概要
1933年12月6日、大阪府出身。
「錠」という名前は本名で、子沢山だった母親が「最後の子にしたい」と願ったからだという。
俳優の郷鍈治(1992年死去)は実弟、その妻のちあきなおみは義妹にあたる。エッセイストの紫しえは長女で、同じく俳優の宍戸開は長男。
大学を中退して日活に入社、「日活ニューフェース」の第1期生となる。当初は二枚目役が多かったが、役の幅を広げるために、頬にオルガノーゲンという物質を入れる豊頬手術を行い、個性的な悪役として開花。
小林旭らと共に日活アクション映画を背負って立つスターとして、「エースのジョー」の愛称で親しまれた。
ちなみにこの愛称であるが、1961年に初主演した映画『ろくでなし稼業』公開の際に付けられたもの。当時の日活の方針で主演俳優にはニックネームが与えられるのが通例(有名どころでは石原裕次郎の「タフガイ」など)で、本人が「ハリウッドの三流ギャング映画的な『殺し屋ジョー』でやりたい」とリクエストしたところ、同社宣伝部部員の遠藤醇氏によって決定したとされる。
後に映画界からテレビへ活動の場を移し、多数のドラマに出演した。「巨泉×前武ゲバゲバ90分!」「元祖どっきりカメラ」などのバラエティ番組にもレギュラー出演し、「くいしん坊!万才」のレポーターなども務めている。
2001年に美容整形手術を再度受け、頬の詰め物を除去。以降はほっそりとした顔立ちとなった。
2013年2月には東京都世田谷区上祖師谷の自宅が全焼し、2001年に除去した頬の異物や、2010年に亡くなった妻の遺品などをすべて失った。
以降は目立った露出も減っていたが、2020年1月21日午前1時半ごろ、自宅で倒れていたところを家族に発見され、その場で死亡が確認された。死因は不明だが病死とみられている。享年88(満86歳没)。