概要
13歳の蘭丸が初めて信長の元を訪れた天正五年(1577年)から、天正10年の本能寺の変へ向かって描かれる。
岡村賢二による怪説・本能寺の変――
群雄割拠の戦国の世、天下布武目前に「本能寺」に散った織田信長の姿を、未だかつてない切り口から描破!
本能寺の変へと繋がる序曲がここに始まる―――
(「戦国武将列伝」2012年4月号の予告より引用)
登場人物紹介〔※物語の内容に触れています〕
織田信長(おだ のぶなが)
天下布部に向かって驀進する戦国の狂王。通称“殿(との)”。
なで斬り・虐殺大好きで、手向かうものには容赦がない。
著しく情緒不安定で、すぐ切れる危険な気性の持ち主。鳴かぬなら、殺してしまえホトトギス。
なお、本作における生脚担当でもある。
森蘭丸(もり らんまる)
暴走する殿に困惑しつつも、最後までお守りする事を誓う、本作のヒロインポジション担当。
周囲の武将たちが次々と信長の苛烈なやり方に疑問を呈したり、反発を表明したりする中、全く空気を読まず、一途に殿を想いつづける。
本作の語り手でもある。
万見仙千代(まんみ せんちよ)
蘭丸の先輩に当たる小姓頭。
殿の親衛隊である小姓組の役割や心構えを蘭丸に教えたり、蘭丸がぶちまけた蜜柑の後片付けを手伝わさせれたりしていたが、荒木村重の謀反を鎮圧する際の戦いで戦死。
荒木村重(あらき むらしげ)
もとは信長に仕える武将の一人。
信長に罵倒され、殴り倒された上に踏みつけられているところを当時13歳の蘭丸にまじまじと目撃されるという初登場シーンを飾った後、信長に対し謀反を起こす。
信長と対立する毛利氏からの増援を得て善戦するも、長期戦となり、夜陰にまぎれて城を脱出。彼を取り逃したことに激怒した信長に一族郎党を皆殺しにされる。
明智光秀(あけち みつひで)
信長の重臣の一人。損な役回りにも人柄の良さが滲み出る、岡村ワールドの良心。
無骨な武士の多い信長家臣団にあって、文武両道、朝廷にも顔が利く、貴重な存在である。
だが、誠実すぎる性格ゆえか、秀吉や家康のように要領よく立ち回ることが出来ず、信長に正面切って忠言しぶちのめされたり、ひどい目にあい続けている。
同作者の『明智光秀』では主役を務め、「争いのない平和な世の中をつくる」という理想のために本能寺の変を起こしたが、本作では・・・?
羽柴秀吉(はしば ひでよし)
後の天下人・豊臣秀吉。本作の時代では、まだ信長に仕える武将の一人である。
信長に任せられた戦が長引いたとき「(大口を叩いた手前)殿に顔向けができんではないか!」と焦ったり、寒い日に城の女達に「わしを暖めてくれんかのー!」と冗談をとばすなど、作中で最も人間くさい面を見せる人物である。
蘭丸にも「殿への忠誠心随一」と評されるほどの働きぶりだが、忠義者の顔の下に、底知れぬ野望と深慮遠謀を秘める。
鳴かぬなら、鳴かせてみせようホトトギス。
石田三成(いしだ みつなり)
秀吉の部下として登場。
徳川家康(とくがわ いえやす)
後の天下人その2。信長のよき同盟者として、協力関係にある武将。
温厚な人格者だが、かつて信長の下知で最愛の妻子を失っており、深い悲しみを負っている。
また、せっかく用意した酒席を(殿以外に興味のない)蘭丸に「本を読みたいので」とあっさり断られたり、戦勝祝いに開いた宴が信長親子の諍いに巻き込まれ、ちゃぶ台返しを喰らったりと、報われない。
鳴かぬなら、鳴くまで待とうホトトギス。
織田信忠(おだ のぶただ)
信長の長男。武田氏との戦で大将を務めるなど、優れた武将でもある。
父とは対照的に穏健で、心優しく真面目な性格。そのため信長に剣を突きつけられ脅されるなど、よく理不尽な目にあっている。
明智光秀と並び、貧乏くじを引き続ける人物。
織田信孝(おだ のぶたか)
信長の三男。
柴田勝家(しばた かついえ)
信長の重臣の筆頭だが、本作では余りフィーチャーされていない。
第一話の冒頭では明智光秀と並んで登場したのに、どうして差が開いた。
以降全く登場せず、信長を巡り様々な陰謀が飛び交う中、一人暢気に戦場を駆ける様子が目に浮かぶようである。
本作では余りフィーチャーされていない。(←大事なことなので2回ry)
正親町天皇(おおぎまち てんのう)
第106代天皇。通称“帝(みかど)”。
近衛前久(このえ さきひさ)
朝廷に仕える公家の一人。
信長とも親交が深く、第一話での天覧馬揃えにも参加している。
強大な信長の力を朝廷に引き入れようと奔走するが・・・
吉田兼見(よしだ かねみ)
安国寺恵瓊(あんこくじ えけい)
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