もちもち生き物×ガチガチ世界観
『生体プリンターから出力された生き物と暮らし始めました』
概要
作品概要
2019年1月10日から出版社『イースト・プレス』が運営するWebメディア『マトグロッソ』にて連載中のショート漫画。著者は迷子。既刊3巻。『次にくる漫画大賞2020』Web漫画部門では13位にランクインしている。
可愛らしい謎生物との日常が描かれるが、描写の端々から少しどころではなく不思議な世界観が滲み出ており、SF作品としての側面も強い。
あらすじ
いつかどこかの未来。ある日、佐藤の目の前に生体プリンターから出力されたのは、もっちりとした不思議な生き物。『プリンタニア・ニッポン』として新種登録された「それ」は佐藤と暮らすことに。SF(すこしふしぎ)な日常譚。
プロトタイプ
2018年7月10日にTwitterに投稿された未来のガジェットをテーマにした1ページマンガが大きな反響を呼び、それを元に連載化が決まったとマグミクスのインタビュー記事にて明かされている。
略称
作中に登場する新種生物の学名『プリンタニア・ニッポン』がそのままタイトルとなっており、作品・作中の新種生物ともに単に『プリンタニア』と表記されることも多い。
主な登場キャラクター
地形設計士の青年。すあま・そらまめの飼育者。ローテンション気味だが、最近事故に巻き込まれがちでそうも言ってられない。
- すあま
佐藤の飼育するプリンタニア。柴犬を作ろうと佐藤が操作した生体プリンタから出力された個体。膝乗りサイズの大きさで、白い。のんびりな性格で佐藤が大好き。
- そらまめ
佐藤の飼育するプリンタニア。プリンタのエラーによりすあまの出力後に再出力された個体。手のひらサイズの大きさで、薄緑色。元気で食欲旺盛。
- nn266e38(生活改善コンサルタント)
佐藤を担当するコンサル。「人類のより良い生活と種族進化促進・改善のため」に配備されているAIのような存在。ゆったりとした雰囲気を持つが、融通が利かないところがある。
佐藤の友人であるジャンク屋の青年。プリンタニアの移動補助具となるホバーボードやコンサルの物理ボディなど、さまざまなガジェットを作成している。楽しいことが大好きでやや落ち着きがない。すあまに構いたいが、すあまからは毎度抵抗されている。
佐藤の住む棟に越してきた青年。もとは汚染領域を含む壁外の開拓業務に従事していたが、残兵から同僚を庇い左腕を失って特進となった。運動施設にて佐藤とすあまに出会い友人となる。ニューチノー社工場跡地にて遠野にスカウトされ、現在は獣医師を目指している。無理をして自滅しがち。
- 遠野70
評議会からの指名によりニューチノー社工場跡地に配属された獣医。プリンタニアの健康管理や治療に携わる。すあま・そらまめのかかりつけ医的存在。
- 向井62
壁外の開拓・採掘を担う採掘人。もなか・メレンゲの飼育者。銃器の扱いや残兵との戦闘に慣れており、佐藤たちの壁外作業の護衛および跡地の警備を担当した。無口で話下手。
- もなか
向井の飼育するプリンタニア。ラクダを作ろうと向井が操作した生体プリンタから出力された個体。大きな体で、全身がラクダ色の毛に覆われている。
- メレンゲ
向井の飼育するクロヒョウ。もなかもより随分前に作られた。残兵を壊すのが得意。
- 高城11
プリンタニア・ニッポンが出力される生体プリンタを作ったニューチノー社元CEO。現在はプリンタニアによる汚染領域浄化計画「プリンタニア・プラン」の統括責任者。プリンタニアへの愛情が強く、ことあるごとにプリンタニアの可愛らしさを世に広めようとする。
用語
- プリンタニア・ニッポン
ニューチノー社製の生体プリンターから出力されたほぼ素体の生物。人工の新種として登録された。大体つるつるでもちもちでまるまるしている。
デフォルトで設定されている機能、元々出力しようとした生物を元に出力より先に設定していた生体機能、やたら難解なUIに振り回されてるうちに設定されていたその他の機能を持つ。そのため大きさ、性格、色、生態等あまり統一されていない。齧歯類のような小型から水牛より大きなものまでいる。人慣れするかどうかも個体差が大きい。根を張る個体もいる。
生体プリンターのUI不具合がまだ知られる前に出力されたプリンタニアたちは『初期ロット』と呼ばれており、事故で生まれたものとしてペナルティの無い飼育放棄が許可されている。元々希望していた生物ではないこと・生態不明の生物の飼育難度の高さ・飼育失敗時の低評価やペナルティなどもあってか手放された個体は多い。またプリンタニア側も『望まれたものになれなかった』という鬱屈を抱えている。
一方でその独特の質感と、働き者で他者に寄り添おうとする気質に一定の需要もあってか、魅了された飼い主たちの他、人工の新種生物とあってか改造許可が出ているため、開拓作業における汚染除去を専用で追加した生体機能で行う「プリンタニア・プラン」と活動区域が重なった開拓地勤務の人々を中心に人気を博している。
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