ベンケイガニ科
べんけいがにか
十脚目 抱卵亜目 短尾下目 イワガニ上科に属す科。
ベンケイガニやアカテガニが属す。
概要
十脚目 抱卵亜目 短尾下目 イワガニ上科に分類される科のひとつ。
どの種も陸棲傾向が強く、基本的には陸上で活動する。
以前はイワガニ科に含まれていた。
日本にはアカテガニやクロベンケイガニなどが分布する。
生態
干潟やマングローブ林、河川下流域などの淡水の影響を受ける汽水域の水辺に多くの種が棲息する。
様々な動植物を食べ、死骸を分解する分解者としての側面も持つ。
植物に登る事も多く、樹上にいる場合もある。
呼吸は水中のカニと同じくエラ呼吸だが、体内に水を貯蔵する事で陸上での呼吸を可能としている。
貯めた水が古くなると、川や海、水溜まりなどで新鮮な水に入れ替える。
脱皮は水中で行う。
産卵期のメスは集団で海に集まり、海水中でゾエア幼生を放出する。
幼生はしばらく海で生活した後に稚ガニに変態し、陸上に生活の場を移す。
日本に分布する種は全てこのような生態だが、国外にはバンパイアクラブなどの森林で一生を過ごし、卵から直接稚ガニを孵す陸封型の種も存在し、その中には水辺に近寄らず、脱皮すら陸上で行うハーフオレンジバンパイアクラブや、真社会性のブロメリアガニなどの極めて特殊な生態を持つ種もいる。
人との関係
食用には向かないが、砕いて肥料として使われたり、釣り餌に利用される。
身近な水生生物ということで、水族館や動物園で展示されることも多い。また、ペットショップや熱帯魚店で売られることもある。淡水・海水どちらでも飼育可能で、飼育は容易だが、複数飼育は共食いする可能性がある為、単独飼育が推奨される。
陸上に棲むので、陸と水場の両方を水槽内に用意する事が望ましい。
近年では国外産で陸封型の小型種であるバンパイアクラブの仲間がペットとして飼育される事が増えている。
主な種類
アカテガニ(キロマンテス)属
ウモレベンケイガニ(クリストコエローマ)属
オオベンケイガニ(エピセサルマ)属
ファシャーマ属
ハマベンケイガニ(メタセラルマ)属
ヒメベンケイガニ(ナノセサルマ)属
アシハラガニモドキ(ネオサルマティウム)属
カクベンケイガニ(パラセサルマ)属
フタバカクガニ属(ペリセサルマ)
- フタバカクガニ
- フタバカクガニモドキ
ベンケイガニモドキ(プせウドセサルマ)属
クロベンケイガニ(オリサルマ)属
シロテアシハラガニモドキ(ティオマニウム)属
マルガオベンケイガニ(ダナルマ)属
ベンケイガニ(セサルモプス)属
ドウクツベンケイガニ(カルスターマ)属
ヘコミベンケイガニ(ブレセディウム)属
アダンベンケイガニ(スキャンダルマ)属
アシナガベンケイガニ(セサルモイデス)属
スマトライワベンケイガニ(ステルギストラ)属
セサルマ属
- セサマ・ジャビーティ