CV:ブルー・マンクマ(BW・メタルス)、リチャード・ニューマン(メタルス)/吹替:中村秀利(BW)、長島雄一、飛田展男(メタルス)
概要
『ビーストウォーズ』『ビーストウォーズメタルス』において、エイリアンと呼ばれる謎の勢力。
惑星エネルゴアに様々な遺跡を残していた謎の勢力で、ビーストコンボイの記憶をスキャンし、トランスフォーマーたちが最も恐れる存在星間帝王「ユニクロン」の顔で意思を伝える。
巨大な髑髏にライオンのようなたてがみが生えた外見で登場したが実体を持たない思念体ゆえに本来の姿なのかは不明。不老不死、不滅であり、その能力は物質の創造や時空間を越える、操るといった神に等しい超存在である。
タイガトロンとエアラザーを捕らえ、彼らを無理矢理合体させて作り出したタイガーファルコンを依り代に惑星エネルゴアに赴き、サイバトロンとデストロンの両軍に襲いかかる。最終的にはタランスに憑依した状態から自爆して、タランスを葬った。
目的
彼らが地球において行っていた様々な実験の目的は、自分たちが滅ぼした人類への贖罪であり、人類を好戦的で野蛮な種ではなく、知性と理性に満ちた存在として創造する、といったものである。そのため太古の地球にやってきたヴォックは自ら創りだした膨大なエネルゴンを地球全土に移植し、石油や核エネルギーといった化石燃料に替わる資源としてその使い方を教え、最終的には外宇宙への進出させるまで導くという算段だった。
ビーストウォーズ世界のエネルゴンはG1の時代や現在の地球における化石燃料と違い環境に無害なエネルギーであり、動植物の成長や土壌の肥沃を助ける効果があった。しかし、このエネルゴンは実験が万が一失敗した時の保険でもあった。
不安定な状態のエネルゴンは起爆性が高く、ある程度の衝撃を受けたら簡単に爆発を起こしてしまう。そのためヴォック達はあえて不安定な状態のままのエネルゴンを地球全土に移植し、実験が失敗した時は衛星に偽装した惑星破壊兵器で地球全土のエネルゴンを一斉に起爆させて地球を爆破処理し、その後は新たな地球を創造、時間の流れを調整し実験を再開する。
ヴォックたちははそうしたことをこれまでに何度も何度も繰り返してきた。
ビーストコンボイとビーストメガトロンたちが辿り着いた惑星エネルゴアと呼ばれる地球は、破壊と再生を繰り返した改変された地球である。
ヴォックが恐れたのは、自分たち以外の航時能力を持った知的生命体が人類に干渉してくることだった。ヴォックがサイバトロン・デストロン双方に敵対したのも敵意や害意といったものなく、実験の障害に対する排除行動にすぎなかった。
地上に降りた2体は爆散したが、彼らは意識融合体の一部、いわゆる分身体であるため、本体には全く影響はない。
ソニーマガジンズ刊の書籍『ビーストウォーズ ユニバース』によれば、彼らは元々コミック版『G2』に登場した集合意識体スウォームが、G2デストロン、爬虫人類ジャダイ、そして地球人類を吸収した後、初代コンボイによって『良心』を与えられた存在であるとされる。
日本語版では
とはいえかなりわかりにくい設定な上に原語版でも尺の都合で消化不良に終わったこともあり、日本版ではそこまでの設定には踏み込まず、あくまで謎の存在として、子どものような喋り方の能天気なキャラクターとして登場している。