概要
後宮で強い権力を持つ宦官のひとり。絶世の美男子と評される顔立ちと道行く人を男女問わず魅了する蠱惑的な振る舞いで、もし女に生まれたら傾国の美女となったであろうとされる人物。
その一方で国の重要人物とのつながりも深い謎めいた人物である。
ひょんなことから猫猫の優秀さに目を付け、玉葉妃の侍女に推挙してからは、後宮にまつわる事件関連で何かと彼女を頼るようになる。
猫猫からは嫌われてはいないものの邪険に扱われており、そういった体験が新鮮だったためか猫猫に対して強い執着心を見せており、彼女のためならば危険もを問わない一面も見せるようになる。
元々自然に振る舞うだけでチヤホヤされていた身分の反動からか、猫猫に邪険にされるのがちょっと気持ちよくなっている節もあり、従者の高順からは難色を示されている。
猫猫に依頼する際にあらかた事件の全貌を把握しているようなそぶりを見せるなど、宦官としては極めて優秀だが、軽薄そうに見えて根は真面目ゆえに厄介ごとをしょい込むこともしばしば。
もろもろの事情で軍部の高官である羅漢からは良い感情を持たれていない。
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以下ネタバレ
その正体は皇帝の弟。本名は華 瑞月(カ・ズイゲツ)。
本名を呼ぶことを許されない身分の人間からは「月の君」「夜の君」と呼ばれている。
だが華 瑞月としては平時は病弱ということで政などの表舞台に立たず、やむなく公の場に出る際は素顔を隠しているため、壬氏と同一人物であることを知る者はごく僅か。
そういった経緯から正しい意味での宦官ではなく、薬で性欲を抑制した上で職務にあたっている。
公称では数え23歳としているが、実年齢は数え18歳である(いずれも物語の開始時点で)。
素性を隠して宦官として後宮入りした目的は、自身の役職と容姿を利用して、皇帝に逆心を抱く者たちを炙り出す為。
なお自身も皇位継承者候補だが、本心では皇帝の座に就く事を望んでおらず、後宮の治安を安定させる事で跡継ぎとなる皇子を一刻も早く育て上げ、候補から外れたいという個人的な狙いもある。
兄である皇帝とは大きく年齢が離れており、その出自には大きな疑問が残されているが、彼が後宮のとある人物と面影が似ている事から、猫猫はその人物との関係を仄めかす推測を立てている。