注意
この記事は単行本未掲載の最新エピソードが紹介されています。ネタバレを回避したい方はただちにブライザバックを推奨します。
C-1ファイナリスト!!
笑いの今昔コンビ出陣!!
No.297
【ピンチャン】
(例の出囃子)
ピンチャンとは
・・・もう一度言おう、売れないお笑い芸人髙羽史彦と最悪の呪詛師羂索がタッグを組んだ漫才コンビである。
年の差1000歳以上という訳の分からないコンビであるが、まるで10年は修行を積んだかのようなピッタリの呼吸で織りなすしゃべくり漫才が特徴。名前の由来は「ピンチとチャンス」
塩顔のイケメン羂索とお笑いモンスター髙羽は、漫才の天下を取るべく夢の舞台へと駆け上がる!
結成の経緯
事の発端は羂索を足止めするために立ちはだかった髙羽史彦との一騎打ちに始まった。
髙羽の術式【超人(コメディアン)】の全能とも言える能力に驚愕した羂索であったが、”面白いこと”を千年探求してきた羂索はお笑いにも深い見識を持っており、独りよがりでお客を意識していない髙羽のネタと甘ったれた姿勢をロジカルに、そして的確に指摘することで一転窮地に追い詰めた。
しかし、土壇場に追い詰められた髙羽は「何故お笑いをやっているのか?」と自分の原点を見つめ直したことで己の不甲斐なさを自覚し、芸人としての覚悟を決め、思わず羂索が見惚れるほどの土下座をして芸人としての至らなさを謝罪。「オマエを胃袋吐くまで笑わせてやる!!」と啖呵を切り、怒濤のお笑い劇場を繰り広げる事になった。
髙羽が腹をくくったことで【超人(コメディアン)】の能力は完全に開花し、畳みかけるようなボケの連打によって羂索をハジケまくったコント合戦へと巻き込んだ。自身が今まで経験したことの無い”面白い”戦いを心から楽しんだ羂索であったが、同時に冷静な頭脳は察していた。
「このままでは私は負けてしまう」
それというのも、【超人】が生み出したギャグ空間においては一切の攻撃が髙羽には無効化されるのに、髙羽からの攻撃は普通にダメージとして蓄積されてしまうのである。コレを打開するにはボケで髙羽から主導権を奪うしか無いのだが、芸人でも無い羂索にはノリツッコミめいた応酬で食い下がることしか出来ず、延々とじり貧なコント合戦を繰り広げるハメに陥ってしまった。これは【超人】の能力が「相手のイメージをもフィードバックする」言わば「魂の共鳴」とでも言うべき境地に達していることも関係しており、相手の調子に合わせていてはどう足掻いても勝ち目が無いのである。
そこで羂索は発想を変えた。こちらの攻撃が通じないのならば、髙羽のお笑い欲を満足させることで【超人】を終息させるしかない。それはすなわち、「相方と一緒に芸人の夢見る舞台C-1グランプリに出場する」という髙羽の夢を叶えることであった。
かくして羂索は「相手のイメージをもフィードバックする」【超人】の能力を逆手にとってC-1の舞台を生み出し、髙羽の相方として側に立つことになった。
異色すぎるお笑いコンビ【ピンチャン】誕生の瞬間である。
劇中で悪逆非道の限りを尽くしてきた羂索が漫才師になって髙羽と漫才を披露するというシュールすぎる絵面は読者に凄まじい衝撃を与え、その後の顛末も含めて呪術ファンの情緒をジェットコースターのように揺さぶることとなった。