概要
春節とは、中国並びに中国語圏における旧正月(旧暦の正月)のこと。中国の三大節句のひとつ。中国語圏の国で、盛大に祝われる。旧暦準拠のため日にちは年によって変わるが、おおむね1月半ばから2月半ば。
慣習、特に食べるものは南北で差異がある。
発音は「チュンジエ」(chūnjié)。
英語では「Chinese New Year」。
日本ではあまり馴染みがなかったのだが、2010年代から起こった中国人からの爆買いによって知れ渡るようになる。
過ごし方
大晦日
日本と同じく、大掃除をする。これには不祥や不運を払う意味がある。
夕食は、北方では幸運を意味する餃子を食べる。
南方では、温かく豊かな生活を象徴する鍋と、繁栄を意味する魚を食べる。
また、南方でもある地域では餅を食べる。これは収穫と生活向上の意味がある。
守歳ー過ぎ去る年を振り返り、新しい年に想いを馳せるとと、除夜の鐘が鳴る。
元日
年が明けると、爆竹がならされる。魔除けの意味があり、お祝いや他の節句でも行われる。主要都市では大気汚染防止のため禁止されている。
お年玉は邪悪なものを払う意味がある。貰う際は、年下のものが目上のものに挨拶をし、目上のものは事前に用意していたお年玉を渡す。
あいさつ回りは「拝年」と呼ばれ、親戚や友人に対して行う。
旧暦2日に実家、3日から7日にかけて、親戚や友人の家に訪問する。8日には仕事始めとなり、通常業務に戻る。
旧暦15日の旧小正月。年明け初めての満月。春節の最終日。詳細は当該リンクを参照。
風習
赤い提灯
元日から元宵節まで、大きな赤提灯が飾られる。大きな提灯は「繁栄と幸運」、赤は「福を招く最高におめでたい色」とされる。
金柑の木
門松のように玄関に飾られる。多くの実をつけた金柑に「紅包」という赤い御祝儀袋を付ける。「吉祥と幸運をもたらす縁起いい木」とされる。
逆さの「福」の文字
逆さにかけることで、「天から福が落ちてくる、福に至る」ことを願う。
食べ物
春節に食べるものは多様で、地域により異なる。また、同じ食べ物でも地域により意味が違うこともある。
魚
長江南部では大晦日の宴席の最後に出され、「年年有余」の意味を持つ吉祥物で、ほとんど残される。
別の地域では、頭と尾を残し、一年が安泰であることを願う。また、魚の並べ方により意味が異なり、動かしてはいけない。
餃子
「元宝(中国の昔の貨幣)」を象った餃子は、幸運を包むものとされ、これを食することで幸福を手に出来るとされる。
餡に入れる具は様々な意味があり、口にした具によって、それに込められた吉祥を手に入れることが出来る。
食べる時期は地域により異なり、大晦日に食べられる地域もあれば、元日に食べられるところもある。
春巻(春餅)
華南の沿岸地方で食べられる。元々、立春に食べられるため、この名がある。頭から尾まで具が詰まっていることから、終始一貫を意味する。
長寿麺
華北で旧正月に食べられる料理。長寿の願いが込められており、麺は通常の物より長い。
餅(年糕)
収入や身分を上げるという意味が込められた縁起物。粉にした餅米をこねて作られる。
華北では蒸したものと揚げたものの二種があり、味は甘い。華南の年糕は上記のものの他、炒めてスープにしたものもあり、甘いものと塩辛いものがある。
柑橘類
黄金色は「豊か」「幸運」「成功」を意味し、縁起がいいとされる。こうした食べ物を食べたり、飾ったりする。