概要
1886年東京府神田区(現・東京都千代田区。ちょうど現在の秋葉原駅の目の前あたり)に創業した「伊勢屋丹治呉服店」を母体とし、その後関東大震災などを経て「株式会社伊勢丹」を設立、1933年に拠点を現在地へ移し百貨店形式の店舗運営を開始した。
1968年に紳士服専門店舗「メンズ館」を成功させ「男服は売れない」という業界のジンクスを打ち破るなど、国内の百貨店の中でもファッション性の高い衣料品の販売に強いとされる。衣料品ビジネス全体の低迷する近年においても気を吐いており、俗に「西の阪急、東の伊勢丹」とも称される。
日本全国に12店舗(関連会社含む)を展開しているが、新宿本店が売上比率の6割を占めるというかなりアンバランスな経営状況が以前より問題視されており、その打開の目的もあって2008年に三越と経営統合、三越伊勢丹ホールディングスを発足。2011年より伊勢丹自体も株式会社三越伊勢丹による運営となった。
デザイン面ではタータンチェック柄の紙袋が特徴的(柄は2013年にリニューアルされている)。
関西の伊勢丹及び関係店舗
JR京都伊勢丹
厳密にはグループ企業であるが、新宿店に次ぐ売上を誇る。京都市における商圏の勢力図を塗り替えたともいわれるほど大成功を収め、京の着倒れといわれるほどファッションにうるさい市民(特に若い世代)の心をしっかりと掴んだ。後に駅前が年配層の需要に応えた四条通に対し、若者のファッション先端基地となり、地下街ポルタなどの改装も進んだ。
ルクア1100(ルクアイーレ)
北梅田にあるファッションビル。前身はJR大阪三越伊勢丹だが、百貨店史上に名を残すほどの大失敗をし、後にファッションビルに業態転換、ルクア大阪の別館となった。夜間営業の飲食テナントなどで差別化を図り長いスパンで見れば、結果的には事業成功している。店内には伊勢丹のアンテナショップと三越のギフトサロンがある。
なお、元々伊勢丹は梅田の出店に懐疑的だったが、梅田への出店にこだわっていた三越によって、やむなく折れた形となる。だが、名前に伊勢丹が入ったことになって、新宿で煮え湯を飲まされ続けていた高島屋から思わぬ意趣返し(人気ブランドを押さえられてしまう)に遭った形となった。