概要
第1作。原案とメインライターを倉本聰が手掛け、城西署捜査第四課の捜査ドラマと、記者クラブの記者たちによる特ダネ合戦を並行して、暴力団事件の陰に潜む非業に満ちたドラマを描写する。
内容は「事件が解決しても誰も救われない」、「真犯人が権力者故に逮捕できずに話が終了する」など、刑事ドラマの様式美を覆したハードで重々しいシリアスな話が大半を占めている。最終回に至っては黒岩がヒロインとの仲を引き裂かれるというダークな内容であった。
アクションとは無縁で、カーチェイスは全く無く、銃撃戦の描写も極力抑えられている。
本作は識者層からの評判は良かったものの、視聴率的にはあまり振るわず31話で打ち切り終了となった。
主人公の黒岩刑事はヒラの一刑事という設定であり、丸山刑事を先輩と呼ぶなど後のシリーズ2作と人柄などが大きく異なっている。
ちなみに九条記者役の神田正輝は本作がデビュー作であり、OPテロップでは「神田正輝(新人)」と表記されている。
登場人物
警視庁捜査第四課
- 黒岩 頼介(渡哲也)- 愛称「クロ」。群馬県出身。警視庁管内に名を轟かせる「深町軍団」の一員であり、城西署の捜査本部へ派遣されている。奈良県警大和署→長野県警本部→警視庁捜査四課と慌ただしいまでの転勤を繰り返している。柔道5段、空手3段だが無口。妹思いであり、照れ屋の一面もある。銭湯通い。
- 丸山 米三(高品格)- 刑事。愛称「とぼけの丸さん」。ベテラン格で、全話通して殆ど黒岩と行動を共にしている。千葉県在住。仕事帰りにその日の夕食の食材をスーパーで調達するなどマイホーム・パパ的な一面も見せる。
- 加賀見 乙吉(中条静夫)- 係長。仕事には厳しいが根は人情家であり、深町や一色と比べると現場寄りのスタンス。また直々に捜査へ出ることも多い。
- 深町 行男(佐藤慶)- 課長。「深町軍団」を率いる強硬派であり、使命の為には手段を選ばない非情な冷血漢。その反面甘い物好きで常にチョコレートを口にしている。自ら現場へ赴き指揮をとる事は多くない。
城西署捜査第四課
- 一色 光彦(玉川伊佐男)- 課長代理
- 高木 吾一(草薙幸二郎)- 刑事
- 大内 正(小野武彦)- 刑事。愛称「坊さん」。
- 平原 春夫(粟津號)- 刑事
- 清水 英子(新井春美)- 事務員。終盤で黒岩との縁談話が持ち上がる。
東洋新聞記者クラブ
- 滝川 竜太(石原裕次郎)- 社会部・警視庁第三方面クラブキャップ。黒岩の高校の先輩でもあり、妻と2女の家庭を持つ。無類の博打好きであることから、「バクさん」と呼ばれている。
- 日高 明(寺尾聰)- 若手記者。調子の良い反面、やや刹那的な性格。
- 九条 浩次(神田正輝)- 新米記者。元々裕福な家の出で、自身は変にエリート意識がある。私生活では話中盤あたりから黒岩の妹・恵子と恋人関係となる。終盤でついに縁談話までこぎつけるが、そこで彼女の「封印された過去」を知ることに…
- 由比 大三郎(北浦昭義)