概要
『合理的にあり得ない~探偵・上水流涼子の解明~』は、柚木裕子による日本の小説。2017年2月15日に講談社より刊行され、2020年5月15日には講談社文庫より文庫版が刊行された。
とある事件で弁護士資格を剥奪された元弁護士の探偵がIQ140という天才的な才能を持つ相棒と共に「合理的にありえない」方法で依頼を解決していく姿を描く。
2023年4月~6月にフジテレビ系列でドラマ化。主演は、天海祐希。
登場人物
- 上水流涼子(演:天海祐希)
探偵。頭脳明晰、そして変装の達人。とある暴行事件で逮捕され、資格をはく奪された元弁護士。大の辛党であり、スンドゥブチゲを苦もなく食し、常に大量の激辛生ハバネロを常備している。本人曰く、「刺激が足りないから」とのこと。
毎回「合理的にあり得ない」方法で依頼を解決しようとするため、貴山に無茶ぶりするなど振り回している。
貴山とは彼の飼い猫を車のボンネット内から見つけた際に知り合い、強引にスカウトした。
後に、とある人物から送られた動画にて、上述の暴行事件が何者かに後催眠暗示をかけられ、「3776」をキーワードに「突然怒りが沸き上がる」という催眠によって引き起こされたものであったことが判明した。
- 貴山伸彦(演:松下洸平)
涼子の相棒。IQ140の天才。英語もナチュラルに喋れる上に、片手でルービックキューブを全面揃えることができる特技を持っている。毎度の如く上水流の無茶ぶりに振り回されており、本作品のツッコミ役でもある。丹波からは毎回「きやま」と呼ばれており、その度に訂正している。
その一方で、女性に対して超絶ウブであり、仕事以外で話すことができない。上水流曰く「童貞」。ただし、上水流とはそんなこともないらしく、本人曰く「上水流さんはくまモンみたいなゆるキャラ」らしい。それに加え、かなりの運動音痴。
上水流とは、自身の飼い猫を捜索していた際に知り合い、彼女から強引にスカウトされた。
一酸化炭素中毒により意識不明の重体となっている父親がいるが、その父親が自宅を放火し母親と妹を殺した疑いがあることから、彼を憎んでいた。しかし、第6話にて父親が不正を暴こうと立ち向かっていたことを知り、自分が今までやってきたことを後悔すると同時に父親の無念を晴らすことを決心し、無事に果たすことができた。
だが、その他にも秘密を抱えており、氷川には弱みを握られているようだが…。
周辺人物
- 有田浩次(演:中川大輔)
貴山の古い友人。新宿・歌舞伎町にたむろする裏社会の住人。グミが大好き。嘘がつけない正直者。
- 丹波勝利(演:丸山智己)
警視庁の相談センター窓口に勤める元刑事。元捜査一課で、涼子の関わる傷害事件で彼女の無実を信じた唯一の男。憧れる刑事像が一昔前の洋画に登場する刑事であるため、上水流から「アンタの刑事像は昭和すぎる」と言われてしまっている。上水流が依頼を受けた事件に協力することもあり、警察沙汰ならちゃっかり手柄も貰う。
貴山のことを毎回「きやま」と呼んでいるため、その度に訂正されている。
- 諫間慶介(演:仲村トオル)
総合商社・諫間グループの社長。久実の父。妻が他界してから、娘と二人暮らし。上述の暴行事件にも何らかの形で関与しており、上水流の因縁の相手でもある。
娘・久実との仲は一時期すこぶる悪かったものの、誘拐事件を機に少しずつ修復している模様。
- 諫間久実(演:白石聖)
名門・綾目女子大に通う社長令嬢。慶介の娘。突如失踪してしまい、慶介は因縁の相手である上水流に捜索を依頼することとなる。
半グレのリアムとエリのコンビに誘拐されたが、上水流と貴山によって救われ、上水流エージェンシーに強引に転がり込み、働くこととなった。
なお、経験が浅いため変装等は大の苦手。仕事はもっぱら2人のサポートや雑務ばかり。時に気合いが空回りして依頼を掻き乱してしまうこともある。
周辺人物
- 貴山勇作(演:小林隆)
伸彦の父親。一酸化炭素中毒により植物状態のまま6年間眠り続けていた。自宅を放火して妻と娘を殺害した容疑がかけられていたが、彼は被害者であり、不正に立ち向かい、消されそうになった妻と娘を守るために身を呈して庇おうとしていた。その後、意識を取り戻した。
- 氷川(演:阿部亮平)
オイルライターに似せたケースに入れたタブレット菓子を食べる謎の男。貴山とは顔見知りで、彼の弱みを握っているようだが…。
余談
- 第2話ラストで、久実から「BOSSって呼んでいいですか?」と聞かれていた(上水流は「BOSSじゃないから!」と言って却下した)が、これは天海氏がドラマ『BOSS』で主演を務めていたことに関連した中の人ネタ。