概要
始まりはカステラの本場・長崎で創業者中川安五郎が起こした菓子店・文明堂総本店である。
関東地方では、カンカンダンスを踊るクマの操り人形のテレビコマーシャル(文明堂豆劇場)と、そのCMで流れるジャック・オッフェンバックのオペレッタ「地獄のオルフェ(邦題「天国と地獄」)」の序曲にのせたひばり児童合唱団による「カステラ一番、電話は二番、三時のおやつは文明堂」というCMソングが有名である。このCMは関東地方の文明堂数社が共同で制作したもので、1962年から放映開始。最後のマークは中川の紋である。文明堂東京のサイトで閲覧可能。後述のように、他地域では「3時のおやつ」のフレーズを使用していないため、「3時のおやつは?」と子供達に尋ねて「文明堂」と答えが返ってくるのは関東地方の子供達だけというのは40年経っても変わらない。
ちなみに文明堂総本店がある長崎県では全く流れない為、長崎では知らない人が多い。
そもそも長崎では『カステラ一番、電話は二番』は共通だが『文明堂のカステーラ』とフレーズ自体も異なる。しかも文明堂総本店はCMソングに複数のパターンがある。代表的なのは『ぶんぶぶぶん、ぶんぶんぶん、文明堂のカステーラ』の歌詞のもの。長崎のわらべうた『でんでらりゅう』『あっかとばい』もCMソングにされていたので、特に前者は長崎県で知名度が高い。
なお、人形が熊であるにも拘らず長い尾を持っているのは、CMの制作を依頼された外国人夫婦が最初から猫のつもりで制作を進めてしまったための名残らしい。パッと見た感じ、人間の子供が着ぐるみを着ているようにも見える風貌もあって、ハッキリ熊だとわかりにくく、最初から猫だと勘違いしていた視聴者も多いだろう。
ちなみに総本店が展開するエリアだと『デキシーパンダ』というパンダ人形のバンドのCMだった。
ちなみに『半熟英雄対3D』で初めてゲーム作品内でCMが流れた事がある。
また、電話は二番とあるが本当に電話番号の末尾は2が付いており、例えば総本店は市内局番以降は「0002」と徹底している。元は長崎に電話が開通したときに文明堂の電話番号が2番だったことがルーツであり(1番は長崎県庁)、これ以降、末尾が「2」の番号をなんとしても押さえてきたとされている。
実はそれぞれ別会社!?
屋号が「文明堂」である為、各地の文明堂は同じだと思われがちだが支店ではなく別会社なのである。
現在は、関東から中国に展開する文明堂東京(2008年までは「日本橋文明堂」と「新宿文明堂」に分かれていた)、関東以北に展開する銀座文明堂、関東から東海に展開する横濱文明堂、浜松周辺に展開する浜松文明堂、神戸周辺の文明堂神戸店、そして九州から中国・四国に展開する文明堂総本店が存在し、地域によっては文明堂同士の競合も発生している。例えば京都では、文明堂東京の工場直売店と伊勢丹京都に文明堂神戸店のコーナーがあるといった状態である。
根(発祥)が同じなのはどの文明堂もだが、屋号がそれぞれ異なる正式な屋号を持つ。CMが異なるのもそれが要因。
ちなみに文明堂発祥の地・長崎県の文明堂は『文明堂総本店』である。要は本家本元で総本店と各地の文明堂との関係はもはや他人かつ遠い親戚みたいなもの。
「他人かつ遠い親戚みたいなもの」というのは、当初は東京の文明堂は支店でそこからさらに分化した事、戦後の1946年に各文明堂が独立した経営を始めた為である。なお、東京の文明堂は関東大震災の影響で一度撤退している。なお、文明堂東京の創業者は中川安五郎の弟であり、長崎は兄・東京は弟という関係にあった。
なお扱っている商品も味にも違いがある為、特に競合している地域で買ってきてもらう場合は「どこの文明堂」のものかを言わないと間違われるのでややこしい事になっている。
ただし、例えば文明堂東京は自社サイトでヒストリーとして長崎の文明堂総本店から始まった事をきちんと記している。また、各地の文明堂は文明堂そのものの創業者は中川安五郎であるのも共通している。
関連動画
外部サイト
麻布文明堂公式 - 現在は菓子類の製造販売は行っていない。URLに「bunmeido」が含まれていない唯一の店舗。