概要
離れた場所に光を通すケーブル。通信のほか、電飾などの装飾・アートや内視鏡などの計測用、プラネタリウムにも用いられている。
イルミネーション用に光を通すだけのものであれば釣り用のテグスで自作できたりする。
通信用光ファイバー
光ファイバーは同軸ケーブルやLANケーブルなどのメタルケーブル(金属ケーブル)と違いノイズの影響を受けづらいため、高帯域・低遅延(平たく言えば回線速度が速い)・長距離の通信に有利である。
光で通信を行う試みは19世紀以来度々行われてきたが、基本的な原理が確立されたのが1958年、高効率で欠陥の少ないケーブルの製法やレーザー光源が実用化されたのは1970年代であった。1985年に電電公社により日本縦貫光ファイバーケーブル網が完成した。
一般加入者向け回線に光ファイバーが入ってきたのは21世紀に入ってからである。ブロードバンドインターネットの普及初期はメタル回線のADSLが主流だったが、2006年以降は基地局から各家庭までを光ファイバーケーブルでつなぐFTTHが広がった。
構造と素材
通信用の光ファイバーは、屈折率の高いコアを屈折率がやや低いクラッドで囲んだ構造になっていて、全反射という現象により、光がコアの内部に閉じこめられるようになっている。 ファイバー1本の太さはわずか0.12〜0.25mmだが、この中の0.01~0.05mmのコアの中を光が伝播していく。ガラス製のファイバーは細く脆弱なため周囲にプラスチックの保護被覆を被せてある。
長距離通信用の光ファイバーは1km先まで元の光の95.5%を伝えるほど透明度が高い石英ガラスでできているが、折り曲げには弱くデリケートである。構内配線や機器組み込み用の短距離伝送などでは伝送損失が大きいが折り曲げに強いプラスチックもよく用いられる。