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兎児神の編集履歴

2023-10-06 00:09:45 バージョン

兎児神

とぅーあるしぇん

兎児神(Tu'er Shen)とは志怪小説『子不語』に登場する神。

概要

袁枚が書いた清代の志怪小説『子不語』巻九「兔兒神」に登場する神。


福建に年若くして科挙に合格し役人となった男がいた。彼は役人や民の様子を見て回る「巡按」の任についていた。

そして美貌の持ち主でもあり、胡天保という男はその美しさに心奪われた。彼の行くところについて来ては見つめてくるのだが巡按はその意図をはかりかねていた。

訝しむ彼であったが、部下の役人達はあえて何も言わなかった。巡按が他の町を巡回した時、胡もついていった。

ある日、巡按が厠(トイレ)に入ると、そこで胡天保が隠れ、巡按の尻を覗いていた。

巡按が問いただすも沈黙したが、更に追求を受け、その想いの丈を告白した。巡按は激怒し、枯木の下で彼の命を奪った。


一ヶ月を過ぎた頃、里の住人の夢に胡天保が現われた。彼は貴人に対し邪な動機で覗きを行った以上死は当然であるが、これは一片の愛心、一時の愚かな想いによるもので、通常の人を害する者とは違うと語った。

冥官(冥府の官吏)から笑われ、揶揄されたが、怒る者はいなかったという。その後、陰官(陰府の官吏)が胡天保を「兎児神」という封号を持つ神に任じたと言う。

そして、兎児神は男性と男性の関係を司る神であると説明し、廟を建立し、香を焚くようにと里人に伝えた。

閩(福建を中心にかつてあった国、その地域)には俗に男子が契弟(義弟)を娶る習慣がある。里人が資金を募って廟を立てて祀ったところ響くほどの霊験が現われた。秘密の出会い、求めるものを得られない者たちもここで祈願した。


図像表現

ウサギの耳を持ち、しばしば虎に乗る姿でも描写されるが、これは中国伝統玩具である兎児爺という泥人形に似ている。


清朝は風紀に反するとして兎児神信仰を弾圧した。清の役人である朱珪(Zhu Gui、1731-1807)の報告では年の離れた、抱き合う二人の男性、という表象が言及されている。


信仰

台湾の首都台北に兎児神を祀る道教寺院「威明堂」がある。


関連動画


関連タグ

月下老人:男女版の縁結びの神


外部リンク

『子不語』巻九「兔兒神」(中国語版ウィキソース)

兎児神に関する記述・記録まとめ(威明堂フェイスブックページ)

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