概要
アカネ科ヘクソカズラ属の蔓性多年生植物。日当たりのよい薮や空き地、土手などに見られ、フェンスなどに絡みついているのがよく見かけられ、雑草として扱われる。日本在来種で日本全土、東アジアに自生する。
「ヘクソカズラ(屁糞葛)」の名は全草から悪臭がすることによるが、清楚な小さい花を咲かせることからサオトメバナ(早乙女花)の別名もある。花は夏頃に咲き、ベルのような形をして、白の中に紅紫色が差し、直径1センチにも満たないほど小さいながらよく目立つ。葉は長さ4~10センチ、形は先がとがる卵形で、対生する。
余談
果実が民間薬として使われるほか、全草、根を採取し鶏屎藤という漢方薬にする。
ヘクソカズラの悪臭成分はスカンクの肛門腺から出る臭い成分と同じメルカプタンである。なお、ヘクソカズラの英語名はスカンクにちなみSkunkvineという。
ヘクソカズラの悪臭は害虫を寄せ付けないためと考えられているが、ホシホウジャクの幼虫はヘクソカズラを食草とする。ヘクソカズラにつくヘクソカズラヒゲナガアブラムシというアブラムシの一種も存在する。この昆虫はヘクソカズラの悪臭成分を体内に溜め込んで捕食者から身を守っている。