- 「重大な矛盾や食い違いがあったら、直したり埋めたりするのは、読者のみなさんにお願いしたい」
- ゲームではそれを有料デバッグ、有料βテストと呼ぶ……身も蓋もなく言えば未完成品を売りつける行為である。
- ソシャゲをばっさり無視
- ゲームの世界に客観など存在しない(←?)
- データを用いると恣意性に際限がなくなる(←?????)
絶版への道
以下は全て2023年
3月16日 | 講談社が事実誤認を認める |
3月20日 | kindle版(電子書籍)の配信停止 |
3月22日 | Amazonページ削除 |
4月7日 | 物理書籍の回収開始 |
4月10日 | 絶版宣言 |
なお、図書館から除籍されるかは各図書館の判断に任せられる。
外部リンク
『ゲームの歴史』はなぜ炎上している? ゲーム初心者でも読んでわかった通史企画の難しさ