学生証
がくせいしょう
誤った用法
それ以上でもそれ以下でもないはずの学生証であるが、時に特別な意味や価値を持つ事がある。
まず、2ちゃんねる(当時)で「良い学生証と悪い学生証がある」という話が盛り上がった。
これは単純に頭が良いか悪いかではなく、「ナンパに使えるか否か」といった総合的なイメージの良し悪しで語られた。
よく引き合いに出されたのが慶應義塾大学と東京工業大学で、偏差値などの一般的な指標では同程度とされるものの、ネットでは前者の方が圧倒的に「良い」とされた。
後者は「そもそも知名度が低い」ともネタにされがちであり、「同性すら知らないので身分証明にもならない」といった自虐もよく語られた。
次に「リベンジポルノの材料として使える」という話が盛り上がった。
身分証明書なので拡散すれば人生を破壊できる、高校生以下であれば即時退学に持って行ける可能性もある、実行せずともそれを仄めかすだけで優位に立てるとして、「とりあえず裸と一緒に撮っとけ」と唆す者も多く見られた。
いわゆるメシウマ根性で、他人の人生が破壊される瞬間を見たいがために「リベンジ」する理由を探すという本末転倒に至った者もまた多かった。
あるいは単純に「それだけ若い相手を落とした」という武勇伝として記録するという者もいた。
更に時代が下ると、一転して「自ら晒して権威付けに使う」という者も出てきた。
SNSの発達でネット=匿名の構図が崩れてきた事もあり、リアルでの優劣とネットでの優劣がリンクするという風潮が強まったため、レスバトルなどを優位に進められると考えられたためである。
これも単純に偏差値などと比例したわけではなく、あえて「底辺校」とされる学校を持ち出す事で「ワル」や「ヤンチャ」であるとアピールするという、一種の威嚇のような用法も見られた。
互いに身分証明書を持ち出して勝敗を争う様はカードバトルにも例えられた。
とは言え、上記のような環境でそのような真似をすればどうなるかは言うまでもなく、目先の勝負には勝っても結局人生を棒に振る結果になったという例も珍しくない。
いずれもネットが普及する以前から行っていた人間がいないわけではないが、ネット特有のノリや空気感が助長した側面は否めない。
適切な使用がなされる事を切に願うばかりである。
pixivでは2010年代半ばから2番目の用法が急増している。その性質上、多くが男性向けのR-18作品となっている。
時折3番目との折衷で、女性側が自ら晒しているという場合もある。実のところ、2ちゃんねる全盛期からエロ自撮りで注目を集めようとするユーザーも一定数おり、これも現実に無いとは言い切れないのが恐ろしいところである。