「オレはハイド。魔界から来た、お前のパートナー」
「だったら戦えよ、泳太」
「カッコつけても、本気で戦わなきゃ……あの時のお前と同じだぜ」
概要
アニメ「金色のガッシュベル!!」で登場したアニメオリジナルキャラクター第1号。
つまり「金色のガッシュ!!」のメディアミックス作品における初のオリジナルキャラクターという記念すべき存在である。
本の持ち主は窪塚泳太(詳細は個別記事を参照)。
公式からプロフィールは明かされていないため、人間換算年齢や好物等は一切不明(一応、年齢に関しては後述の描写から8~9歳だと思われる)。
ネット上には本の色は「スカイグリーン」だと書き込まれているが、こちらも引用元が不明(引用元のわかる方がいらっしゃれば追記をお願いします)。
名前については、術名と合わせて考えた場合「ジキル博士とハイド氏」が元ネタだと思われる(一応、2023年12月現在では公式情報として「ジキル博士とハイド氏」が元ネタだと明言されているわけではない)。
1人目のアニメオリジナル魔物ということもあってか、アニメ版におけるガッシュの初戦の相手となり、後に登場するニャルラトやワイズマン達とは異なり原作にも少しだけ登場する等、なかなか優遇されている(原作版にも明確に登場しているため、当記事トップの概要も「漫画及びアニメ~」という表記とする)。
人物像
容姿
両端を角のように逆立てたオレンジ色の髪と、紫+黄緑カラーのシャツが特徴的。
シャツの中央には大文字のHが描かれており(おそらく「ハイド」のイニシャルだと思われる)、全体的に蛍光色が多め。
身長に関しては、ガッシュやティオ等と同じく小柄な方。
性格
体格こそ小柄なものの、とても聡明かつ強い意志を秘めており、ある意味では泳太にとっての「導き手」とも言える役割を担った。
現に「王を決める戦い」へのモチベーションは相当に高いようで、本の力で好き勝手なことばかりを繰り返す泳太を咎めたり、13話で泳太が弱気になってしまった時にも闘志を失わず戦い続ける等、邂逅編時点で登場した魔物達の中では非常に芯の強い魔物だったのは間違いないだろう。
ガッシュとの関係(?)
本編では何度か「あのガッシュが……」とガッシュが力強く成長していることを意外に思っている様子を見せているため、ほぼ間違いなく魔界時代の「落ちこぼれだった頃のガッシュ」を知っているのだと思われる。
術
公式から術属性は発表されていないが、作中の描写を踏まえれば「風」属性で確定だろう。
ただ、公式から「風属性」だと明記されているフェインやザバスが修得している「ウイガル系」を一つも修得しておらず、見方によっては多少なり独自の効果を持っているとも解釈できる描写がある。
また、術を発動していない状態でも風を起こす、視覚外から一瞬で現れるほどの速度で高速移動する等、術に頼らない能力も優れているような描写も散見される。
ジキル
両手を前方に突き出し、風を起こす。
他の魔物と共通した「~ル系」の一種であることは間違いないと思うのだが、作中では、
- 空気を圧縮したような弾を放つ。
- 弾を放つのではなく、周囲に竜巻のように渦を巻く突風を起こす(第13話で鈴芽達を空中に放り出す際の描写)。
という2パターンが確認できるため、この術の正確な効果は「空気の弾を放つ」のではなく「ハイドが元から持つ『風を操る力』を強化する」というものだと考えられる。
ジキルガ
「オレ達の新しい呪文が……!」
「オレ達の新しい力が……!」
ジキルの強化版。アニメ版においては作中で初めて登場した「~ガ系」呪文である。
他の「~ガ系」と同じく直線状となり、貫通力が上がっている模様。
海外版では「ジキルド」という術名で読まれているらしい。
以下はアニメ本編では使用していない呪文。
ウィルド
カードゲームオリジナル呪文。
両手を前方に構え、渦巻で相手の攻撃を防ぐ。
ウィルグ
ゲームオリジナル呪文。
竜巻を発生させて相手を飲み込む。
ジキルレイ
ゲームオリジナル呪文。
風の刃を大量に発生させて放つ。
ギガノ・ジキルガ
ゲームオリジナル呪文。
巨大な風の鳥を出現させて攻撃する。
海外版では「ギガノ・ジキルド」という術名になっているらしい。
活躍
アニメ本編での活躍
初登場はアニメ第1話。
原作と同じ流れで清麿が金山に追い詰められていたところ、泳太と共に空から屋上に乱入。
金山を軽くあしらった後、泳太が鈴芽を「オレの彼女」と(勝手に)認定してちょっかいをかけようとしたため、ガッシュと清麿も止めに入る。
ハイドの高速移動によって「泳太の手から風を発射している」ように見せかけるも、ハイドの存在に気付いた清麿から「本と子どもが揃えば何かの力を使える」と勘付かれてしまい、反撃のザケルを受ける直前に退散。
次の登場はアニメ第13話。
この回では、泳太が風の力を使って恵関連のCD・本・ブリバーガーを何度も盗んでおり、モチノキだよりでも「怪盗(?)つむじ風 謎の被害続出!!」と話題になっていた。
術の力で小さな盗みばかりを繰り返す泳太に対し、ハイドは「いつまでこんな事を続ける気だ?」と咎めるも、泳太は調子を崩さず「オレは魔界の王を決める戦いなんて興味ねえんだよ」とまで吐き捨ててしまう。
その後、通学路でガッシュと清麿を見かけたため、校舎の近くにある木に隠れて様子を覗う。
ガッシュとの出会いを通じて変わった清麿を見たハイドは「お前とは違うな」と零し、「学校へも行かない。友達もいない。強がっているだけ」と泳太を評する。
暫く様子を覗っていたものの、ブリバーガーの匂いに気付いたガッシュに見つかってしまい、成り行きで戦闘に。
ガッシュと清麿に攻撃を加えることにこそ成功するも、ラシルドでジキルを跳ね返されてしまい、ハイドも本の輝きを目の当たりにしたことで撤退を選ぶ(おそらく、輝きから伝わるガッシュと清麿の信頼関係に対しても色々と感じるものがあったのだと思われる)。
一時撤退こそしたが、今回は泳太も感情的になったようで、鈴芽達を人質にし、ガッシュ達を工場まで誘い出す(厳密には場所を教えるのを忘れていたのだが、ガッシュがバーガーの匂いを辿ったことで何とか到着した)。
工場内では「強風によって鈴芽達を空中へ放り出し、救助を強いらせることで無防備にし、攻撃呪文を直撃させる」という戦術でガッシュと清麿を追い詰めていく。
だが、天井からの水漏れに気付いた清麿が咄嗟に作戦を練り、「貯水タンクを破壊し、溢れてきた大量の水に電撃を浴びせる」という作戦を実行。
水を被ったハイド達は追撃のザケルで感電し、底まで落とされてしまう。
思わぬ反撃で追い詰められた泳太は戦意喪失同然となってしまうも、ハイドは泳太に放たれたザケルを庇い、反撃に転じようとする。
だが、泳太は共に闘志を燃やすどころか「ここは逃げようハイド!」「逃げるんだよ!」とすっかり弱腰になってしまう。
そんな言葉を聞いたハイドは、
「こんな奴と組んだのが、オレの運のツキだったのか……」
「お前は本当に忘れちまったんだな……」
「オレと出会った時の気持ちを……!」
と目に涙を浮かべ、「オレは独りでも戦う!!」と単独でガッシュ達へ立ち向かっていく。
ハイドの言葉を受け、彼との出会いを思い出す泳太。
詳細こそ不明だが、かつて泳太は不良達から暴行を受けていたことがあるらしく、ボロボロにされる中で「オレにも力があれば……!」と悔しさで涙をにじませていた。
そんな時、ふとゴミ捨て場の中に一冊の本を発見。同時にどこからか聞こえてきた声に「強くなりたいか?」と問われ、
「なりたい……!強くなりたい……!」
「なれるんなら、何でもする……!」
「オレを、強くしてくれ!!」
と、腹の底から声を出して応える。
次の瞬間には泳太を守るように小さな竜巻が発生し、不良達は全員気を失っていた。
そして、ニヤリとした笑みを浮かべ、泳太の後ろに立っていたのがハイドであった。
そんなハイドとの出会い、及びあの瞬間の気持ちを思い出した泳太は、身を挺して2発目のザケルからハイドを庇う。
背中が焦げたにもかかわらず、
「ハイド……。オレを、強くしてくれるんだろ……?」
「このオレをよ……!」
と、どこか力強さを感じる笑みで問いかける。
ハイドも笑みを浮かべ、
「お前は強いさ」
「今のままでも充分に……!」
と返した瞬間、本が強く輝き、新呪文であるジキルガを発現。
渾身のジキルガを放ち、ラシルドと拮抗した衝撃で工場は大破。その隙に風に乗って離脱。
清麿も鈴芽達を救出していたため追撃は無く、泳太も「かろうじて痛み分け」と漏らす結果になった。
離脱後には再び凹凸コンビのような掛け合いをするも、13話の冒頭とは異なり2人で並んでブリバーガーを食べており、どこか笑顔も増えている描写もある等、2人の間に確かな絆が生まれたことが示されている。
その後について
とはいえ、実はハイドがその後どうなったか(どの辺りまで勝ち抜いたのか、いつ頃魔界に帰ってしまったのか等)は一切描かれておらず、2023年12月現在でも不明なままとなっている。
作者ブログに「ハイドは誰にやられたのですか?」という質問が届いた際も、作者の雷句先生は「アニメの方に聞かないとわからないのですが、たぶんその辺の魔物に……」としか回答していないので、そもそもとして退場時期が厳密には決められていないままなのだと思われる。
一応、アニメ第14話における恵のコンサートでは泳太と共に客席にいる一方、アニメ第58話ではハイドも泳太も映っていないため、おそらくガッシュvsマルス戦後~石版編突入直後の間に魔界へ帰ってしまったのだと思われる。
これ以降完全にアニメ本編からフェードアウトしてしまうのだがファウード編の最終OP「見えない翼」の爆煙をバックに構えるガッシュと仲間たちのカットの後ろの魔物たちのシルエットにハイドらしき姿が確認できる(キャンチョメの隣)
単に使いやすいシルエットとして入っただけなのか、何らかの去就を描くを予定があったのかは不明である…
アニメ版はファウード編で終了してしまったので再登場していないが、原作においてはクリア完全体との決戦において皆が「金色の本」へ集うシーンでも映っている。
そして原作最終話では、パムーンと意気投合しているような様子が描かれている(前述のように、この描写からハイドも8~9歳だと推測できる)。
また、本編外では2007年のカレンダーの9月・10月のイラストに泳太と共に登場している。
関連タグ
窪塚泳太……なんだかんだで友情を築いた戦友。
パムーン……原作最終話で絡みのある魔物。
フェイン/ザバス……同じ風属性。
レイコム……原作版における「初戦の相手」。
ワイグ……続編「金色のガッシュ!!2」における「初戦の相手」。