「本気の姿ってのは怖えもんなんだ、とくに大切なものを守ろうとする時はよお」
「お前にはオレの姿がどう映るかわからねえ、悪いのか… 正しいのか」
「だが、必要なんだ」
「もうお前は一人で立てる。お前はあんな怖え奴相手に立ち向かえたんだ…」
「もうオレがいなくても大丈夫だ。どんな奴の目の前でも、真っすぐ立つことができる」
「なあに、楽しかったぜ、カイル」
「ガッシュ、王になれ」
「お前が王になったら、オレは喜んで力を貸すぜ。どんなことでもしてやるさ」
CV:三宅健太
概要
作中でも珍しい、魔界時代から既にガッシュの親友だった魔物。
本の持ち主はまだ臆病な幼い少年のカイル。人間達に重傷を負わせられた自分を助けてくれたことがきっかけで出会った。
魔界にいた頃は、大人でも手に負えないほどの強さと凶暴な性格を併せ持ち、自身の住む村で何人もの同族を傷付けていた(いわゆる「突然変異」や「特別変異」という表現は公式設定ではない可能性があるので、ここでは使用しない。詳しくは余談の項目を参照)。
だがある日、崖から落ちて重傷を負ったところを偶然通りかかったガッシュに助けられ改心し、無二の親友になった。
そうしてガッシュの優しさと「自分のような『狂った力』に対しても真っ直ぐ立っていられる強さ」に触れたことで、現在では非常に穏やかで落ち着いた性格となっている。
現に人間界で再会したガッシュが、記憶を奪われているため自分のことを忘れていても、「記憶を奪われても、性格は変わらんな! ガッシュはガッシュだ!」と笑い飛ばすほどの穏やかさを見せていた。
容姿
後頭部辺りに三ヶ月のような形状の外骨格(?)を備え、両肩と背中の計4ヶ所に太い角(棘?)を生やした巨大な獣型の魔物。
体毛に関しては原作のカラー絵とアニメ版では水色、連載当時に発売していたカードゲームでは紫がかった白色。
両腕の毛が生えていない部分の色は原作のカラー絵とアニメ版では水色に近い白、カードゲームでは銅色となっている。
また、基本的には上記のような猛獣の姿をしているが、魔物の戦いを知らない相手と対面する時などは人間の姿になって対応している(カードゲームでは「レイン(人間形態)」という名前で収録されていた)。
さすがに人間形態の時は普段のように何メートルもある巨体ではないが、身長172cmの清麿と並んでも頭2~3分くらいは高いので、おそらく2メートル近い身長になっていると思われる。
活躍
初登場は原作19巻(178話)。
王の座に興味がないことと、王を決める戦いにこれ以上カイルを巻き込みたくないという理由で、ガッシュに自分の魔本を燃やしてほしいと手紙を送る。
また、カイルが使用人であるジルに亡くなった両親の遺産を食いつぶされ続けていることを憂い、彼の臆病さを克服するために、自分が変わる切っ掛けとなったガッシュに頼ることも目的の一つだった。
しかし、そこでファウードの封印を解くためにディオガ級の術を使える魔物を探していたパピプリオ・ルーパーのペアとロデュウ・チータのペアと交戦することとなる。
その戦いで、カイルの臆病さを治すにはガッシュに頼るのではなく、自分自身でやらなければならないと思い直す。
そして、カイルとガッシュを助けるため凶暴な姿を見せることも辞さずにロデュウと戦闘を行う。術が使えないことや、パピプリオの妨害もあり苦戦し重傷を負うも、勇気を振り絞りレインと共に戦うことを選んだカイルが術を唱え始めてからは形勢逆転。
ロデュウを圧倒し、ロデュウ最大術のディオガ・ラギュウルをもガルバドス・アボロディオで打ち破り勝利する。
ロデュウを打ち負かした後に、やはり自分は王を決める戦いはあまり興味がなく、カイルばかり気にしてしまうことや、カイルが振り絞った勇気を目の当たりにしたこともあり、当初の予定通りガッシュに魔本を燃やしてもらい魔界へ帰って行った。
その後の原作33巻では、クリア完全体とガッシュの戦いにおいて、魔界を守る強い意志を見せたガッシュを救うため、金色の魔本を通じ協力した。
王を決める戦いの後は、テッドやチェリッシュ達と共に暮らしているようである。
実力
作中で明確に描写された戦闘はロデュウ戦のみだが、純粋な戦闘能力や秘めたる素質という意味では作中でもトップクラスだと多くのファンから認められているほどの強さを持つ。
それこそ「才能だけで言えばエルザドルやアシュロンと同レベルの実力者なのではないか?」と見なす声もあるほどに評価されている。
穏やかな性格ではあるが戦闘力は非常に高く、肉体強化呪文抜きでもギガノ級の呪文を素手で弾き返すほど。
とはいえ、ギガノ・ラギュウルを受け止めた際には腕から大量に出血してしまっているので、アシュロンの鱗やゼオンのマントといった作中トップクラスほどの頑強さはさすがに無いと思われる。もっとも、本格的な修練を積めば肉体面での伸びしろも非常に大きいに違いない。
カイルが戦いに臆病であり、完全に呪文を封じられた状況にありながらも「今まで遭遇してきた魔物はカイルに隠れて呪文抜きで倒してきた」と清麿に打ち明けている。
作中最強クラスのゼオンですらロップス戦やリオウ戦では術を使っており、今作において術を一つも使わずに魔物を倒したことが明示されているのはレインのみである。
また、その秘めた実力が強大な故なのか、あまり戦闘をしていないにもかかわらず「なぜかバンバンと強力な呪文ばかり覚えていくんだ」とも告白しており、総じて素の実力が非常に高いことが示唆されている。
呪文の威力も並の中級~上級呪文を上回っており、いざ呪文有りで戦闘を行えばディオガ級を修得している魔物をも一方的に叩き潰せるレベル。
作中では当初こそロデュウとパピプリオの二組にいいようにやられていたが、これはパートナーであるカイルが戦闘前から人質に取られて拘束されており、呪文抜きでの戦いを強いられてしまうという大きなハンデがあったため。
実際、カイルが呪文を唱え出した途端に、ガッシュの術で既に相応のダメージを負っていたとはいえロデュウを一方的に圧倒し、最大呪文の打ち合いでも完全に上回るという強さを見せて完勝したほど。
呪文
公式から術属性は発表されておらず、作中で使用した術にも明確な共通点が見受けられないため、何かしらのカテゴリーで表すのは難しい(おそらく「獣」や「エネルギー」の類だろうか?)。
また、作中で披露した術は3つのみだが、レイン自身の素質や上述の「バンバンと強力な呪文ばかり覚えていくんだ」という台詞も踏まえれば、まだ披露していない豊富な攻撃呪文を修得していた可能性は高いだろう。
アボロディオ
右腕を左、左腕を下にクロスさせるように勢いよく振るい、数メートル以上もある巨大な極太の十字の斬撃を飛ばす術。
威力は非常に高く、一発放っただけでも空気が大きく振動するほどの勢いで斬撃が飛んでいき、周囲の地面や崖に約10メートル以上はありそうな深い切れ込みを入れるほど。
ガッシュ達が照準を合わせられないほど素早く飛び回れるロデュウが(チータを守りながらとはいえ)ギリギリで躱している事から、スピードも速い模様。
少なく見てもギガノ級~ディオ級以上、場合によっては並のディオガ級呪文を上回るほどの凄まじい破壊力を誇るが、これでも彼の最大呪文ではないのだから驚きである。
ちなみに、この術が「第一の術(初級術)」なのかは意見が分かれる。
初級術だと見なす根拠としては、
- 覚悟を決めたカイルが、まず最初にこの術を唱えた。
- 当時発売していたカードゲームでは「レイン第1の術」と明記されて収録されている。
等が挙げられるが、一方で、
- 術名は「アボロ」(レインの固有名詞)+「ディオ」(他の魔物と共通したディオ級を示す等級)と分解できるため、あくまでこの術はディオ級であり、初級術ではない。
- カードゲームでは単に「作中で発動した順」として「第〇の術」と番号が振られているケースもあり(ロデュウのディオガ・ラギュウルが「第1の術」と表記されている等)、この術もそれに沿って第1の術と表記された可能性もある。
- 上述の通り、作中でレイン自身が「なぜかバンバンと強力な呪文ばかり覚えていくんだ」と発言しており、作中で披露した呪文3つだけ(しかも1つは防御呪文)では「バンバン」という表現が適していない。
- よってアボロディオはレインが覚えた術の中でも中間クラスであり、本当は作中で披露していない初級術や下位術を修得している。
といった見方もできるため、読者側が一概に初級術だと断言するのは難しい。
もっとも、たとえ初級術であろうとなかろうと他の魔物が使う同格の術と比べて規格外という事実は変わらず、レインの実力が計り知れないという点には異論が無いだろう。
アーガス・アボロド
地面から鋭く太い牙を何本も生やし、ドーム状の檻のようにして対象を囲む防御術。
自分以外の周辺にも展開できるため、作中ではガッシュと清麿を守るために使用した。
同じくアーガス系であるリオウのアーガス・ファノンが、ザグルゼムで2段階強化したラシルドによって跳ね返されたグルガ・ドルファノンを無傷で防ぐという相当な強度を誇っていたため、この術も防御を専門としない魔物の防御術の中ではトップクラスの強度を誇ると思われる。
ガルバドス・アボロディオ
レインの最大呪文。披露された当時では間違いなく作中最強、連載が終了した現在でも多くのファンから「作中を通しても上位に来るほど高威力の呪文」と評されるほどの破壊力を持つ超強力な術。
取得した際に試しに放ったレイン自身すら驚くほどの威力を誇り、カイルが見たらショックで心臓が止まるのではないか?と危惧するほどであった。
レインにやや似た見た目をした、頭部の上下左右に幾つもの超巨大な腕と爪を持つ魔獣を召喚し、周囲の大地ごと相手を切り裂く。
当時登場した全てのギガノ級~ディオガ級と比べても比較にならないほどの大きさを誇り、爪一つだけでもレインの数倍(=おそらく約10メートル以上)、全方向からの腕と爪でロデュウが放ったディオガ・ラギュウルを完全に包み込めるほどの巨大さを誇る。
当然ながら威力も凄まじく、ディオガ級の呪文すら一方的に上回るだけでなく、余波で数十~百メートル以上先の大地までズタズタに切り刻み、数えきれないほどの深い爪痕を残すほど。
このようにディオガ級をも遥かに超えた迫力や威力を見せたため、非公式名称ではあるが一部のファンからは「準シン級」と称されることもあるほど(準シン級については術(金色のガッシュ!!)の記事を参照)。
シン・ガルバドス・アボロディオ
ガッシュを助けたいという気持ちから金色の魔本に登場した、シン級のガルバドス・アボロディオ。
呼び出す魔獣の大きさが山のような巨大さを誇るクリア完全体に匹敵するほどとなっており、より鋭く長く伸びた爪を携えた腕が8本確認できる。
各シン級呪文によって対処した状況が異なるとはいえ、クリア完全体が明確なダメージを受けているような描写があるのはこの術だけであり、やはり他の魔物のシン級呪文と比べても上位の破壊力を持っているのかもしれない。
金色のガッシュ!!2にて(ネタバレ注意!)
続編『金色のガッシュ!!2』においてはゼリィとワイグの回想で登場。
当初ゼリィの口から、「ワイグから魔物の子供たちを守るために体一つで戦いに臨み、命を落とした」と語られていたが、後にテッドやチェリッシュと共にガッシュの口から「動くことはできないが命は繋いだ」と語られ生存が判明する。
また、テッドとレインは術の力無しでもワイグにダメージを与えられるほどの実力者だったとも語られている。
そもそもとしてテッドとレインは「いきなり未知の勢力から術を奪われて使用不可能に陥る」「孤児院の子ども達を守りながら戦わなければならない」という大きなハンデを背負っていたため、決して本来の実力でワイグに敗北したとは言えないだろう。
余談
デマ(?)
一部の外部サイトにはレインについて、「突然変異/特別変異で巨体として生まれた」と記載されているが、作中・アニメ版・公式ファンブック・作者ブログ・作者Twitterのいずれにもそのような説明や設定は確認できない。
もちろん、作中の描写から「同族と比べて強力な肉体を持って生まれた」事自体は間違いないものの、それが「突然変異」や「特別変異」によるものなのかは不明である。
よって、「突然変異」や「特別変異」という表現は「いち読者による印象や想像」である可能性が高く、明確な引用元が見つかるまでは公式設定だとは言い切れないと思われる。
関連タグ
金色のガッシュ!! 金色のガッシュベル!! 金色のガッシュ!!2
ガッシュ・ベル…親友にして恩人。
アシュロン・エルザドル…竜族の二体の神童と謳われる魔物の子。彼らも大人ですら手の付けられない実力を持つ魔物として知られていた。
チェリッシュ…戦闘経験が少ないにもかかわらず強力な呪文を修得した者同士。