概要
「ダイモス」または「D」と呼ばれる怪獣と戦う為に作られた巨大ロボット。
頭で考えて操縦できるようになっており、機兵からの情報は搭乗者自身の声という形で直接脳に送られるようになっている。機兵の前身である「98式二輪車両」は遠距離砲撃のみで怪獣に接近されると手も足も出なかった事から、井田鉄也の提唱でいずれの機体も近距離攻撃に対応できるようになっている。搭乗自体が脳に負担がかかるため、稼働限界を迎えるとその都度休息が必要。
機兵に乗れるのは適合者と呼ばれる少年少女たちであり、機兵操縦のナノマシン投与と搭乗者登録が必要。搭乗者の身体のどこかに「起動マーカー」があり、それをスライドする事でSTARTと文字が浮かんで登録されている機兵が起動できる。
機兵に乗れば各時代に転移する事もでき、ゲートを使わないで各時代に転移できる唯一の手段でもある。別の時代にあっても起動すれば機兵は搭乗者の元に転移してくるが、逆に同じ時代にあると搭乗者が機兵のところに行かなければ搭乗できない。
またコクピット内では適合者は全裸で操縦する。
第一世代機兵
最初に生産された近接戦闘特化の機兵。機兵の中では最も古い型。
左腕には巨大な削岩機が装備されており、攻撃のリーチはどれも短いが、機動力が高く怪獣の懐に潜り込めば大ダメージを叩き出せる。対空攻撃手段が皆無だが、E.M.P装備が標準搭載されているため、これで飛行怪獣を地面に落とすことで対処可能。リミッター解除という機能があり、防御力を犠牲に攻撃力を大幅に強化できる。
第二世代機兵
近接、遠距離攻撃に加えて支援の性能を持つ万能型の機兵。
兵装が多い分装甲が厚く重さが2200トンもあるため、機動力がやや低いのが難点。肩部有するロケット砲で遠距離攻撃を行い、近接戦闘では第一世代並みに強力なプラズマアーク溶断機を持つが、消費が甚大な上に単体攻撃しかできない。自動で怪獣を攻撃する固定砲台を召喚することもできる。
第三世代機兵
砲撃戦を得意とする遠距離型の機兵。
大きくせり出した胸部の主砲が特徴。レールガンや連射砲、多くのミサイル兵装で遠くの怪獣を狙い撃ちできる。また、ミサイルレインなどの範囲攻撃や、E.M.P.スタナーによる支援など、さまざまな兵装を使いこなせる。反面、近接戦闘用の武装が少ないので懐に潜り込まれると窮地に立たされる。
第四世代機兵
ふたつの巨大なティルトローターにより、飛行が可能となった最新型の機兵。
怪獣に用いられている技術を解析して設計し、フィードバックさせたレーザーによる射撃や小型の攻撃用ドローンの射出など、他の機兵にはない最新鋭の兵装が特徴。ほかの機兵のサポートを目的として造られたため、支援行動を得意とする。またマルチロックミサイルやレッグスパイクなど怪獣を攻撃しつつ弱体化することが可能な兵装を持つ。マルチロックミサイルは分散タイプ且つ自動追尾型のミサイルで使い勝手が良い。
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ネタバレ
この先は『十三機兵防衛圏』の重大なネタバレを含みます。閲覧にはご注意・自己責任で!
設計者は主に沖野司であり、森村千尋たちがD(ダイモス)を生み出す制御鍵のシステムを流用し、ダイモスの製造に割り込む形でセクター1こと2104年の自動工場に発注をかけている。そのため機兵は宿敵であるダイモスと兄弟であるとも言える。当初は自律制御の遠隔操作型だったが、効率が悪く製造方法からD(ダイモス)の影響を受けやすくなるため、10番機兵からは搭乗型になった。
2104年の侵攻では間に合わず、2064年のダイモスの初期の侵攻ではじめて登用。後に侵攻が本格化した2064年での戦闘中に「DD426」と呼ばれるコードに全機兵が汚染されて機能を停止してしまう。戦線は崩壊してしまい、森村は搭乗者たちの生命を優先させて全機兵をランダム転送させた為、機兵も搭乗者たちも離散してしまった。
「DD426」に汚染された機兵は乗るだけで脳に記憶障害などの深刻なダメージが及ぶようになり、まともに乗れなくなってしまい解除コードもわからず、計画の主導者だった森村は機兵計画を諦めていた。
しかし姿を隠して1944年に潜伏していた沖野が、三浦慶太郎を使って「DD426」の影響を受けないで機兵を動かすコードを作り上げた。最も2064年の戦場での出来事から「DD426」をばら撒いた裏切り者がいる事を確信し、森村を含めかつての仲間たちを誰一人信用できなかった為、誰にも伝えず適合者たちが三浦に接触するだけでコードが拡散されるように仕組んだ。
一方で別の人物は起動マーカーがない適合者たちにマーカーを付与させるのと共に、ダイモスが強化されるというデメリットがあるが、機兵の全機能と強化機能を解放するためのコードを適合者たちに拡散させていた。後に沖野が三浦に仕組んだコードを発見し、それもコピーして一緒に適合者たちに拡散させていった。
その甲斐があって、最後の防衛戦では汚染された機兵にも問題なく乗れるようになった。
- 第一世代機兵
【搭乗者】10番機兵:緒方稔二、11番機兵:関ヶ原瑛、12番機兵:比治山隆俊
第一世代は井田鉄也が設計・生産し、沖野が追加装備を担当した。
1〜12番機まで存在し、1〜9番機までは自律制御の遠隔操作型であり、10番機以降は搭乗型に改造された。そのため他の機兵より搭乗者とのリンクが悪い。
最終戦では10、11、12番機が登場。10、11番機は元は郷登蓮也が遠隔操作していたものだが、2064年(セクター2)での戦いの後に戦線離脱のため放置された後、とある人物により10番機を緒方稔二、11番機を関ヶ原瑛に搭乗登録された。12番機は元は沖野の機兵で1944年(セクター5)に隠しており、最終戦で比治山隆俊に譲渡した。
- 第ニ世代機兵
【搭乗者】13番機兵:鞍部十郎、14番機兵:東雲諒子、15番機兵:冬坂五百里
13、14、15番機の3つが存在する。この機兵以降最初から搭乗型として製造された。2064年(セクター2)での戦いの後、13番機は2024年(セクター3)に転移し、1年後のセクター3でのダイモス侵攻の際にも一機で前線に立ち、現在は倒れた状態で放置されている。14番機は1984年(セクター4)に転移し、現在は敷島の兵器格納庫に保管されている。15番機は崩壊した2104年(セクター1)に転移した。
最終戦では13番機14番機はそれぞれ元の搭乗者である鞍部十郎と東雲諒子が搭乗。15番機は元々関ヶ原の機兵だったが、冬坂五百里に譲渡され、関ヶ原は第一世代の11番機に搭乗する。
- 第三世代機兵
【搭乗者】16番機兵:如月兎美、17番機兵:南奈津乃、19番機兵:三浦慶太郎
16〜19番機まで存在し、沖野が設計・開発し自動工場に発注した。森村たちが新型と呼んでいるのはこの機兵。
2064年(セクター2)での戦いでは全機が機兵のAI制御によって稼働していた。そのうち18番機はAIは森村たちと合流したが機兵は転移後の行方は不明。16、17番機はAIも機兵も森村たちから姿を眩ませた。後に16番機と17番機のAIはそれぞれ16番機兵を如月兎美に、17番機兵を南奈津乃に譲渡した。
19番機のAIは沖野の12番機と共に1944年(セクター5)に転移した後に消滅。現在は日本軍の工廠に保管されており、沖野によって三浦慶太郎に搭乗者を変更された。裏設定によると沖野が19番機の搭乗者を比治山ではなく三浦にしたのは、消滅寸前の19番機AIの遺言を汲んだ事が理由。本編中で三浦は機兵と共に1985年(セクター4)に来てから最終戦まで19番機兵を動かせなくなっていたが、これは事情を知らない三浦が最終戦まで無茶な特攻をしないよう17番機のAIがロックをかけた為。
- 第四世代機兵
【搭乗者】20番機兵:網口愁、21番機兵:鷹宮由貴、22番機兵:郷登蓮也、23番機兵:薬師寺恵
20〜23番機まで存在。森村たちが関与していないところで作られた機兵。
沖野が最後に設計した機兵だが、森村たちは採用せず生産しなかった。しかし設計図を手に入れたとある人物が制御鍵を使い、最終戦に向けて自動工場に発注した。そのため他の機兵と違って「DD426」に汚染されておらず、全機が最終戦が初陣となる。
とある人物が適合者たちにコードを付与した際に、元々機兵登録がなかった適合者の内4名に搭乗登録をしている。20番機に網口愁、21番機に鷹宮由貴、22番機に郷登蓮也、23番機に薬師寺恵が搭乗する。
なお、鷹宮や郷登よりコード付与が遅かった網口が2人よりも番号が早い20番機だったのは、汚染回避コードがなかった時に第四世代機兵の発注者が自らの協力者に「網口には汚染されていない機兵にして欲しい」と言われており、事前に20番機兵を網口用として用意していた為。