概要
ロックマンXシリーズの主人公であるエックスと、彼の無二の親友であるゼロのカップリング。または、ロックマンゼロの登場人物であるオリジナルエックスと、主人公であるゼロのカップリング。
所謂腐向けタグである為、腐向け岩男のタグと併用し棲み分け、検索避けを行うのが望ましい。
X1、及びリメイク作品であるイレギュラーハンターXの時点では、二人ともシグマが隊長を務めていた第17精鋭部隊に所属していた。
キャラクター解説にて、ゼロはB級ハンターであるエックスの潜在能力を気付いている数少ない人物であり、エックスを気にかけていると書かれている。また、相手がイレギュラーであっても同じレプリロイドを傷付ける事を躊躇う優しさを周りからは『甘さ』と捉えられ上手く関係を築けていないエックスは自身を導いてくれる良き友人であり好敵手のゼロを“唯一”尊敬し、信頼を寄せている模様。
イレギュラーハンターXに収録されている前日譚映像でも、エックスとゼロは殆ど一緒に行動を共にしている。
シナリオ面では、オープニングステージで VAVAに敗北し捕らえられたエックスをゼロがバスターで助けてくれた他、終盤にてまたも戦う事となったVAVAのライドアーマーを破壊する為ゼロは自爆を行いエックスを助けている。X2におけるキャラクター解説から、ゼロのこの行動はエックスを守る為のものだったとわかる。
ゼロはエックスの可能性に期待しており、その可能性を守る為なら自身の身を捧げても構わないと行動に出る程、エックスの強さに信頼を向けていた模様。
X2では、カウンターハンターに奪われてしまったゼロのパーツをエックスが取り戻して行く事になる。無事に取り返せると復活を果たしたゼロが終盤駆け付けてくれるのだが、一つでも取りこぼすと、洗脳されシグマの新たなパートナーとなったゼロと戦う事になってしまう。
勝利するとゼロは正気に戻り、前作失った親友を取り戻す事ができる。
X3では、ステージ道中のみだがゼロを呼び出し操作を交代する事ができる。勿論ゼロからエックスを呼び出し交代する事も可能で、お互いに呼ばれると「すぐ行く」と返事をしてくれる。
X4では、エックス√のエンディングにゼロが登場する。同じイレギュラーハンターに『本気のお前と戦う為』という理由で市街地にスカイラグーンを落とされ、信頼した部下がシグマからのスパイで、人類を守る志を共にしている筈のレプリフォースと戦争を行った事でエックスは酷く疲労しており、ゼロに「俺がイレギュラー化したら君が処理してくれ」と頼んでいる。ゼロはその言葉を躱し通信を切ったものの、エックスは「約束だよ、ゼロ」と呟いた。
ゼロ√ではエックスは登場しなかったが、自身が元々はイレギュラーだと知ってしまったゼロは大いに悩む事になり、失われている記憶を取り戻した時親友との宿命の対決が始まるであろう事が示唆されている。
X5では、元々ロックマンXシリーズの完結作となる作品だった事から、エックスとゼロ二人の関係性とお互いに向ける感情を中心に展開されている。
特に、エックスのゼロを想う感情の籠った言動の数々は、今まで積み重ねられてきた出来事も相まって中々に重い。
シャトル作戦のパイロットとなったゼロに、エックスは「パイロットを代わる」と申し出ており、それを断り地球を守るようエックスに託すゼロに、「もう戻ってこないような言い方はやめてくれ」と口にしている。作戦中も、周りが作戦の成功を祈る中、エックスのみゼロが無事に戻ってきてくれる事ばかりを気にしている様子であった。
地上に撒かれたシグマウイルスを浴びパワーアップするゼロをエックスは心配していたようで、零空間に赴いたゼロを連れて帰り精密検査を受けてもらう為、エックス√とゼロ√どちらもエックス側からゼロに向け戦いを仕掛けている。
エックス√では「君にいなくなってもらいたくない」と口にしており、エックスにとってX1でゼロを失った経験が未だに根深く胸に突き刺さっている事が窺える。ゼロは「お前は俺と戦えない。それがお前の優しさであり甘さでもある」と口にしたが、エックスは既に「どんな事をしても君を連れて帰る」と、ゼロを守る為にゼロを傷付ける覚悟を決めており、自身からゼロへ戦いを仕掛けた。
X2で洗脳されたゼロと戦う事になってしまったエックスを思えば、もう二度と失わない為に自らゼロと戦う事を決意した覚悟の重さがわかる。
ゼロ√ではライフセーバーと共に登場し、ゼロのイレギュラー化を疑うライフセーバーを諌めている。しかしゼロの危険性は認めており、これ以上ゼロには戦わせられないと「ゼロは疲れてるだろう?帰って精密検査を受けるんだ」と説得してくる。
しかしゼロ側も、エックスがウイルスでイレギュラー化する危険を考え、「危険な任務は俺一人でじゅうぶんだ」と譲らず、お互いに危険な目に遭ってほしくないばかりにお互いを撃破しようと戦う事となった。
どちらの√でも戦闘後二人して倒れてしまっており、二人まとめて亡き者としようとしたシグマに攻撃を受けそうになるが、ゼロがエックスを庇いシグマを一時的に退けさせた。この際シグマは、「よくやったよ、エックス」と口にしており、エックスがゼロを失いたくない気持ちから戦いを仕掛ける事を予見し利用しようとしたのではないかと思われる。
シャトル作戦が失敗した覚醒ゼロ√では、全てを思い出し自身の宿命に従おうとするゼロにエックスは戸惑いながらも、受け入れ「受けて立つよ、逃げやしない」と戦う覚悟を決めている。戦闘前会話では「君を倒して本当のゼロを取り戻す!」と口にしており、エックスにとってゼロは自分と戦う宿命を持って生まれた存在としても、大切な親友である事に代わりはないようだ(ちなみに、シャトル作戦が失敗し避難しなければならなくなった際エックスはゼロを一旦置いて行かねばならない事に激しく動揺し、シグナスから冷静になるよう言われている)。
また、覚醒ゼロ√では戦闘後倒れた二人に攻撃をしてきたシグマからエックスを庇うゼロの姿が微妙に異なっており、エックス√、ゼロ√では庇いながらバスターで反撃を行っていたが、覚醒ゼロ√では反撃を行う暇も無く慌ててエックスの前に身を投げ出し、シグマの攻撃に直撃してしまっている。その際、ゼロはエックスに「俺の分まで生きろ」と口にしたが、エックスは朦朧とする意識の中ゼロへ「いかないで」「そばにいて」「俺が守る」と想いを向けていた。
エックスがゼロを守りたいと思っていた事が直接言葉にされたのは覚醒ゼロ√であり、この言葉から、エックス√とゼロ√でゼロを連れ戻す為に戦いを仕掛けたエックスの感情の根底には『ゼロに遠くに行かないでほしい、傍にいてほしい、だから俺が守る』という想いがある事がわかる。
その想いもおそらくは、X1で自分を守る為に自爆させてしまい失った事と、X2で自分がパーツを取り戻せなかったばかりに洗脳されてしまった経験がある故と思われる。
エックスでシグマを倒した場合、シグマから「自分への苦しみは耐えられるが、特にゼロを傷付けられるのは耐えられないだろう?」「お前の最も大切なゼロをもらうぞ」と言われる程、エックスの心はゼロで占められている模様。事実、X1の時点で既にエックスが唯一尊敬と信頼を向けている相手はゼロであり、悩みがちな自身を支えに導いてきてくれた存在なのである。
しかしX5は三つ全てのEDで、エックスはゼロをまたも失ってしまう事になり、うち一つはゼロの存在そのものすら忘れさせられてしまうバッドエンドを迎えてしまう。
ゼロ√のEDでは、ゼロは自分が争いの原因であり自分が消えなければダメな事を悟ってしまい、共にいられない事をエックスに謝罪している。エックスが自分の傍にいてほしいと想っている気持ちはゼロに伝わっているようではあるが、宿命がそれを許してはくれないとゼロは理解していた模様。
しかし続編となるX6では、無事再会する事ができる。この際のエックスの心から嬉しいと言うような満面の笑みは必見。
だが、ロックマンゼロへと続くゼロEDでは......。
総じて、『お互いに相手を何より大切に想い、自分が犠牲になってでも守ろうとするが、だからこそその想いはすれ違い、離れ離れとなってしまう』関係性と言える。
エックスはゼロを守る為なら戦い傷付ける覚悟すら決め、自らと共にいてもらおうとするのに対し、ゼロはエックスを守る為なら自分が傷付く事を躊躇わず、自分が死んでもエックスには絶対に生きていてもらおうとしており、同じ想いを抱きながらもこの対比故にすれ違ってしまうのが、エクゼロの関係性において辛い部分であり、好まれる部分でもある。
ゼロがエックスを守る為自ら傷付く事を躊躇わないのは、ひとえにエックスの強さを信頼しているからこそ、自身の全てを捧げても構わないと考えているのだろう。決してエックスが弱いから守ろうとするのではなく、誰よりもエックスの強さを信じているのである。
だがエックスは、今まで自分を支え導いてきてくれたゼロとこれからも共にいたいと願っており、守られるばかりでなく自分が守りたいと想い行動にも移している。
X5の覚醒ゼロ√におけるEDでエックスのゼロに関する記憶を全て消したのは生みの親であるライト博士であるが、もしかしたらライト博士は、守りたかったゼロを失った事実にエックスが耐えられず戦えなくなるのではないかと危惧したのかもしれない。