グリサ(金色のガッシュ!!)
がっしゅのぐりさ
「ハハハ、想像以上だ!」
「身体中に力が漲っている!」
「これでオレは魔界の王になれる!」
概要
アニメ「金色のガッシュベル!!」オリジナルエピソードの「魔鏡編」に登場する魔物であり、ハイド・ニャルラト・ノリトー・ハッサミーと同じくアニメオリジナルの魔物。
CVは肝付兼太氏。
本の持ち主は房市一郎(詳細は「本の持ち主」の項目を参照)。
あくまでアニメオリジナルキャラクターではあるが、ファンゴよりも先に登場した炎属性の魔物でもある。
公式からプロフィールは発表されていないので、人間換算年齢や好物等は不明。
本の色に関しては、アニメ版では薄い紫として描写されている。
後述の通り、原作・アニメ・ゲーム作品を含めた全ての魔物の中でも間違いなく最弱と言えるほどの圧倒的な弱さを持ち、本の持ち主である房市からも「お前は魔物の中でも特別に弱い」「運も実力も無いグリサが勝ち残れるはずもない」とまで言われるほど。
そのため、アニメオリジナル魔物を含めて最強ランキングや番付を作る場合、必ず最下位になるというある意味ではとても貴重な(?)キャラクター。
人物像
容姿
紫色のローブや帽子等、全体的に怪しげな魔導士を思わせるようなビジュアルとなっている。
普段は帽子で隠れているが、額にも目が付いている(いわゆる第三の目)。
身長は低く、ガッシュやティオといった人間換算年齢が6歳の魔物と同程度。
性格
魔鏡を手に入れる目的のためであれば平然と嘘をつき、他者の心を踏みにじって利用することに何の罪悪感も抱かない非道な性格。
「他者の心を踏みにじって利用する」という点では、ゾフィスと似たような所業をした悪役と言えるため、ガッシュと清麿が心からの怒りを抱いたのも納得である。
一方、回想シーンでは房市の発明で術の威力を上げた時に「やったー!」と無邪気に喜んでいたり、清麿から疑われた時には「ギクゥ!」とあからさまなリアクションを取る等、ゾフィスやリオウといったボスキャラ枠と比べればコミカル寄りな敵役として描かれている。
術
公式から術属性は明かされていないが、作中の描写を見る限り、間違いなく「炎」属性(もしくは火属性)だろう。
だが、同じ炎属性であるファンゴどころか、他の全魔物と比較しても術の威力があまりにも低すぎるため、魔鏡を使わなければ初級術どころか人間の使う銃火器・武器と同等の威力すら出すことができない。
なぜここまで素の攻撃力が低いのかは不明だが、ゼオンやバオウ覚醒後のガッシュ等から「魔物自身の実力や魔力によって術の威力が底上げされる」ことが証明されているので、グリサの場合は逆に魔物の中でも生まれ付き異常に魔力が低いということだと思われる。
ファイガル
右手の人差し指の先に電流が走った後、マッチ1本程度の非常に小さな火を宿す。
当然ながら攻撃力・攻撃範囲ともに全ての攻撃呪文の中で最弱であり、作中でも房市から「せいぜいタバコに火を付けるくらいしか役立たない」とまで言われるほど。
だが、魔鏡を使用してからは威力が数百倍に跳ね上がり、掌全体から巨大な炎を発射する術に変貌。
炎の威力も他の魔物の初級呪文と比べてむしろ強力になっており、一撃で森を直線的に焼き飛ばし、崖を抉るほど。
尚、カードゲームに収録された際にはなぜか術名が「ブレズド」に変更されている。
アニメ本編では「ファイガル」で一貫しており、なぜ術名が変更されたのかは不明。
リアプル
「これが魔鏡の本当の力だ!!」
房市が魔鏡を左手に、本を右手に持ちながら術を発動。
鏡から出た光を浴びたグリサの身体が変貌する。
明らかに魔鏡の使用を前提とした呪文なのだが、魔鏡で変身する時(=まだ変身する前)に使用しているため、「予めグリサが修得していた術」なのか「魔鏡の復活と同時に本に発現した術」なのかは曖昧となっている。
以下は魔鏡で変身した後に使用した呪文。
マグマ・ガラン
両手を地面に着け、周囲の大地を割って湧き上がったマグマを自在に操る。
この術に関しては使用時に房市が「新呪文」と発言しているので、魔鏡によって発現した術であることが明示されている。
四方数十メートル以上にも効果が及ぶようで、作中では一瞬で周囲の木々を焼き尽くし、マグマに囲まれた戦場へ変えるという芸当を見せた。
しかも地底からマグマを噴き上げるだけではなく、パティのオルダ・アクロンのように自由に操る事すら可能。
マグマ・カスケード
「手加減するのも難しいと思ってなあ…!」
グリサの全身からマグマを放出、同時に周囲の大地からマグマを集めて一つの巨大な炎弾を形成。炎弾からマグマを周囲に連発する。
ディノ・ファイガル
両手に紫がかったマグマを宿し、一つの炎弾として纏めて発射する。
原作・アニメ・派生作品を合わせても、ロップスのディノ・リグノオンと合わせて2つしかないディノ級呪文。
おそらくディオ級に匹敵する等級なので威力は高く、ラシルドを容易く破壊してガッシュと清麿を大きく吹き飛ばすほど。
ファイドルク
右手から炎を発射する。
なぜか「~ルク」系(肉体強化)にもかかわらず「~ル」系(放射系)のような効果となっており、術名と効果が一致しないのは「グリサ自身の想いではなく魔鏡(=外的要因)によって発現した術のため、名前にバグが生じたからでは?」と考察されることもある。
ギガノ・ファイドルク
「消し去れ!ハカセ!!」
「全てを灰に帰してくれる!!!」
全身からマグマを発し、炎のエネルギーを纏ったような姿へと変化する。
こちらは上記のファイドルクとは異なり、純粋な肉体強化となっている。
ギガノ級なだけあり強化幅も高いようで、渾身のバオウ・ザケルガを両手で長時間受け止めるほど。
本の持ち主
房市一郎
グリサの本の持ち主。
モニター付きの機械になっている左腕、こめかみの上や右頬に埋め込まれている鉄、白衣が特徴的な細身の老人。
CVは亀山助清氏。
公式からプロフィールは明かされていないため、年齢や好物等は一切不明。
アニメクレジットでは「ハカセ」と表記されているが、アニメ版33話で本名が明かされている。
作中世界では有名な物理学者であり、清麿も「本を何冊か読んだことがある」「文章を読む限り、相当頭が良さそうだった」と述べるほどの人物。
グリサと共に住んでいるアパートには自著も置かれており、「謎の物理学」というタイトルの本が確認できる(内容は不明)。
学会を追放された日の夜道、ゴミ捨て場にいたグリサから「学会に復讐したいんですね」と持ち掛けられ、本の持ち主となった。
だが、「なぜ学会から追放されたのか、どのような研究をしていたのか」という具体的な情報は作中でも明かされないままだった。
実際、作中でも監視カメラや落とし穴、遺跡のハリボテといった様々な発明を披露したが、そこまで非人道的であったり危険な物は見受けられない。
一方、作中では詞音の純粋な心を踏みにじることに全く悪びれる様子が無く、最終決戦では地面を這う詞音を容赦なく踏みつける描写もあるので、人間性が原因で学会を追放されてしまったのかもしれない(一応、元々は善良な科学者だったが、復讐心で精神的に歪んでしまったという可能性もゼロではないが)。
「魔鏡」について
裏面に不気味な模様が描かれ、中心に紫色の石のような物が埋め込まれた特殊な鏡。読み方はそのまま「まきょう」。
アニメオリジナルのアイテムであり、原作には登場しない。
作中では「魔界では禁断のアイテム」と房市が述べており、グリサが盗み出したことが明かされているが、具体的に魔界のどこへ保管されていたのかは不明。
効果については、なんと「呪文の力を数百倍にも増幅させる」という驚異的なものであり、しかも魔物自身の肉体も大幅に強化することが可能。
原作版のファウード編で登場した「ゴデュファの契約」よりも明らかに強化幅が高く、しかも魔物の人格にも(おそらく)影響を及ぼさないという破格の性能である。
とはいえ「ゴデュファの契約」とは違い、実際に存在する物体で対象を強化しているため、「鏡を割る」という簡単な行動で強化を解除させられるのが一番の弱みでもある(アニメ版35話の描写を見る限り、強度に関しても一般的な鏡と変わらないと思われる)。
活躍
初登場はアニメ版31話。
結論から先に述べると、アニメオリジナルエピソード「魔鏡編」における全ての元凶である。
かつて「王を決める戦い」への参加が決まった時、自身の力を高めるために魔鏡を盗み出して人間界へ向かうも、人間界への「時空の狭間」で魔鏡が3つに割れ、人間界の各地に飛び散ってしまう。
人間界に降り立ってからも欠片を探し、どこかの火口(日本なのかも不明)で欠片を1つ見つけ、本格的な行動を開始。
残りの欠片を集めるために、詞音に対して
- 魔鏡が効力を発揮すれば、本を持ちながらにして王を決める戦いから解放される。
- 私自身、戦うより家事手伝いをしている方が好きなので、魔鏡を手にしてのんびり過ごしたい。
- ニャルラトと詞音の力になってあげたい。
等と嘘を並べ、彼女の純粋な想いを利用して欠片を探させる(同時期にノリトー・ハッサミーも巧みな話術で騙したらしいが、具体的な内容は不明となっている)。
そして本編では、欠片の1つを偶然拾ったガッシュの元へノリトー・ハッサミーを向かわせ、戦いを遠くから眺めていた。
後に詞音がガッシュと気持ちを通じ合わせ、欠片を譲ってもらった後、ガッシュペア&ニャルラトペアをアパートでもてなす。
清麿から魔鏡の詳細について聞かれた時にも嘘を並べ、さりげなく2つの欠片を奪おうとするも、グリサへの疑いを捨てていない清麿から「遺跡まで同行させろ」と言われたことでガッシュ達を連れていく。
遺跡(のハリボテ)内では「必要な儀式」と称してガッシュ達に「チチをもげ!」を躍らせ、欠片を全て壁に埋めた直後に魔鏡を持って逃走。
房市の仕掛けたトラップのおかげで何とか逃げ続け、最終的にはギリギリのところで房市に合流。リアプルによって巨大な姿へと変貌し、数百倍にも強化された術の火力でガッシュ達を驚愕させる。
詞音のために奮起して突撃したニャルラトも軽く捻じ伏せ、詞音がニャルラトを庇った時にファイガルの炎で鞄を燃やし、同時に本も燃やすことに成功。
ニャルラトとの別れに悲しみの涙を流す詞音に対して、
「弱いからそうなるんだ」
「お涙頂戴のクサい芝居など見たくもないわ」
と汚い言葉を吐いたことで、ガッシュと清麿も怒りが頂点に達し、戦闘へ。
強力なマグマの術でガッシュと清麿を苦戦させ、あと一撃でマグマの底へ落とせる状況にまで追い詰める。
だが、2人の強い言葉によって立ち上がった詞音が房市に体当たりをし、魔鏡を落とされている間にガッシュ達の復活を許す。
最後にはバオウ・ザケルガとギガノ・ファイドルクの撃ち合いになるも、先の詞音の行動で魔鏡にヒビが入っており、術を撃ち合っている最中に魔鏡が割れてしまう。
そのままバオウに押し切られて全身に電撃を浴び、「オレだって頑張ったのにぃ~」というコメディチックな叫び声を上げながら敗北。
魔鏡が割れたことで身体が元に戻る中、本にも火が着いたことで魔界へと帰っていった。