バルゴート
ばるごーと
概要
隠れ里ギュータの先代の長。 カノンを娘に持ち、マトリフを鍛え上げた大賢者。現在は故人。髭を蓄え、右目を包帯で覆っている男性で武術や魔術の手練れ。人間世界を救う勇者と彼を支える英傑を育成すべく表世界から隠遁し、ギルドメイン山脈の空高い山に秘境ギュータを建立した。厳格な性格で弟子達に課す修行も過酷なものであったようである。
過去にはまぞっほやディードックを弟子にとっており、前者には「勇者とは勇気ある者、真の勇気とは打算なきもの。 相手の強さによって出したり引っ込めるのは・・・本当の勇気ではない」と諭す。 臆した精神を克服できずにいた者に、『その臆病な精神が治らぬのならば、ギュータ(ここ)に居場所がないぞ?』と釘を刺した。
※この言霊は、孫弟子にあたる若者に多大なる影響をもたらす事となる。
また、同時に異なる呪文を扱う場合、組み合わせによっては自らの命を危険に晒すと物覚えの悪い弟子に体験させ、その出来事が地上最強の消滅呪文を生み出す契機を与える。
大賢者の決断
月日が流れたある日、己の寿命があと僅かだと確信する。教え子のマトリフから『何言ってんのさ、そういうのは大呪文の類で何とかできるじゃねぇか!』と言われるが、実際に回復呪文を発動させるとパワーが小さかった。 曰く『回復呪文は、術者の活力がそのまま反映される。』との事。
これらの経緯から、ギュータの事は自分と娘に任せマトリフに真の勇者を支えてもらうべく『お前には、手を焼かされたが・・過去最強の弟子だ!』と太鼓判を押し、最初で最後の笑顔でマトリフを外の世界へと送り出した。
その後、愛用していた杖は夥しい量の邪気が渦巻く逢魔窟の最深部に封印され、その杖を手に入れる事がアバンが『最後の必殺剣』を会得する修行となった。
アバンやマトリフによればバルゴートはアバンの祖父、ジニュアール1世に似た人物だったことが窺える。優れた才格の持ち主であったが、世俗から距離を置き、膨大な蔵書などの知識を集め、次世代の養育に力を注ぐ後半生をおくった点が共通する。魔王ハドラー打倒後にアバンは地上界の脅威が現れるたびに自分が戦い続けるだけでいいのか?と自問した結果、人材育成を志すも、その際にバルゴートの生き方こそが自分の目指すものだったという確信を得ている。