概要
トリロジー版CV:小野賢章
『ブラスターマスターゼロ』『ゼロ2』『ゼロ3』の主人公。
遙かな未来世界における地球で、ロボット工学で名を馳せる天才青年。
ある日、謎の生物らしき存在・フレッドに出会ったことから、彼の運命が動き始める。
常に冷静だが、一度興味を持つと何にでも惹かれる強い好奇心と、それに並ぶ正義感、どんな逆境でも絶対に諦めず活路を見出そうとする不屈の精神の持ち主。
彼の考え方や言動、諦めない心は、パートナーであるイヴや『ゼロ2』で出会うMAパイロットたちにも様々な影響を与えることになる。
本作ではトップビューとサイドビューの混成探索アクションとなっているだけあり、双方でジェイソンを操作できる……が、サイドビューではとにかく弱い。
具体的にどれくらい弱いかと言うと、被ダメが大きい・高所から落ちると水がなければダメージを受け、最悪即死する・高いところを登れない……など。ちなみに唯一しゃがみ移動ができるので、狭い通路を通りたい時だけはジェイソンでゆっくりほふく前進させる必要がある。
そもそもサイドビューはソフィアを駆使して戦う場所なので、人間である彼が弱いのは当たり前である。
トップビューであるダンジョン内では一転して彼の独壇場。
キーライフルやサブウェポンを操り、多彩なミュータントやギミックを突破していく。ゼロ2、3では後述のカウンター技が追加されたことで、より強力に立ち回れるようになった。
能力
ゼロ
メタファイトのリメイク的側面の強い本作ではほぼほぼ当時のケインそのもの。そのため、流石に次作・次々作と比べると爽快感に欠ける。
ただし、原作と比べるとメイン武装であるキーライフルの性能が大幅に上方修正されており、一回だけならレベルダウンを防ぐパーツも登場した。
キーライフルはレベルを上げることで0〜8の9段階まで強化されるが、それぞれのレベルによって弱点になるミュータントや有効な場面などが異なる。
ゼロ2
本作から完全新作ストーリーということもあり、G-ソフィアへの改修に伴ってジェイソンのスーツも改良された。
ミュータント由来の素材を使った特殊なマントにより敵の攻撃に反応してカウンター攻撃を行うことができる強力な能力、『ブラストカウンター』が使用可能となり、カウンターを駆使した戦法でミュータントと対峙していく。
他にもサブに属性がある場合、特定のレベルのキーライフルショットにも反映されるようになった。
ちなみに今作のキーライフルのレベルの中には、前作で追加コンテンツとしてコラボしたメンバーに色々影響されたものがあるようだ。
ゼロ3
前作の決戦にて壊れたヘルメットを改修した際、イヴが新機能として『VRVシステム(Vision Reversal Visor System)』を仕込んでいた。
惑星ソフィアに発生している「次元の歪み」の近くで起動することで、バイザーを追加で被って次元を逆転させ、ミュータントの巣食う超次元空間へと転移することができる。次元の歪みから超次元空間へ向かうため空間が安定しておらず、アクセルチェンジャーの全ソースを生命維持に回すことでなんとか耐えている。
これを使って次元が崩れて通れない場所を超次元空間経由で移動したり、ソフィアフォースの警備の厳しいエリアをミュータントを突破する形でスルーしたりできる。
ただし、生身で超次元空間を移動したい場合、アクセルチェンジャーのシステムの都合上、超次元空間に長くいるとジェイソンに過大な負荷がかかってしまうため、超次元では活動限界がある。ソフィアの中でシステムを使っている間はアクセルチェンジャーがいらないので平気である。
その他、サイドビューではホバリングが可能となり、ゆっくり滞空しながら高所を降りれるようになった。覚えていれば落下死の危険性を大幅に削減できる。
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各作品での活躍(ネタバレ注意!)
はじまりの物語 『ゼロ』
ある日、たまたまフレッドに遭遇。
好奇心から色々調べようとした矢先、ふとした拍子に逃げられてしまい、フレッドの作ったワームホールへと追いかけるも、見失ってしまう。
その代わり、超惑星間万能戦闘車両「ソフィア-Ⅲ」を発見。これでミュータントに対抗しつつ、フレッドを追いかける。
エリアの各地にあるモジュールでソフィアと自分の装備を強化しつつ進む中、市街地エリアでのボス戦の後、奥の部屋で謎の少女・イヴと出会う。
記憶をなくしているのにソフィアの整備ができる彼女を不思議に思いながらも、ジェイソンは諸々の危険性も考慮し、ソフィアに乗せて2人でミュータントに対峙していくことになる。
戦いの中で少しずつ距離を縮めていく2人。
氷河エリアでようやくフレッドを回収する中、前のエリアで偶然にも記憶を取り戻していたイヴから、自分たちが人間ではなくソフィアを使って地球を守るように作られた人工生命体「ガイノイド」であることを知る。
それでも、ジェイソンはイヴやフレッドと共にミュータントを倒す道を選び、2人の結束は確かなものとなった。
……はずだった。
終盤、ミュータント・ロードことゴウズを撃破し、地球のミュータントを撃滅することに成功したジェイソン。
地上へ帰ってきた3人だったが……
ジェイソンが決戦を繰り広げている中、イヴはソフィアでミュータント・ロードとは別の強大なミュータントの存在を確認していた。
その名もミュータント・コア。
イヴはこれ以上ジェイソンを巻き込みたくないと、彼を気絶させ、たった一人でソフィアⅢに乗り込み、超次元空間へと向かってしまったのだ。
覚醒したジェイソンは、イヴが一人で地球を守ろうとしていることを察知し無力感に囚われそうになるが、フレッドに呼ばれ、初めてフレッドと出会った場所までついていくことに。
そこでフレッドが呼び出したのは……イヴの故郷、惑星ソフィアから送られてきた試作型のソフィア、「ソフィアゼロ」。
ジェイソンはソフィアゼロの中に残されていたメッセージ──イヴの実質的な両親であり、かつて惑星ソフィアを救った英雄・ケインとジェニファー夫妻からの伝言を確認し、意を決して超次元空間へ突入。ソフィアⅢの完全上位互換である圧倒的な性能でミュータントたちを突破していき、ようやくイヴのもとへと追いついた。
だが、そこでジェイソンが目にしたのは、ミュータント・コアにイヴごと侵食され、破壊兵器と化したソフィア──超惑星間万能侵略車両「インベムソフィア」だった。
激しい戦いの末、一時的に怯んだ隙を突いてイヴを助け出したジェイソンは、アクセルブラストを発射してコアごとソフィアを破壊。地球での戦いに完全決着をつけた。
再び地上へ帰ってきたジェイソンとイヴ、フレッド。
ソフィアゼロの上で平穏を噛みしめる中、ジェイソンはイヴに想いを伝える──
──しかし、その平穏は長くは続かなかった。
絆の力で立ち向かえ!『ゼロ2』
なんと、イヴの中にコアの細胞が僅かに残っていたらしく、彼女の身体を再侵食し始めた。
ジェイソンは必死に治療法を探すが、ソフィアゼロが壊れるまで探索したにも関わらず結果は得られなかった。
ジェイソンはイヴの故郷である惑星ソフィアへ救いの手を求め、地球で製造した新型のメタルアタッカー、「ガイアソフィア」で、地球を発った。
G-ソフィアのガイアシステムで衝撃をエネルギー変換し、理論上補給無制限の宇宙の旅をするジェイソン。しかし彼の後部座席では、そのエネルギーを回して侵食を右半身に抑えた状態で繋がれた、痛々しい姿のイヴが座っていた。
フレッドのワームホールを使って様々な宇宙を旅し、時にミュータントと戦い、時にそれぞれの宇宙で奮闘するメタルアタッカーとそのパイロットやサポートロイドたちと邂逅しながら、少しずつソフィアへ近づいていく一行。
だが、惑星型超巨大ミュータント・プラネイド・Gが引き起こした自壊による歪みに囚われた結果、イヴやフレッドと離れ離れになってしまう。
イヴがミュータント浄化能力に目覚め、エルフィに託されたメタルアタッカーのアンドレイアでジェイソンのところへ辿り着いた頃には……ミュータント・コクーン「ゼオグ」に敗北し石化させられてしまっていた。
ライプニッツによって集まったMAたちの援護もあって、一発限りのアクセルブラストを放ったイヴは、それに込めた浄化の力が作用したことでジェイソンの復活に成功。ジェイソンはG-ソフィアの最後の力をふんだんに使って、ゼオグを完全に撃破したのだった。
傷ついたソフィアをアンドレイアの残骸を受け継ぎ「ガイアソフィアSV」へ改修し、超次元空間を脱したジェイソンとイヴ。
彼女に想いを伝えられながら、一行は旅の目的地──惑星ソフィアへと降りていくのだった。
……が、彼らに訪れるはずだった幸せは、無慈悲にも壊されることとなる。
選択と決断の先で選んだ未来 『ゼロ3』
突然、惑星ソフィアを守る軍隊「ソフィアフォース(SF)」に攻撃され、ジェイソンたちは捕まってしまう。
それだけでなく、イヴだけは何故か厳重に捕獲されてしまうのだった。
成す術無く牢に入れられていたジェイソンだったが、突如惑星ソフィアに大量のミュータントが襲来、イヴを超次元へ連れ去ってしまった。SF基地内の混乱を好機と見た彼はなんとか脱獄し、G-ソフィアSVと自分の装備を取り返して基地からの脱出を試みる。
しかしほとんどの武装を取られており、フレッドはどうにか回収したものの、基地の奥で待ち構えていたケインのメタルアタッカーに迎撃されてしまう。
ところが、最初からケインはジェイソンを逃がすつもりでいた。
ケインは戦闘記録を上手く使ってジェイソンを秘密裏に逃がす選択を取り、ジェイソンは彼に背中を押されてSF基地を脱出する。
道中、ガルーダを撃墜されていたライプニッツが、ジェイソンがダンジョン内でイヴィルイヴに手こずっている間に勝手にソフィアに乗車しており、仕方なく成り行きで2人で進むことになり、ついでにガルーダのホーミングレーザーを勝手にインストールされて引き継ぐ。
彼にイヤミを言われたり座席を蹴られたり勝手にイヴのメッセージを再生されたりetc……ながらも邪魔自体はしてこなかった(そんなことをしてもライプニッツ自体にメリットが無いのもあるが…ただのツンの激しいデレである)ので、なんやかんや気にせず進むことに。……ことあるごとに「イヤな奴だなぁ…」と心の中でボヤくことになるのだが。
その後、イヴの途切れ途切れの通信から彼女が「答え」を探していることを知る。
ケインの助言でマスドライバー施設を使いジェニファーの協力を得ることになり、なんとかマスドライバーを使ってG-ソフィアSVを月面へ打ち上げ、研究所のジェニファーと出会う。
彼女からイヴに関する情報を得た後、外宇宙のエリアEにいるカンナにも手伝ってもらいつつ、必死にイヴの行方を追いかけ続ける。
その中でイヴからミュータントの反応が出ていること、イヴがDNAを獲得した結果身体が成長したこと、超次元空間に身体が順応して「超次元生命体」になっているかもしれないこと、ミュータント・クイーンとなったイヴを護るために、ミュータントによる攻撃が始まった可能性があることを知り、彼女をミュータントの呪縛から浄化するために文字通り命を削ってイヴへの想いを放つ切り札『エレメンタルブラスター』を得る。
SFはイヴをコア・ミュータント「インベムクイーン」と断定してしまうが、攻撃開始の前にイヴを助けるべく、ジェイソンは禁断区域を降り、ケインやジェニファーの叱咤激励を受けながら彼女のもとへ急ぐ。
その後、機体限界を超えて大破したG-ソフィアSVの犠牲を超えて、イヴを捕えていたプラネイド・Gの成れの果て・プラネイド-Gティミドローを文字通り死力を尽くしたエレメンタルブラスターで撃破することに成功。
VRVシステムの要であるヘルメットも破損するほどの反動を受けてまで、ようやくイヴのもとへ辿り着いたジェイソンだったが、エレメンタルブラスターを受けたはずのイヴはミュータントのことを思っているような発言をする。
エレメンタルブラスターが…ジェイソンの想いが届かなかったのか?と皆が疑問に思う中、ライプニッツはずっと感じていた違和感から一つの結論を見出す。
それは、イヴ自身がミュータント・クイーンから戻る気は無い、イヴがジェイソンと“逆”の方向を見ていた……ということ。
ジェイソンは激しく非難するが……イヴはこれ以上戦いを起こさせないようにするため、ミュータントたちがこれ以上暴走して宇宙を滅ぼしてしまわないようにするため、自らクイーンとして君臨し、彼らをを連れて永久に超次元空間に留まって現実との繋がりを断つことを決意しており、ジェイソンと別れようとするのだった。
想いを伝え合ったはずのジェイソンとはもう永遠に会えないことを、受け入れたように。
だが、ジェイソンはそれでも諦めなかった。
本当にこれでいいのか。
目に見える姿、耳にする言葉がすべて現実なのだろうか。
イヴの心に、裏はないのか?
そして、ジェイソンも覚悟を決める。
ケインはその覚悟に気付いたのか制止しようとするが、今まで突き進んできた彼の想いは、今更止められるようなものではなかった。
『イヴが遠ざかる。超次元へ消えてしまう。
“逆転”させる最後のチャンスは、今しかない……!』
次の瞬間、ジェイソンはVRVシステムを起動した。
要であるはずのヘルメットを必要とせず、イヴへと手を伸ばす強い想いだけで、運命を逆転させた。
髪色を白く逆転させ、頬に電子線が走る。
彼の肉体が、人間のそれではなくなった瞬間だった。
すべては、想いを通わせ、愛し合った存在。
かけがえのない、イヴのために……
そして、ジェイソンはイヴの心の“裏”、彼女が隠していた本音を聞いた。
「ジェイソン、大好きだよ」
そうして、イヴは超次元空間へと消えていった。
ジェイソンと、絶対にまた会う約束を交わして。
ジェイソンもまた、必ず追いつくことを約束した。
今は見送ることしかできなくても、いつかまた隣に行けるように……
月日が流れ、ケインはVRVシステムを搭載したメタルアタッカーで、アクセルチェンジャーのいらない地球の超次元空間へ向かう。
突然、地球に開けられるはずのない歪みが開いたからだ。
試練として立ちはだかったMAパイロットたちを退け、強い決意と覚悟を背負ったライプニッツのライジングガルーダも退けたケインは、超次元空間の深淵で、青いジェイソンと邂逅する。
そして、ジェイソンからヘルメット抜きでVRVシステムを使えた理由が明かされた。
VRVシステムを酷使して超次元空間も探し続けた末に、ジェイソン自身にも変化が訪れていた。
それは、アクセルチェンジャーに体が慣れる……超次元空間の環境にも、ジェイソンが適応してきていたのである。事実、使うたびに少しずつシステム稼働限界が伸びており、いつの間にか制限を気にすることなく戦えるようになっていた。
これは同時にイヴ同様ジェイソンが超次元でしか生きられなくなったことも意味しており、彼はしばらく前に姿を消していたのである。
ちなみに気付きにくいがだんだんヘルメット越しに聞こえる彼の声がノイズ混じりになってきており、メンテナンスしていないだけかもしれないが、もしかしたらこれも暗喩だったのかもしれない。
イヴは身体を失ってもなおコクーンとして新たな命を育んでおり、ジェイソンはそれを守るため、超次元空間で作り出した新型MA「ソフィアJ1」でケインと対峙する。
ケインもまた、歪みを開けてしまったジェイソンたちを止めるために、“ブラスターマスター”と戦う。
激しい戦いの末……コクーンが発光し、イヴはケインにあるものを見せる。
それは、ジェイソンとイヴが人間として生んだ、双子の子供であった。コクーンの正体はイヴが子供を育むため、そして2人が人間として生きた証を残すための希望の揺籠だったのである。
普通の人間である子供たちは超次元では生きられないため、ライプニッツが引き受けることになったといい、歪みはそのためのものだった。
そして、超次元で生きる道を選んだ2人は、異文明生命体「ライトニングビーイング」を倒さなければならないらしい。
だが、離れていても、親子の心はひとつ。
子どもたちの生きる宇宙を守ること、危機が訪れれば必ず帰ってくることを伝えた。
最終的にケインは2人の選択と決断を受け入れ、戦士としても、父としても、2人の未来を信じるのだった。
苦難と困難と試練を乗り越え、次元も運命も超越した末に、お互いに変わってしまったが、変わらない想いを見事昇華させたジェイソンとイヴ。
エンドロールの最後、どこまでも走り続けた先で……見つめ合う2人。
もう離れることはないということを暗示するように、しっかりと抱きしめ合いながら、2人は未来を想う。
そんな2人の想いを乗せて、ソフィアJ1は旅立つ。
未来を守るための、ブラスターマスターの新たな戦いへと。
宇宙も次元も超えたボーイ・ミーツ・ガールのトリロジーは、これにて終幕する。
2人の未来に幸あらんことを……。
裏関連タグ
白き鋼鉄のX2:追加コンテンツにて、ゼロ3真エンド後の時間軸から次元を超えてソフィアJ-1と共に登場。今作のアキュラの武器「ブレイクホイール」の元になったキーライフルについても触れている。