概要
直前作である『スナッチャー』で見られた「映画的演出を導入したアドベンチャーゲーム」という方向性をより推し進めた発展的作品。小島はこれ以降、「映画的演出を導入したアクションゲーム」の制作に着手し、その後の『メタルギアソリッドシリーズ|メタルギアソリッド』シリーズは全世界で大ヒット作となり、小島秀夫の名を世界的に有名なものとした。
小島自身がアドベンチャーゲームを制作したのは(2008年時点では)本作が最後だが、小島組のスタッフによって制作された『ときめきメモリアルドラマシリーズ』は、本作で培われた映画的演出の手法が受け継がれている。
ポリスノーツは様々な機種に展開しているが、いずれも日本でのみしか発売されていない。アメリカでは、1996年の5月にセガサターン版の発売がコナミの現地法人により告知されたが、その後立ち消えとなり発売はされていない。日本で発表された小島秀夫のインタビュー記事によると、英語のセリフの吹き替えとアニメーションシーンでの画面動作のタイミング合わせに問題があったとしている。
プロローグ
2010年、人類はラグランジュ点|ラグランジュ・ポイント5に、オニール型スペースコロニー「BEYOND COAST」(ビヨンド・コースト)を完成させ、移住を開始した。
そして2013年、宇宙への一般市民の大量移住に対応すべく、世界中から選抜された5人の警察官が宇宙飛行士としての訓練を受け、BEYONDの治安を守るべく配備された。警官(POLICE)であり宇宙飛行士(ASTRONAUTS)である彼らを、人々は「ポリスノーツ」(POLICENAUTS)と呼んだ。
最初のポリスノーツ「オリジナル・コップ」の一人であるジョナサン・イングラムは、任務中に発生した事故のため、宇宙空間を漂流することとなる。コールドスリープ|人工冬眠状態で眠っていた彼が奇跡的に救助されたとき、外界では既に25年の年月が過ぎていた。
時代から取り残され、宇宙恐怖症(コスモフォビア:cosmophobia)となったジョナサンは、オールドロス(ロサンゼルス)のスラムで探偵|私立探偵を営み、日々の食い扶持を稼いでいた。そんな彼の元にある日、BEYONDから一人の依頼人が訪れる。その人物の名はロレイン・北条。かつての自分の妻であった。彼女はジョナサンに『行方不明となった再婚相手を捜索してほしい』という依頼をする。懐かしき邂逅、他人の妻となってしまった目の前の女性に対する複雑な想い、かつての伴侶の願いを聞き届けたいという気持ちと再び宇宙に出る事への躊躇いなどの様々な感情から、ジョナサンは引き受けるかどうかは即断しなかった。然し、また来ると言い去っていったロレインは彼の目の前で彼女の車の爆破によって息絶えてしまう。
事件の背後には何があるのか、ロレインはなぜ死ななければならなかったのか……。真相を探るため、ジョナサンは再びBEYONDへと向かう事を決意した。
主な登場人物
- ジョナサン・イングラム
この物語の主人公。肉体年齢30歳(戸籍上は55歳)・身長178センチ・体重60キロ。OLAで探偵業を営む。元ポリスノーツ・オリジナル・コップの一人。
- 経歴
ロス市警で敏腕刑事として名を上げ、ポリスノーツに推薦される。当時は麻薬捜査官としてエド・ブラウンとコンビを組みロス市警の名物デカとして知られていた。この頃、日系3世のロレインと結婚。ポリスノーツの訓練期間中(2011~2013)に米日露共同プロジェクトで行われた「火星有人探査計画」に参加。4人の宇宙飛行士と共に火星表面に7日間の滞在に成功、「人類初の火星の土を踏んだ男」として宇宙史に残る経歴を持つ。
地球に帰還後、数十カ月にも及ぶ火星行きがもとでロレインと別居。彼女を地球に残して翌2013年、ポリスノーツのオリジナルコップとしてビヨンドに渡る。3カ月後、試作EMPS機「ユーリー」の遊泳実験中バーニヤ故障事故(実際は何者かによってバーニヤに細工されていた)で宇宙に放り出され行方不明となる。
サバイバル・ボール(救命ポッド)でコールド・スリープ状態のまま25年間、太陽系をさまよった彼は2038年、奇跡的に救助される。極度の宇宙恐怖症にかかった彼は宇宙環境不適合者の認定を受け、地球で孤独に暮らすことになる。25年もの歳月は知人、家族、地位、財産、全てを奪っていた。
3年に及ぶリハビリを終えた彼はデカ時代のコネからOLAで交渉人|ネゴシエータ(交渉人)まがいの探偵業をはじめ、細々と暮らしている。
- 性格
直情的で無鉄砲。考えるより体が動くタイプで、そのせいで作中でもトラブルを引き起こす事もしばしば。
ただしそれは熱血漢の裏返しでもあり、仲間を守るために無茶な戦いをする事もある。
一方、かなりの好色でもあり、女性を見ると知人でも友人の娘であってもすぐに口説いたりセクハラ紛いの事も(後述するプレイヤーの行動次第では)する。
しかし本心から愛しているのは今も昔もロレインただ一人であり、相手から本気で言い寄られると戸惑ってしまう純粋さも併せ持っている。
- 嗜好
先折りタバコのモスレムを愛用している。ポリスノーツに入るには喫煙は厳禁で、彼自身もかつては吸っていなかったが、地球に帰還してから吸い始めた。ビヨンドでは喫煙が禁じられているため肩身の狭い思いをしている(その割に常に口には加えており、宇宙服を着てもタバコは手放さない)
愛用銃は反動銃(リコイル)の『ベレッタM92F』。ビヨンドでは殆どが無反動銃(リフトガン)のため、彼の使う銃は珍しく、薬莢も残るため足がつきやすい上、無重力状態では反動で自分の体が大きく後退してしまう等無重力空間特有のデメリットもある。
因みに、彼をモチーフとしたキャラクターが、『メタルギアソリッド4』にゲスト出演している。
モデルは映画『リーサルウェポン』シリーズの主人公マーティン・リッグス(メル・ギブソン)。
- エド・ブラウン
声 - 飯塚昭三
BCP(ビヨンド警察)風紀課主任。年齢55歳・身長183センチ・体重90キロ。元ポリスノーツのオリジナルコップの一人。2人の子持ち。
宇宙飛行士(シャトル計画パイロット)の息子としてLAに生まれる。ロス市警の爆発物処理班で一年間爆発物解体専門に作業、パートナーの事故をきっかけに麻薬課へ転属。当時麻薬捜査官であったジョナサンとコンビを組み、活躍。黄金コンビとしてロス市警から様々な表彰を受ける。その才能と家系や資質(ライト・スタッフ)を認められ、ジョナサンと共にポリスノーツに推薦され、2013年、ポリスノーツとしてビヨンドへ渡る。
ジョナサンの事故後、ゲイツやトクガワらと共にBCPの確立に力を注ぐが、才能が振るわず、次第に窓際に追いやられる。2023年、婦人警官のキャサリンと結婚、翌年、娘のアナが生まれる。ゲイツはAP(アドバンスド・ポリス)を設置、BCPの長になっていく一方で、エドの署内での立場は年々悪化していく。それと平行してエドの仕事への執着も薄れ、事務的なものになっていく。宇宙線の影響により腎臓を患ったキャサリンが4年もの移植ドナーの順番待ちの末、2036年に腎不全と合併症により死亡。宇宙開発に伴う臓器異常が多発し始めた時期で、臓器バンクの臓器が不足していた頃であった。愛妻を亡くしたエドは支えを失い、刑事として廃人同様となる。
翌年、NARC中毒者が幻覚症状で妻子を殺害しようとした為に中毒者を射殺するという事件に直面する。中毒者は政府のAPあがりのフローズナー、妻は病院に運ばれたが出血多量で死亡。残された3歳の少年マークは一命を取り留めたが、目前で起きた事件のショックにより言葉を発することができなくなる。自責の念に苛まれたエドは引き取り手のないマークを養子に迎える。この事件以来エドは銃を撃つことが出来なくなり、デスクワークを希望。マークへの献身の日々を送るが、マークの理解は得られず親子の関係はぎくしゃくしている。APがBCPの実権を握る一方でエドはBCPの苦情処理的な部署である風紀課に追いやられる。JUNK屋と言われる風紀課はBCP内でのごみ捨て場に例えられ、様々な問題デカが送り込まれる。エドはこの風紀課の主任を任されているが、3年先に迫った定年までの間その日その日を事務的にこなしている。
因みに、彼をモチーフとしたキャラクターが『メタルギアソリッド4』にゲスト出演している。また、ワケアリで引退した元爆弾処理のエキスパートの指導で爆弾処理をこなす、というストーリーは、『メタルギアソリッド2』にも登場する。いずれのキャラクターもエドと同じ飯塚昭三が声を当てている。
モデルは映画『リーサルウェポン』シリーズのロジャー・マータフ(ダニー・グローヴァー)と『ダイ・ハード』に登場するアル・パウエル巡査(レジナルド・ヴェルジョンソン)。
- カレン・北条
声 - 井上喜久子
BBCの人気ニュースキャスター。年齢26歳・身長168センチ。未婚。北条ケンゾウとロレインの娘。
ビヨンドでの宇宙線の大量被曝により、後天性の二次性再生不良性貧血(SECONDARY APLASTIC ANEMIA)にかかっている。幼少期より両親の喧嘩の種となっていたジョナサン・イングラムを恨んでいる。
「メタルギアソリッド2・バンドデジネ」にてニュースレポーター役でカメオ出演している。
- ジョゼフ・サダオキ・トクガワ
声 - 家弓家正
トクガワグループ総裁、ISPA(宇宙推進開発事業団)理事長。年齢60歳・身長190センチ・体重95キロ。元ポリスノーツ、オリジナルコップの一人。日系2世であり、日系人しか信用しないレイシスト。贅肉に支配された身体、禿かかった頭、二重顎。常に高価なスーツを着用。教祖を思わせるマントを羽織っている。
トクガワの二代目、徳川忠興の長男として生まれる。東京の大学で経済、経営、犯罪学を学び、警察学校を首席で卒業、東京警視庁へ入庁。背後でトクガワ・グループを動かし、30代で警視正という警視庁始まって以来異例のスピード出世を果たす。32歳の時、トクガワのコネでポリスノーツに参加。ビヨンドに暮らす。トクガワ二代目の引退を機に警察を退職、42歳でトクガワ・グループの三代目として就任。人種に偏見を持っており、欧米人を軽視している。グループの重要ポストには日本人か日系人を選んでいる。結婚歴はなく、トクガワ本社ビル(プロップ)に遺伝子操作によるコピー人間「リバーサー」(映画女優や歴代のカバー・ガールのコピー人間)達のハーレムを持っている。愛人多数。政界、財界、マスコミなど広域に渡り顔が効く。
- トニー・レッドウッド
声 - 塩沢兼人
BCPのAP(ADVANCED POLICE)隊員。年齢23歳・身長183センチ・体重70キロ。APのEMPS乗りの中では一番のエース・パイロット。EMPS(ゴダード型)を自分の手足のように扱い「Mr.ゴダード」と呼ばれている。AP隊の中では、爆弾処理の専門家。人工血液のため顔色が悪い(白い)。額に「FROZENER」の製造番号(孵化番号)の入れ墨がある。眼光は鋭く、能面のような中性的な印象を受ける顔立ちは、は虫類を連想させる。眼に人工水晶体を入れており網膜が乾燥しないため、瞬きをしない。長髪。APのプロテクト・ギアを身につけているが、ヘルメットは常にかぶらない。
政府の買い受けた人工受精卵から孵化した「FROZENER」であるために両親は不明。精子、卵子の提供者は政府機密となっており、本人にも知らされない。今ではAPや軍の隊員のほとんどがこの「FROZENER」となっている。受精卵の孵化後、「代理母(ホストマザー)」によって分娩され、政府によって教育された。
- ビクトル・ユルゲンス
声 - 宮内幸平
BCP(ビヨンド警察)の鑑識官。年齢65歳・身長164センチ・体重57キロ。旧ソ連出身の法医学者。痩せ型の初老。老眼鏡をかけている。無造作な白髪頭。背骨が曲がってきている。頑固そうな口ひげ。死者への敬意から腕に黒い「喪章」をしている。
旧ソ連出身。ペレストロイカの中、アメリカへ渡り法医学を学ぶ。その後、医学博士号を取り、アメリカで監察医となる。様々な異常死体の検死、解剖を行い、また数々の有名な事件、事故を担当、警察の検死に医学的協力と助言を行ってきた。宇宙での異常死体に興味があり、BCPが機能し始めたころには40を超えていたがビヨンドへ移住する。専門は検死であるがBCPでは助手である「AID(自動分析鑑識装置)」を使って一切の分析、鑑定を行う。彼はこのAIDをゴルビーと呼んでいる。
エドからは良く名前を間違えられる(ドクトル先生、など)。
- アナ・ブラウン
声 - 冬馬由美
年齢16歳・身長165センチ。エド・ブラウンの娘。
UCBC(カリフォルニア大学ビヨンド・コースト校)に通い、「生命倫理学(バイオエシックス)」を専攻する。学校では「無重力新体操」クラブに入っており、ビヨンド大会では二年連続優勝を果たしている。宇宙飛行士記念博物館でコンパニオンのアルバイト経験があり、「宇宙開発史」の勉強も行っている。エド家では母(キャサリン)の死亡後、家事やマークの世話などをも引き受ける。自閉症気味のマークもアナにはなついている。料理は日本料理とカルシウム料理に凝っているが味の方は信用できない。家事が忙しいことや父親が警察官であることなどからボーイフレンドがおらず現在募集中である。
- マーク・ブラウン
声 - 萩森侚子
年齢8歳・身長120センチ・体重30キロ。エド・ブラウンの養子、アナの義弟。ビヨンド生まれのビヨンド育ち。3歳の時に後述するある事件に巻き込まれ、その心理的ショックから緘黙症にかかっており、言葉を話せない。家に閉じこもりがちで、20世紀の映画鑑賞と絵が趣味で、その影響かタバコをくわえていたジョナサンにはすぐに気を許した(マークにとってタバコは『映画』の中にしか存在しないため)。内向的で極度の人見知り。目つきが鋭く、繊細な印象。養父のエドとは対照的に清楚な顔立ち。服装はシャツに半ズボンと快活な印象だが実際は内向的。
FROZENERの裕福な家庭に生まれるが、マーク誕生後に実父がAPを除隊した為、政府の援助対象外となり、生活は急転、不安定なものとなる。貧困の中で、一般生活になじめない実父は次第に堕落していきNARC麻薬に溺れていく。愛情のない家庭の中でマークは育つ。極度のNARC中毒者となった実父が狂乱状態となり、妻(マークの実母)を殺害、マークをも殺害しようとしたところをBCPの警官、エド・ブラウンに射殺される。当時3歳であったマークには目前で起きた事件はあまりにも衝撃的であり、その時のショックで緘黙症にかかり言葉が話せなくなってしまう。
ブラウン家に来てからのマークは事件の後遺症からかエドにはなつかず、代わりにアナを母親代わりに慕っている。マークは事件以来、暴力を極端に嫌い、「警官」、「銃」、「麻薬」を心から憎んでいる。マークは言葉の代わりに、いつもグラフィック・コンピューター「ピクノ8」を持ち歩いており、絵を描くことで自己表現をなんとか行っている。
- ゲイツ・ベッカー
声 - 阪脩
年齢56歳・身長188センチ・体重85キロ。BCP(ビヨンド警察)本部長、AP(ADVANCED POLICE)部隊隊長。元ポリスノーツ、オリジナルコップの一人。
イギリスの片田舎出身、スコットランドヤードで頭角を現し、28歳でポリスノーツに参加。ポリスノーツの中では、最もマスコミの評判を得た男。人格的にもルックス的にも、ポリスノーツにふさわしいイメージであったためにスポークスマン的な役割も果たした。ポリスノーツ任期終了後、2020年にBCPの創設を行い、トクガワ重工の協力によりEMPSの性能を警察機構に取り入れたAP隊を初めて組織、宇宙(コロニー)での新しい警察組織の方向性を示した。ビヨンドでは最大の警察権力を持つ。独身で離婚経歴あり。
- クリス・ゴドウィン
声 - 川島千代子
年齢41歳・身長165センチ。未婚。BCCH(ビヨンド中央病院)の女理事長。元トップモデル、医学博士号を持つ。
20世紀末の1999年、シカゴの裕福な家庭(両親が医者)に生まれる。ビヨンド完成時の2013年、両親と共にビヨンドへ移住。両親はビヨンドに開業し、ビヨンズのSAS(宇宙病)などの治療にあたり今のBCCHの基礎を築く。移住開始の年、14歳だったクリスは「第一回 BEYONDS マスコットガール」に選ばれる。そのころ雑誌の対談や表紙の撮影などで何度かポリスノーツの面々と会ったことがある。その後、UCBC(カリフォルニア大学ビヨンド校)で臓器移植全般について学ぶ。両親の死後、BCCHの理事長に就任。
現在では「宇宙臓器配分ネットワーク」や「臓器調達機関(BOPA)」の顧問を務め、「精神療法看護婦(サイキアトリック・ナース)」として臓器配分コーディネーターとドナー、レシピエントの間に立つ。幾多の恋愛経験を持つが結婚には至っていない。
常にラベンダーの香りの香水をつけているが、後述のビヨンドでの環境問題のために香水をつける住民はあまりいないので、ジョナサン同様肩身が狭い。
物語のクライマックスでジョナサンに説得されるが、レッドウッドに射殺される。
- メリル・シルバーバーグ
声 - 寺瀬めぐみ
BCP(ビヨンド警察)風紀課刑事。年齢24歳・身長185センチ。未婚。エドの部下、デイブの相棒。コロニーでは珍しい大柄な女性。いつもコンバット・ナイフを脚にさしている。身体は鍛え上げられている。腕には特殊部隊「FOXHOUND」の入れ墨がされている(ただしペイントタトゥー)。ボリュームのあるカーリー・ヘアで、頭にはバンダナを巻いている。体内から摘出した弾丸をイヤリングの代わりにぶら下げている。常に化粧とは無縁。コンバット・ブーツ、ロード・バイク用革つなぎ。ショルダー・ホルスターに大型ハンド・リフト・ガンを所持している。
軍人一家の娘として生まれ、本人も学校を卒業と同時に軍隊へ入隊する。各地の地域紛争に参加し、その時の才能を認められハイテク特殊部隊「FOX HOUND」へ入隊。FOX HOUND部隊最後のミッション、ザンジバーランド陥落に参加後、特訓センターで教官として働く。演習に飽きたらず刺激を求めてビヨンドへ渡り、BCPへ。正義感が強く、粗雑で男勝り。パートナーのデイブとは対照的。バイクと戦うことが趣味。
なお、「メタルギアシリーズ」に登場する同名のキャラクターとは一部経歴が重複しているが、別人。
- サルバトーレ・トスカニーニ
声 - 佐藤正治
トクガワ月面工場保安責任主任。年齢58歳・身長175センチ・体重80キロ。元ポリスノーツ、オリジナルコップの一人。丸型で頭部は禿げ上がっている。月面工場ではトクガワの宇宙服を着ている。
スペインの貧しい家庭に生まれる。14歳で単身アメリカへ渡りニューヨーク市警へ。幾つもの分署を転々とし、30歳でポリスノーツのチャンスを掴む。2013年、ポリスノーツとしてビヨンドへ渡る。ポリスノーツ解散後、BCP(ビヨンド警察)でゲイツの指揮下に入るが振るわず、早期停年し年金生活を送る。結婚歴二回、いずれも妻側からの離婚要求による裁判離婚。別れた二組の妻子への養育費から多額の借金を作り、身動きがとれなくなったところをトクガワに拾われる。トクガワの世話で当時完成したばかりのトクガワ月面工場の保安責任者として月に渡る。
- デイブ・フォレスト
声 - 島田敏
BCP(ビヨンド警察)風紀課刑事。年齢25歳・身長168センチ・体重58キロ。エドの部下、メリルの相棒。
ビヨンド第一移民の子として生まれる。両親はコロニーの技師。子供の頃から地球(ホーム)に住むことを夢見ている。地球へ帰ろう運動の支持者。警官になった動機も「警官であればいつか地球で勤務できる可能性があるから」という単純なものである。地球移住権の申請中でその審査結果待ちの間、審査に有利なBCPに勤務している。ただし、宇宙生まれのビヨンズに地球移住の許可は出にくく、結果が出るまで何年もかかるのが現状である。デイブは地球生まれのメリルから地球のことを詳しく聞き、移住の許可が下りる日を心待ちにしている。緑や動物を愛し、怒ったところを誰も見たことがないというほど温厚。友好的で争いを嫌い、事件捜査で犯人を逮捕する際も急所は狙わず、手や足などを撃ち行動を制限させて捕まえる。パートナーのメリルとは正反対のタイプだが芯は強く、行動派。食べ物への執着が強く、中でもジャンク・フード(ハンバーガー)の「1Gパック」が好物。地球へ渡ったら本物の「炭酸ジュース」を飲んでみたいと思っている。
- ロレイン・北条
声 - 川島千代子
元ジョナサンの妻。現在は北条ケンゾウの妻。年齢55歳・身長170センチ。カレンの母親、日系3世。上品な顔立ち。50代ではあるがあまり老けていない。服装は地味で、アクセサリー類も控えめだが高級ブランドを身につけている。
UCLAに在学中、小さな強盗事件で当時ロス市警の警官であったジョナサンと知り合い、恋愛の末に結婚。結婚と同時に大学を中退、専業主婦となるがジョナサンの仕事中心の生活に不安と不満を抱き、ノイローゼに陥る。ジョナサンのポリスノーツ候補の話にも非協力的であった。当時、彼女は自分からジョナサンを遠ざける存在であった「宇宙」や「警察」を極端なまでに嫌っていた。結局、ジョナサンのポリスノーツ訓練を承諾はするが、それも任務の理解から来るものではなかった。2010年、二人は訓練の為、ヒューストンへ移り、幸福な1年間を過ごす。2011年、ジョナサンの突然の火星有人探査計画により、彼女は再びロスで一人で過ごすことになる。その間、情緒不安定になり精神カウンセラーに通うが二度の自殺未遂をおかすまでに追い込まれる。将来に不安を感じた彼女はジョナサン帰還後に離婚を決意、2013年ジョナサンがポリスノーツに就任しビヨンドへ渡るが、彼女は一人地球に残り別居状態になる。
2013年、EMPSの事故を知った彼女はビヨンドへ向かう。ジョナサンの死亡を聞かされた彼女はジョナサンの残像が残るビヨンドに移住する。半年後、「BEYOND日本人祭」で知り合ったトクガワ製薬に勤める日系二世北条ケンゾウと再婚。
- ケンゾウ・北条
トクガワ製薬技術研究所DDS開発チーム主任。年齢53歳・身長173センチ・体重63キロ。ロレインの現夫。地球生まれの日系2世。日本の大学を卒業後、トクガワ製薬日本本社に入社する。ジョゼフ・S・トクガワ会長に認められた彼は、ビヨンド完成後の2013年、トクガワ製薬ビヨンド支社、DDS(ドラッグ・デリバリー・システム)開発室に転勤。開発室の室長とプロパーを担当する。DDS開発を専門に行う研究所ができてからは、開発チーフと研究所所長を兼ねる。トクガワ・グループが主催する「BEYOND日本人祭」でロレインと知り合い結婚。
- ジュン・石田
声 - 龍田直樹
BCCH(ビヨンド中央病院)の薬局に出向しているトクガワ社員。トクガワ製薬から送られてくる新薬をBCCH内で使用するための仲介役をしている。ビヨンド生まれのビヨンド育ち。陰気な性格で、いつも暗い雰囲気をまとっている。
- マイケル・サイトウ
声 - 林延年
トクガワ製薬のガードマン。もとはトクガワ製薬の研究員だったが、体格を買われて今の職に移った。
- ボブ
声 - 林延年
BCP(ビヨンド警察)の内勤刑事。署内の受付を担当している。嫌味な性格で、エド達風紀課の刑事を馬鹿にしている。
- コリンズ
声 - 岸野幸正
BCCH(ビヨンド中央病院)に勤める医師。カレンの主治医。
- 謎のバイクスーツ
冒頭から事件の実行犯の一人として登場するバイクスーツにフェイスマスクを被った人物。ロサンゼルスでのジョナサンとの戦闘から彼に対し激しい憎悪を持っており、何度も彼の前に現れ命を狙う。
負傷時の血の流れから凍結者であり、かつ重傷に近い怪我を負いながらも逃走を続ける様子から、重度のNARC中毒者である事が伺える。